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小さな手応えダニエル・マルディーニ

Ciao!ドドン小西です。
さて、23-24シーズンのダニエルについて総括するとともに彼の未来に想いを馳せたいと思います

エンポリ加入

降格したスペーツィアから戻ったダニエル
次のレンタル先としてサレルニターナやウディネーゼなどの報道もあったが、若手育成に定評のあるエンポリへ

エンポリHPより


しかし、怪我が長引き、その間にパオロ・ザネッティが解任され、アンドレアッツォーニが監督に就任
エラス・ヴェローナ戦で初のベンチ入りを果たす

エンポリ初出場は第10節アタランタ戦
カンチェリエッリにかわって73分からの登場
分断された前と後ろを繋ごうと奮闘するも、アタランタに出入全てを抑えられる展開に
ファッツィーニの縦パスを素晴らしいターンで捌きポケットに侵入するなど、一瞬の輝きはみせたが力及ばす。苦いデビュー戦となった

結局エンポリでの出場はわずか7試合
リーグ戦で7回(先発3)、合計262分しかピッチに立っていない

ガッリアーニのラブコール〜モンツァへ

エンポリで出場機会を得られないことに、苛立つミランフロントと激烈なラブコールを送るアドリアーノ・ガッリアーニ
両者の思惑は合致し2024.1.10にあっさりモンツァへのレンタル移籍(ドライローン2024.6.30まで)

モンツァHPより

ダニ・モタ、コルパーニ、ゼルビン、ヴァレンティ・カルボーニ、ペッシーナなど、サイドやインサイド、トップ下は激戦区
ダニエルはこの中で出番を掴めるのか?

奇しくもインテル戦直前であり、記者から「出場したらミラノダービーだね」と言われながらも、出番はなし

試練のエンポリ戦

モンツァの選手として迎えたアウェイ、21節エンポリ戦
ここでダニエルと入れ替わるように、スペーツィアからエンポリへ帰ってきたズルコフスキが先月までダニエルが背負っていた27番をつけてトリプレッタの大活躍
ズルコフスキが3点目を叩き込む瞬間、ピッチサイドでプレーが切れるタイミングを待つダニエルはどんな心境であったか!

この試合は3バックでセットし奪ってカウンターを企図するエンポリが、モンツァの3バックの脇をうまくついて、立ち回る展開

1番短時間で選手たちに仕込みやすく、かつ効果的であった
残留請負人ダヴィデ・ニコラの現実的かつ効果的な戦略によりエンポリが快勝する

初アシストはミランから

2-0から1人少ないミランにジルー、プリシックのゴールで追いつかれたものの、ミラノ勢キラーのダニエルが密かに牙を剥く
左サイドからエリア近くでボールを晒し、ディフェンスを引きつけ、ボンドにパス
ボンドの素晴らしいシュートはメニャンの壁を突き破る
その後、ロレンツォ・コロンボのダメ押し
モンツァは4-2でミランを破り、ヨーロッパコンペティション出場に微かな希望を残し、ダニエルは僅か10分の出場で価値を示すことに成功した

サレルニターナを粉砕

26節サレルニターナ戦
お互いにチャンスを活かせないなか、選手交代でバランスを崩したのはサレルニターナ

67分、モタに変わってダニエル
ミラン戦より10分早い投入にパッラディーノからの期待を感じる
ところがダニエルは不用意にボールを失い、カウンターで決定機をつくられるもディ・グレゴーリオが奇跡のカバー

その直後78分にスペシャルな時間が訪れる
左サイドからガリアルディーニとのワンツーでペナルティエリアに侵入したダニエル
右足から放たれたボールはスペーツィア時代にミラン戦で決めたゴールと同じ軌道でゴール右隅に吸い込まれる
再三、スーパーセーブを披露していた鳥人オチョアも届かない

この試合は終始、前線で体を張り続けたジュリッチがディ・グレゴーリオのフィードを頭で落とし、それを拾ったペッシーナのトドメの一撃で締め括られる

ジェノアの息の根を止める

ジェノアに2-0から追いつかれたモンツァ
俄然、勢いにのるジェノアの背骨をへし折ったのはダニエル

ジュリッチに引きずられたジェノアディフェンス
バイタルエリアでダニエルはフリー
ジュリッチの落としを回収したダニエルはボールを失うもカルボーニがカバー
そのカルボーニのシュートをGKが弾いた先にはダニエル
ダニエルの足下には勝利が転がっている

ダニエルの魔法に屈したカリアリ

4試合連続で途中出場もプレー時間の増加とともに輝きが増し、結果を出したダニエル
移籍後、初先発を飾る
2列目真ん中、トップ下だ

前半41分
ピッチほぼ中央
ゴールから25メートル付近
フリーキッカーはダニエル
擦り上げるように蹴ったボールはゆうゆうと壁を越え、鋭く曲がって落ちる
バーを叩いて真下に落下したボールは、しかし、しっかりとゴールラインを超えた

この1点を守り抜き、モンツァ勝利
ヨーロッパのコンペティション出場権がまだ手の届くところにあった

2試合連続先発のトリノ戦

30節トリノ戦は左トップの脇で先発
トリノの3バックに対してジュリッチ、ダニエル、コルパーニがセットされる

ジュリッチがCBを引きつける
ダニエル、コルパーニがボールを引き取る
この2人の即興的なパス交換は魅力的だった

しかし、ダニエルはタメズのオーバーラップに引きずられる場面も多く、前半でかなり体力を消耗したように見え、55分にダニ・モタとの交代でピッチを去る

試合はサナブリアにPKを決められ0-1惜敗
ヨーロッパの夢は遠のいてしまう

この試合以降、またもベンチへ逆戻り
スーパーサブ要員へ

アタランタ相手に魅せる

33節アタランタをホームに迎えたモンツァ
コンディションの良いジュリッチをトップに
シュートやパスだけでなく守備能力も高いペッシーナをトップ下に置き、切れ味の鋭いドリブルを見せるゼルビンを左、右には創造力&テクニック&パンチ力のあるコルパーニ
この布陣が定着しつつある

65分
1点を追うなかでキリアコプロスに代えてダニエル

更に失点する苦しい展開も
87分
左サイドからドリブルで中に運ぶダニエル
デ・ローンがディフェンスにつくものの、小さなキックフェイントから加速
デ・ローンを振り切り、右足インサイドで丁寧にブレーキをかけた低いシュートは鋭く右ゴール隅に吸い込まれた

途中出場した試合では、今季3点目
クオリティと勝負強さを見せる

ダニエル・マルディーニ
アタランタ戦後
🗣️ ちょっとした不運と後悔はあるけどチームには満足している
素晴らしいパフォーマンスを見せたのに残念な結果になってしまった
自信を持てばすべてが楽になる

Daznインタビューより

スタッツ

34節以降は怪我により出場なし
18試合(先発5)596分4G1A
(内エンポリ7試合ゴール・アシストなし)

主なスタッツを21-22シーズンから並べて比較してみる(21-22はミラン、22-23はスペーツィア)
なお、90分あたりの数値を使用

fbref.comより引用

やはりスペーツィア、エンポリでは守備に走り回る時間が比較的長かったことが伺える

モンツァに移籍して以降、左ウイング、シャドー、トップ下と起用されるポジションは変わらないものの、チームとしてボールを握る時間も多く、攻め残りが許容されていたことから守備スタッツが下がり、攻撃のそれが伸長した

下はモンツァとエンポリのチームスタッツ比較

datamb.footballより引用

総括

違いを生み出すアタッカー

4ゴールすべてが素晴らしいものだった
彼のキック精度はセリエAでも通用することが改めて証明され、勝負運も持っている

ドリブルでも魅せてくれた
特に左サイドからの仕掛けでは、テクニックで相手の逆をとり抜き去るシーンとうまくボールを隠しながら運び、逆サイドにパスを送るシーンが頻繁に見られた

キックの精度とドリブルはミランから出て以降、着実に向上している

課題

守備とスタミナ、怪我の多さ

前述のとおり、モンツァがボールを比較的持てるチームだったことと、ダニエルが攻撃のオプションとして途中起用されることから、守備においての負担は軽いものだった

守備の課題がよくわかる象徴的な試合は先発起用された30節トリノ戦
相手の3バックに3トップが噛み合う配置で左サイドを務めたダニエル
タメズとベッラノーヴァをダニエルとA・カルボーニでみることになる

タメズが時折みせるオーバーラップについていくがあまりフィルターにはなれず、途中からA・カルボーニに受け渡すようになる(指示かは不明)
しかし、そうするとベッラノーヴァをダニエルがみる場面も増える
タメズとベッラノーヴァのコンビネーションに手を焼くシーンが散見された
結局、この試合は後半早々に途中交代となってしまう
これは出場時間の短さゆえの不出来とも言える
普段から出場機会を得ることができれば、守備での意思疎通の齟齬はおのずの解消され、それは体力面での消耗も抑えてくれるだろう

そして、怪我の多さ
頻繁に筋肉系のトラブルを抱える
これについては、詳細はわかりかねる
ただ、怪我に強いことがトップ選手の条件と言っても過言ではないことから、課題と言えるだろう

最後に

さて、23-24シーズンはダニエルにとって悩ましい中にも多少の手応えがあったのではないかと思います
「セリエAで戦える」という自信とトップ選手との差を感じる一年でした
しかしボールを握れるチームであれば、一定の活躍はできることを証明するパフォーマンスも見せていましたね

モンツァにはドライローンで移籍していましたので、一旦、ミラネッロに帰還するダニエル

報道にあるようにガッリアーニさんがダニエル買取に向けて動いているようですが、モンツァの後任監督次第、と言ったところもあるでしょう

またローマやアタランタが興味を示しているとの報道もあります

【要約】
モンツァでの6ヶ月は、適切な状況に置かれれば違いを生み出せる才能を示した
ガッリアーニはミランに対し、ダニエルを獲得する意思を表明しているがイタリアではローマとアタランタの両クラブが、海外クラブとともにその動向を探っている(ミランとはまだ接触していない)
ジュゼッペ・リーゾはすでに、モンカダとジョルジョ・フルラーニとの首脳会談を予定している
ひとつの選択肢は、2025年に切れる彼の契約を更新し、その後またレンタル移籍を検討することだ
しかし、もし1000万ユーロ単位の重要なオファーが届くようであれば、ダニエルとACミランの道はこの夏、すでに別れることになる可能性は否定できない

ミランで活躍するにはまだまだ実力が足りないとは思いますが、個人的にプレシーズンはミランの左サイドやトップ下でプレーする姿を見たいなと。もはや、願望ですがミランのユニフォームに袖を通すダニエルを今一度…と願わずにはいられません

DanielMaldini Instagramより


では、今日はこの辺で…

Forza Daniel🔴⚫️🔥

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