生きづらさの正体は、強度のHSP気質だった
いつか書こうと一昨年から温めていたテーマについて、いよいよ筆を執ろうと思います。
HSPとは何か
HSPという言葉をご存知だろうか。
「Highly Sensitive Person」の略で、感受性が人一倍強く、様々な刺激に過敏に反応する人のことだ。HSPの人には、「DOES」と略される以下の傾向があるとされている。
※より詳細を知りたい方は、下記リンクもどうぞ。
専門家によると、このHSPは5人に1人は持っているらしい。ただし、病気や障害ではなく、あくまでも気質と言われている。
強度のHSP気質?
かくいうわたしも、HSP気質を持っているとネット上で診断された。それも、強度のHSP気質だ。
もともと疲れやストレスを溜め込みやすく、また吐き出す術を心得ていないため、頻繁に体調を崩していた。そして、年齢を重ねるにつれてそれが顕著になり、「自律神経やストレスをマネジメントするためにはどうしたらいいの?」という探究心で、一昨年のステイホーム期間に本やネット記事を読み漁ってみた。その中で、「繊細さん」「HSP」というキーワードにピンと来たので、試しにHSP診断テストを受けたところ、上記の通りとなった。なるほど確かに、HSPの「DOES」においても、該当項目が非常に多い。
わたしの特徴
DOESのフレームに当てはめてみると、主に以下の特徴が挙げられる。
D:深く処理する
・調べ物を始めると止まらない。
・考え事が好きで、あーでもないこーでもないと脳内で議論しがち。
・話す前に「わたしは言われても気にしないけど、相手は違うのかも…」と考えてしまい、結局何も話せなくなる。よって、瞬発力を伴うコミュニケーションが苦手。(初対面の人には特に)
・リアクションも「ここで笑ったら失礼かな」「泣いたら変って思われちゃうかも」と考えてしまい、結局ノーリアクションになることも多い。(特に芸術鑑賞は一人でしたい)
O:過度に刺激を受けやすい
・買い物は好きだが、人混みが苦手。
・オフィスでのクシャミや、飲食店でのカトラリーの音など、些細な物音に過剰に驚いてしまい、周囲から笑われることも多い。
・気疲れしやすく、友人との遊びや飲み会は楽しいものの、帰宅後にドッと疲れて蕁麻疹や微熱が出ることもある。
・人の些細な言葉に傷つき、比較的長く引きずる。
E:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い
・怒鳴り声や、第三者に対する文句を聞くのが苦手。(自分も怒られているように感じる)
・悲しい話や苦労話を聞くと、自分もしんどくなる。数年前、知人から不妊治療の話を聞いていて辛くなり、青ざめて座り込んでしまったことも。(でも何と反応したらいいか分からず黙っているため、『人の心がない』と誤解されやすい…)
・人のちょっとした仕草、口調などの変化に敏感で、「怒ってるんだろうな…」などと、取り越し苦労をすることがある。
・夜にニュースを見るのが苦手。特に殺人事件など凶悪犯罪のニュースを目にすると、怖くなって寝られなくなる。
・植物が元気かどうかは、見ればすぐに分かる。
S:ささいな刺激を察知する
・聴覚過敏。前に住んでいた家では、夜間にウォーターサーバーや冷蔵庫の音が気になって寝られなくなる日もあった。
・感覚過敏。服は店舗で肌触りを必ず確認してから購入。特に、指輪、手袋、イヤリング、タートルネック、ストッキングが苦手。
・嗅覚過敏。高校生の頃、先生の香水のにおいにやられてしまい、授業中に気分が悪くなり保健室へ行ったことも。大人になっても、満員電車や他人のお弁当のにおいが苦手。(だから電車内やオフィスでタオルハンカチを鼻に当てていることが多い)
・カフェインにも過敏。同僚から奢ってもらったアイスコーヒーを飲み、動悸がひどくなり早退した日も。エナジードリンクも飲めない。
…いかがだろうか。
よく30年も生き延びてきたなと自分でも感心するが、日常生活は障壁だらけだ。それでも理解者がいれば多少の救いもあるかもしれないが、わたしは一人暮らしだ。しかも、恋人や親友といった特別な存在はおろか、友人すら数名しかいない。さらに、親子関係も良好とは言い難いときたものだから、割と孤独な人生だ。
事実、このような特性を理解してもらえたことは、ほとんどない。「考えすぎだよ」「くよくよしないの」「あんただけだよ、そんなの」と言われるたびに、自分を責めてばかりいた。分かりあうことが愛だと言うならば、わたしはきっとずっと愛を知らないままで人生を終えるのだろう。
だが、ネット上ではあるものの、このように診断されて「わたしだけじゃなかったんだ…」とホッとした自分がいた。少なくとも、「わたしがおかしい、ダメ人間なんだ」という考え方は、HSPというタグ付けによって、少しは取り払われたような気がする。でもきっと、実世界で理解者を見つけることは難しいだろうという諦めは今も残っている。
おわりに
今や人生100年といわれる時代。何事もなければ、これまでの倍以上の時間を生きていかなければならないだろう。ストレスフルでハードモードな人生を、少しでも健やかな気持ちで前進できるようにしたい。
そのために、自分が何に敏感に反応してしまうのかといった特徴を理解する必要があると思う。だからこその今回の投稿である。
(決して「わたしは繊細です!だから労ってください!」というメッセージではないので、誤解なきよう…。)
コロナ禍に入り、大好きだった芸術鑑賞がしづらくなった。ストレス発散のためのジム通いもできなくなった。だが、満員電車や気の進まない飲み会が格段に減り、出社をせずとも仕事ができるようになった。自分のストレッサーとなるものが、確実に減った。
さらに、家にいる時間が増えたので、以前よりも心穏やかに過ごせるようになった。家には好きなものしか置いていないし、要らないものは定期的な断捨離で手放しているからだ。
今日も昼は読み溜めていた雑誌を資源ゴミに出し、夜は薬味多めの餃子を作って食べた。
キッチンを片付けた後は、サボンのボディジェルで身体を泡だらけにして、マークスアンドウェブのバスソルトを入れた40度のお湯に長々と浸かった。お風呂上がりには、全身にジュリークのボディケアローションを塗って、髪の毛にはケラスターゼのオイルを揉み込んだ。自分の好きな香りに包まれていると、とても幸せな気持ちになる。
22時以降は白熱灯を消して、キャンドルの炎を見つめていると、一日の疲れも癒やされる。こうやって、リラックスできる環境を整えるだけでも、穏やかに過ごすことができる気がする。HSP気質にとって、家での過ごし方・休息の取り方は殊更に大切だと思う。
(おしまい)
【今日の一曲】
Mr.Children/花-Mémento-Mori-
グドモのディスポップサバイバーと悩んだけど、あまりガチャガチャしてない曲がいいなと思ったのでこの曲。ミスチルのアルバムでは、深海が一番好き。
(次回予告)
下記のいずれか、いつか書きます。
・前回の続き(書いててしんどくなったので、いつになるかは未定)
・無人島で聴きたいアルバム10枚
・ゆるダイエットの進捗報告
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