小説 : アトラス彗星
「 星を見に行こう 」
きみからのメールはたった一言だけだった。
どうして突然星なんて。
あぁ、彗星かなんだかが降るんだっけな。
数時間前、そんなニュースが流れた気がする。
一体その星はどこで見れるのだろうか。
こんなにも明るい東京で星なんて。
「 いまいくよ 」
十月。
日中は未だ夏の暑さが居座っているものの、
日が落ちればしっかりとした秋だった。
「 随分涼しくなったね 」
「 うん 」
「 ね、次見れるのは八万年後だって 」
「 うん 」
「 八万年ってどのくらいだ