10/21

10.21

街はすっかりと秋の顔になっていた。
緑は残り少ない。黄、赤、茶 。
いわゆる秋色で溢れていた。
もしかすると私は秋の太陽がいちばん好きかもしれない 暖かく、きらきらとしている
この瞳を瞼でしまったら、陽の光が優しく撫でてくれるような気がした
そんな期待をして少しの間目を閉じてみた

陽の当たるベンチに腰を下ろす
肩に背負っているトートバッグを落とす
木立を風が抜けてゆく音がする
こころがざわめく 頭上を蝶が舞う
鳥が囀る 水が流れる 陽だまりが私を包む
それだけで生きていけるようなきがした

秋の光がきみのひとみをより一層の輝かせていた
透き通っている 硝子玉のように
そんなことを思い出す

15:15
太陽が雲に隠れてしまった
綿のような分厚くて柔らかそうな雲だった
どうして緑は白い背景よりも青空のが映えるのだろうか そんなことを考えた
歩きながら言葉を打ち込む 落ち葉が音を鳴らす
体いっぱいに息を吸い込む 肺が少し冷える
ボールの跳ねる音 誰かの足音 服のすれる音
ほんの少しの眠気 昔のことを少し思い出す
都庁 車 それから、人、冬毛の犬

んー、生きてるなぁ。
明日も晴れるかな。

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