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モラハラの原因を発達障害と捉える事に関する危険性について

これ割とX(旧Twitter)で見かけるケースなのですが「モラハラ」の原因を“ASD”や“ADHD”などの発達障害と捉えてらっしゃる方をちょくちょく見かけます。

https://note.com/_ego/n/n5ef68c00cb2d



これは以前に発達障害の方とモラハラ被害者の方に協力して貰って実施したアンケートを元にまとめたnoteですが非常に興味深い結果になっています。

テーマは簡単に言えば“一貫性があるか無いか”のお話なのですが、発達障害の方々には一貫性がある人が圧倒的に多く、モラハラ被害者が感じるモラハラ加害者には一貫性が無い人が圧倒的に多いと言う結果になりました。

この“一貫性”ですがモラハラを考える上でとても重要な要素になります。

と言った所で本題に入らせて頂きます。


まずはじめに


モラハラを考える上で最初に理解しておかなければならない事はモラハラ加害者の人格・心理構造です。

これはWikipediaのモラルハラスメントのページにかなり詳しく書いてあります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88


“「自己愛的な変質者」は、誰かから奪うことを欲している、内心の葛藤を自身で引き受けることが出来ず外部に向ける、自身を守るために他人を破壊する必要を持つという「変質性」を持つ。子供の頃に受けた何かのトラウマによってなる性格だと考えられるが、普通の人なら罪悪感を持ってしまうような言動を平気で出来る、そのような特徴から「症状のない精神病者」と理解される。加害者の攻撃性はナルシシズムが病的に拡大されたものである。”

“モラル・ハラスメントの加害者は、自分が「常識」であり、真実や善悪の判定者であるかのようにふるまい、優れた人物であるという印象を与えようとし、自分の欠点に気づかないようにするために他人の欠点を暴きたて、称賛してもらうために他人を必要とする。”

“加害者の論理では、他人を尊重するなどという考えは存在しない。加害者は復讐の気持ちをともなった怒りや恨みも持ち、被害者にすべての責任を押しつけてしまうことによって、ストレスや苦しみから逃れる。相手の弱みを見つけ暴き攻撃することによって優位を保とうとする。この時その相手というのは、自己愛的な変質者の心のなかでは全てに責任のある悪い人間、すなわち破壊されなければならない人間であり、執拗に攻撃を繰り返すのだが、この過程で加害者が相手のアイデンティティーが破壊していくのを見て喜んでいるのには間違いない。”


これが“モラルハラスメント”の提唱者、マリー=フランス・イルゴイエンヌによるモラハラ加害者の人格・心理構造なのですが、ここには発達障害の“は”の字も書かれてはいないと言う事に着目しておいて下さい。



“尊大型”と言う罠


一見モラハラ加害者の特性そのままじゃないかと思ってしまうこの“ASD尊大型”、NPDとも酷似していてどうやって見分けるのだろうと当時の僕も真剣に考えていました。

これには正直な所、自分も引っかかってしまってたのですが、“モラハラ”に関する情報を検索してると割とちょくちょく見かけるこの“尊大型”、実は自閉症の型には存在しない型なんだそうです。

https://x.com/kogitsune21/status/1538417498726735872?s=61&t=_U6ZXMG_2inO98eZygZKIw



僕がまだこの辺りの事を理解出来ていなかった時にフォロワーさん(医療関係の)に教えて頂いた時のツイートです。

この“存在しないもの”に対して
「モラハラの原因はASD尊大型なんですよ」
と主張してる人たちがいるし、一歩間違えればそれを自分も信じてしまう可能性があったと言う事です。

僕も教えてもらう前までは“ASD尊大型”と言うものはオフィシャルな情報のソースはどこにも無いけどあるんだろうと言う認識でした。

NPDと限り無く似てるけど、それがあるならNPDとASDの併存もあるのだろうと考えていましたが、こちらも教えて頂きました。



説明して貰ってこれにはほんと納得しかないと思いました。

この辺りも誤解されてる方も多いので広く知れ渡る事を願います。


うちのモラ夫は受動型ASD(?)


これもモラハラ系の垢のプロフィールでちょくちょく見かけるワードですが、その方のツイート読んでみると“受動型ASD”の特徴とはかなり違う内容。

ちなみにこちらが“受動型ASD”の特徴についてのポスト


この画像にある文章読んでもモラハラ的な要素どこにも無いどころか逆にモラハラ被害者になりやすい特徴だと言えると思います。

ここをしっかりと理解しておいていただきたいのですが“受動型ASD”と言葉の雰囲気は似ているのですがその特性とは全く違う特性を持つ**受動攻撃**と言うものがあります。

基本的には**受動攻撃性パーソナリティ障害**の人に見られる特徴ですが


“受動攻撃性パーソナリティ障害は、いやなこと、やりたくないことに対して、「いやだ」「やりたくない」と言うかわりに、わざとゆっくりやったり、忘れたふりをしたり、いわば後ろに引くことで反抗する。不機嫌な気持ちになると受け身的なやりかたで攻撃感情を表現し、あてつけや抵抗を示すために、対人関係に広く支障をきたしてしまう。しかし
こうした態度は通常両価的であることが多く、反抗的な態度をとる一方で、時には謝ったりなだめたりと動揺を示すことがある。他人への依存と自己主張の願望との間で葛藤に陥り、自信を失うことも多い。”


と言うのが特徴です。

一応この“受動攻撃性パーソナリティ障害”の特徴ですが個人的に知っているNPD(自己愛性パーソナリティ障害)の人間の殆どに当てはまっているのでこちらでは便宜上“NPDのオプション”と言う認識で取り扱わせて頂いています。

この辺りを踏まえて考えてみてもモラハラ傾向があるのは“受動型ASD”と“受動攻撃性パーソナリティ障害”とどちらがモラハラの原因なのかを考えた時にその差は歴然だと思います。

夫(妻)が思い通りになってくれない人の辛さ


これたまにフォロワーさんのリポストで見かけるのですが“モラハラ被害者”の方が配偶者に対して

- 気が付かない
- 気が利かない
- 察してくれない
- 思い通りになってくれない

みたいな事に対して

“共感力が無い”=“発達障害”

みたいな捉え方をしている方を見かける事があります。

要は“共感力があれば自分の思い通りになってくれるはず”と言う感覚だと思うのですが、ちょっと落ち着いて考えてみると“それって共感力ですか?”ってなりませんか?

ググってみると“共感力”とは

“共感力とは、「他者の考えや意見にその通りだと感じたり、喜怒哀楽といった感情に寄り添うことができる力」のことであり、他者と信頼関係を築いたり、良好なコミュニケーションをとるうえで非常に重要な力です。”

と言う事で“相手の思い通りになる力”では無いんですよね。

個人的に不思議に思うのはこの「相手を思い通りにしたい」と思う側の感覚と言うか無意識を持つ人って自分も同じ様に“相手の思い通りになりたい人”なのかと言うと、そう言う訳でも無いみたいで、とにかく相手を自分の思い通りにしたいみたいなんですよね。

普通の人は誰かの思い通りになる為に生まれて来る人はいないと思うので、他者が思い通りにならない事は当然の事だと思います。

その“当然の事”を“異常”だと捉えてしまう人って例えるならば

「自分はメジャーリーグ行って大谷よりもホームランを打てるはずなのに何故どこからもスカウトに来ないんだ…」

と真剣に悩んでるのと同じなんだと思います。
心からそれを望むなら日夜トレーニングに明け暮れ、とりあえずは日本のプロテストを受けたりとする所だと思いますが、そう言う人に限ってそれに見合う努力はして無い様に感じるんですよね。

努力もせずに自分の望みが叶わないと嘆き続けている人。

努力をしていない時点で望みは永遠に叶わないと思いますが、悲しみも永遠に続くんでしょうね。そう言う人達って。

自分が“辛い”と感じる事はあったとしてもそれが「自己憐憫」に陥らない様に気をつけたい所ですね。

https://smartlog.jp/230020




あなたの置かれている状況が“モラハラ”ならば


結果から言ってしまうと、あなたの置かれている状況が“モラハラ”だとしたら、その原因はASDなどの「発達障害」ではありません。

ここまで読んで“そんなはずは無い!”と考える様な方はこの先をお読み頂く必要はありません。

このページをそっと閉じて下さい。




それ以外の方に向けてにはなりますが「モラハラ」と言う問題はそんなにシンプルで簡単な問題ではありません。

行き止まりがあったり、トラップが仕掛けてあったり時にはとんでもないモンスターがエンカウントする様な難攻不落のダンジョンの様なものだと捉えて良いと思います。

ただ理解しておかなければならない事はそのダンジョンは“前人未到”なダンジョンな訳では無く、過去にはその難攻不落のダンジョンを制覇して無事に脱出する事が出来た挑戦者達がいたのです。

今現在その難攻不落のダンジョンに迷い込んでいる訳ですが、そのダンジョンを攻略出来た人達はゴールまでの“地図”を見つけていたのだと思います。

中には地図無く本能だけでクリア出来た天才的な挑戦者がいたかもしれませんが今回はそれには触れません。


X(旧Twitter)で僕の垢をフォローされてる方なら高確率で読まれているであろうnoteですが“モラハラ”の原因となるものと言っても過言では無いものがこちらの**NPD(自己愛性パーソナリティ障害)**です。

これが僕の思う“モラハラ”と言う難攻不落のダンジョンをクリアする為の“地図”です。

NPDを理解する事でモラハラのほぼ全てが分かります。

なぜあそこまでの理不尽を押し付けられなければならなかったのか…

なぜあそこまで人格を否定されなければならなかったのか…

そして、なぜあそこまで人間としての尊厳を踏み躙られなければならなかったのか…

その全てが理解出来ます。

たまに「モラハラ加害者の事なんて理解したくも無い」

みたいなポストを見かけますが、誤解しないで頂きたいのですが“加害者本人”を理解する必要なんて欠片もありません。

理解する事に意味があるのは「自己愛性パーソナリティ障害」と言う障害の特性や対処法です。

それを理解する事がそのダンジョンを攻略する為の“地図”であり“鍵”なのです。


モラハラ攻略の為の“地図”がもし違ったら


では逆に今回の本題の“発達障害”をモラハラと言うダンジョンを攻略するた為の地図だと捉えたらどうなる事でしょう。

例えばASDの人に対しての接し方を検索し、必死にそれを学び努力したとしても、問題の配偶者がASDでは無くNPDだとしたら必死にしている努力が片っ端から上手く行くどころか、NPDの人間から見ればその全てが自分を挑発し、馬鹿にしている様にしか受け取れず、脱価値化(※1)のレベルが一気に上がってしまう可能性があります。

(※1)脱価値化についてはこちらのnoteをご覧ください



基本的にNPDの人間はナルシシズムの関係で差別的な意識が強く発達障害に対しても偏見を持った見方か、もしくは無意識のうちにそう言う人を利用する事しか考えられません。

その自分から見れば差別対象でしか無いはずの発達障害のレッテルがまさか自分に貼られようとは夢にも思っていない事を自分の「奴隷」のはずの配偶者から言われるのですから彼(彼女)等もたまったもんじゃ無くなる訳で、全力で反撃して来る訳です。

また、逆にASDと言うものを利用するNPDもいます。

普通では考えられないと思うのですが、今まではそれなりに働く事が出来ていたのにも関わらずASDと言うものを都合良く利用して
「自分はASDだから働けない」
みたいな訳の分からない事を言い出して仕事に行かなくなると言う全ての責任を丸投げしてしまう暴挙に出るタイプのNPDの話もたまに聞きます。

聞いた方は原因はNPDだと途中で気付き理解されてたので、その後無事離婚されてますが、これ「自分の配偶者はASDでその為に仕事が出来ないなら自分が支えなくちゃ」なんてなってしまうととんでもない地獄が待っていると思います。

元々のASDっぽい特性があって職場でも問題抱えて今なら別ですが、その時までそれなりに働けてたはずなのに配偶者から
「あなたはASDなのかも知れない」
と言われた瞬間から突然ASDっぽい症状が現れて仕事にも行けなくなるなんて普通に考えてあり得ない事なので絶対に騙されない様にお気をつけ下さい。

この様にNPDの人間は信じられないほどに狡猾で信じられないほどに純粋な悪意の持ち主です。

利用出来るものは何でも利用し、徹底的にターゲットを搾取して行きます。

相手を“NPDだ”と認識していれば気付ける事も相手を“ASD”や“ADHD”だと捉え違えてしまうとNPDの人間に都合良く搾取されてる事にも気付かずに知らず知らずのうちに搾取され、気がつくと疲弊しきっていたと言う事にもなりかねないのでお気をつけ下さい。

まとめ

いかがでしたか?

モラハラは特殊な環境下で行われます。

加害者の人格の異常性により被害者はある種の洗脳状態にある事も珍しくはありません。

加害者が被害者以外の人達に対しては普通に接する事が出来て、逆にそう言う人たちからは「良い人」と言うイメージを持たれていることも少なくは無いと思います。

その為、被害者は自分の置かれた状況を

「誰にも信じて貰えない…」
「誰にも理解して貰えない…」

と思い詰めてしまいがちですが、心配は不要です。特殊な状況で無い限りちゃんと信じてくれる人はいるし、理解してくれる人もちゃんといます。

身近で見つけるのが難しい場合にはX(旧Twitter)などで共感出来る人を探すと良いと思います。

但し、怒りや憎しみの共感には飲み込まれない様にお気をつけ下さい。

そこに飲み込まれてしまうと問題解決へは遠ざかる可能性が高くなりますのでご注意下さい。

同じ共感ならば痛みに寄り添い、救いのある共感を求めると良いと思います。


最後に一応こちらは“モラハラ”と言う状況に置かれている人に対しての方に対しての内容になっています。

巷で言われているASDの“夫”の影響でメンタルや体調に不調を来たすいわゆる「カサンドラ症候群」の方に向けたものではありませんのでご注意下さい。

お読み頂きありがとうございました。


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