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インベストコープってどんな会社?これからどうなる?AC Milan買収報道を受けて考えた

Ciao!ドドン小西です。久しぶりの更新です
にわかに飛び出したエリオット・マネージメントからインベストコープへのミラン売却のニュース
水面下での交渉は進んでおり、今週の末には署名がなされるとの報道もありますね
まだなにも公になってはいませんが、ともかく調査&私見を書き殴っていきます

おさらい

現在のミランの実質的な所有者はエリオット・マネジメントです

1986~2017年 ベルルスコーニ
2017~2018年 李永紅(ヨン・ホンリー)
2018~     エリオット・マネージメント

無理な投資はしない・有望な若手を安価で購入し育成、売却・中長期的に財務および戦力強化を行いCLに経常的に出場出来るクラブへ
そして最終的には売却し利益を得ることを目的にエリオットはミランの運営をはじめました

インベストコープとは?

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・Investcorp(インベストコープ)は1982年設立
 の投資ファンド
・当初はグッチやティファニーなどの経営権を握り
 上場させる、価値を高めてからの株式売却などで
 利益を上げる。その後多角化し、さまざまな分野
 の企業、不動産、そして世界各地へ進出
・現在、米国、欧州、GCC、アジア(インド、中
 国、シンガポールなど)の12カ国で事業を展開(2021.6末現在)
・従業員数は約430名、その国籍は45カ国(2021.6末現在)
・モハメド・ビン・マフフード・アラルディ会長は
 元軍人
  (オマーンの英国空軍(RAFO)に入隊後オマーン空
 軍のチーフに任命された元空軍副元帥)

運用資産376億米ドル(2021.6.30時点)
6年ほど前まで100億米ドルであったことを考えると急成長中!
なお、エリオットの運用資産は515億米ドル(2021.12.31時点)と言われています

エリオットが非公開会社であるのに対してインベストコープはバーレーン取引所に上場しており、財務諸表も確認できます
ただし、昨年から上場廃止に動き出していますので2022年度会計から非公開会社となります。公式声明では

今回の上場廃止はインベストコープの進化における重要なステップであり、経営職員は、長期的な戦略に基づく投資と今後の成長の推進により注力することが可能になりました。

また

運用資産を中期的には500億ドル、長期的には1,000億米ドルへ成長させることに自信と確信を持っています。

とのことでした

おそらくコロナ禍による業績悪化からいち早く回復したため、もともと計画していた上場廃止を実行したものと思われます
株主を気にせずにより柔軟に、もっと言えば「ハイリスク・ハイリターン」な事業への投資について積極的にかつスピーディーに動ける体制を作ったといえるかもしれません

個人的にはミランの買収も今回の上場廃止後のプロジェクトの一環と考えています

財務
グループ総資産23.9億米ドル、内現預金等の当座資産2.8億米ドル
グループ総負債11.1億米ドル、内有利子負債等7.3億米ドル
グループ総資本12.8億米ドル
損益
手数料収入3.6億米ドル 当期純利益1.25億米ドル

わかりにくいので今の為替で円換算(127円/米ドル)すると
資産総額3,035億円!純利益158億円!!
まだわかりにくい・・日本の企業に無理矢理規模感だけ当てはめると「宝ホールディングス株式会社」ですかね。京都本社、東証上場の会社。清酒・松竹梅で有名ですね(結局わかりにくい)

インベストコープとイタリア

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過去からグッチを筆頭にイタリア企業への投資を行っていました
最近は2015年1月に買収したダイネーゼを売上高を2倍以上の2億5,000万ユーロまで成長させ2022年3月に6億3,000万ユーロで売却しています

また他の動きとしては2021年10月、当社の欧州不動産事業部門がミラノのリナーテ空港近くにあるオフィスビルVia Mecenate,91を7000万ユーロで購入イタリアの不動産市場に参入したことを発表しました。このビルはグッチのイタリア本社に隣接しています

更に2022年03月21日、欧州不動産事業部門がローマのオフィスビルであるVia Paolo di Dono 44を1億2,800万ユーロで購入したと発表しました

他2022年3月イタリアのヴェローナに本社を置くHWG(サイバーセキュリティ関連会社)の株式を取得しています

実はバーレーンのファンドといってもイタリアを始め、欧州各地で企業活動を行っており実績のある投資ファンドなんですね

(本記事は以下のインベストコープ公式HPより引用しています)

ミラン買収に関する報道

インベストコープが4月29月金曜日までにミラノ本社で契約に署名する予定であるとの報道がありますね

また移籍市場にも影響を及ぼしそうですね

補強費23億ユーロを投入する可能性があるとかないとか・・
リヴァプールのオリジ
ジャンルカ・スカマッカ
アヤックスのセバスティアン・ハラー
ロメル・ルカクの名前まで報道されましたね。さすがにこれはないか

経営陣等についても当然動きがあるでしょう
エリオットはクラブの10%の株式を保持したままで残りをインベストコープが取得するために約11億ユーロを支払うとの報道があります
その場合マルディーニとマッサーラには契約更新する一方、イヴァン・ガジディスはおそらくクラブを去ることになるということです

エリオットは一種の賭けに勝った?

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さて、インベストコープのまとめですが

・投資ファンドとしての実績はある
・イタリアという国での事業実績もある
・カルチョの世界ははじめて
・エリオット路線を継続するとの一方で選手補強に
 は今まで以上に資金投入する?との報道も

報道が過熱していますので蓋を開けるまで分からないとは思いますが、かなりの投資を行うかもしれないという夢がある反面、今の路線で上手くいっているだけに不安もありますね

とはいえ、僕は「ピオーリとズラタン・イブラヒモビッチ」という一種の博打的な部分あっての今の成功なのでは?と思っています
なぜなら、2年前のピオーリ就任後、アタランタ戦の大敗を経て、ズラタン・イブラヒモビッチに賭けた面があったと考えるからです

世界的なスーパースターであるイブラヒモビッチ
当時、実力的に疑問視されていましたが、まずビジネスとしては成功しました。セリエAにズラタンほどの世界的スターはほとんど存在しない状況だったこともプラスに働きました(CR7はともかく)
そして一番大切で一番難しいスポーツとしての成功を果たした

誤解を恐れずに言えば、現在のマンチェスター・Uを観ていると高名な監督やスター選手を揃えたとしても結果が伴わなければ意味がない
もちろんマンチェスター・Uも中長期的な目線をもっていると思いますので今シーズンの状況だけで判断するのは間違っていますが・・

ただ、エリオットは一種の賭けに勝ったと言えるのでは?
そして来シーズン以降のイブラヒモビッチの去就しだいでは、ビジネスとしてダメージを被るのでは?
さらにスポーツ面では?
ピッチ上の結果にズラタンの影響が少なくないことは間違いないのではないか・・最近のミランを観ていて感じることです。もちろん、不在時でも結果を残した期間もあっての今です。しかし、ラツィオ戦でベンチ入りが決まったとき「ズラタンへの期待が思った以上に大きい」と実感したのではないでしょうか
そしてアシストという結果を残しましたね

そのような観点から見るとミランにカンピオナートとUCLの両方で結果を出し続けることが出来るのかどうか、心許ないです

であれば、エリオットとしては「投資ファンドとしては」ここでミランを売り抜くことが一番良いかもしれない・・と個人的に思うわけです

とはいえエリオットには感謝しかなく、ここでオーナーが変わったとしてもエリオットのミランへ復活への基礎固めにおける功績は大である、ことは間違いないですね

きりがないのでこの辺で・・・

ともかく残り4試合、全力で

Forza Milan🔴⚫🔥























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