雨の日の贈り物

雨の日の贈り物

ついこの間まで嫌いだったんだ雨の日が
巻いた髪の毛は跳ねる跳ねる取れてしまうし
せっかく出した新しいこのシューズが
雨に濡れて曇ってしまうから

だけど あなたがくれた傘が
愛おしくて 嫌いになりきれなかったんだ

それはまるで雨の日だけに訪れる
当たり前のようで小さな奇跡だ
いつもならば空っぽなこの街も
雨の日だけはやさしい海に変わるから

ついこの間まで嫌いだったんだ雨の日が
洗濯物は乾かないし上がらない気分も
雨が苦手な君は気づき走って帰ってく
傘の下で私はひとり

だけど雨上がりきらめくそのプリズムで
この街が綺麗に見えてしまったんだ

それはまるで雨上がりだけに訪れる
当たり前のようで小さな奇跡だ
いつもは涙を落とせないようなあの子の
心の紐をすこしだけ緩められるから

雨が止み晴れ間が覗いたならば
またこの街はカラッといつも通りで
あの子もきっと笑えるだろう
雨の日も悪くは無いね

君から貰った傘をさせるから
空っぽなこの街もやさしい海に変わるから

それはきっと
君と僕のもとにやってきた
ひとりじゃ気が付けない小さな奇跡だ
それから雨が上がってもまたいつか
あなたに寄り添うように奇跡がふるから

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