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「11月の名前のない珈琲 Guatemala:約束とは違うけれど。」

約束とは違うけれど。
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11月の名前のない珈琲:Guatemala
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11月の名前のない珈琲を、はじめて口にしたとき、軽い酸味を感じた。

そして、何度も何度も口にして、軽い酸味は甘みのうえにいることに気がついた。

この軽さは甘みが土台にあるから感じるのか。

2022年になったばかりのころ、これから1年の活動について、数人の仲間と話したことがあった。

料理上手な仲間のおいしい手料理をご馳走になりながら、真剣な表情で会話を交わし、笑った。

そして、最後に、「2022年、楽しいことをしちゃおう!」と言い合った。

このときの「2022年、楽しいことをしちゃおう!」には、「みんなで」という意味合いがあった。

「みんなで何か楽しいことをしようね!」

2022年のおわりが近づいてきた11月。

名前のない珈琲を飲みながら、あの日のことを思い出していた。

「2022年、(みんなで)楽しいことをしちゃおう!」と言い合ったものの、結果的に、あの日、集まった仲間たちとひとつのことを成し遂げてはいない。

でも、仲間たちの2022年の活動や自分自身を振り返って、心がとてもしっくりしたことを感じた。

新たな環境に身を置いた人。
次のステージに立っている人。
旅に出た人。

誰もがそれぞれの場所で、2022年を楽しんでいる。

そして、そんな仲間たちと交わしたあの日の約束があったから、わたしも楽しいことをしようと思い、2022年を過ごしてきた。

11月の名前のない珈琲「Guatemala」の甘みという土台のうえにある軽い酸味は、仲間たちとの関係性や楽しいことをするという心持ちにぴったりだった。

あの日交わした約束と形は少し違うのかもしれない。

でも、それぞれの生き方や考え方があるのだから、約束の形は変容してもいいのだ。

その根本は、きっと、変わっていないと思うから。



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