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【記事紹介】プリシック絶好調の陰にピオーリの功績あり

Ciao!ドドン小西です
面白かった記事を紹介するコーナー
第2弾はプリシック!
「プリシック絶好調の陰にピオーリの功績あり」としたUltimo Uomoの記事を要約
小西が翻訳し、更に要約しているので詳細は元記事を読んでね
以下、リンク🔗


アメリカ人アタッカーはキャリア最高の瞬間を迎えている

昨シーズンのミランは左サイドのバランスが悪すぎた。重心がテオ・エルナンデスとレアオにあったためだ。
右サイドではサーレマケルスとメシアスが時間帯状況によって重宝されたが、どちらも左サイドには及ばなかった。

結局、ピオーリは2人を交互に起用したがチームを改善することはできなかった。
チャンピオンズリーグ予選でベナセルをトレクァルティスタに起用したのもブラヒムをサイドに移し、右サイドの質の低さを補うためだった。
1年後、右サイドはミランのストロングポイントとなった。

ミランにまったく前例のない貢献をもたらしたのはプリシックだった。

右ウイングのポジションから、このアメリカ人は完全な選手であることを証明しつつあり、これまでの彼のパフォーマンスは期待以上だった。

プレミアリーグ、チェルシー産のフットボーラーが違いを生み出せることは予想できた
ジルーとトモリ自身が、ACミランでそれを証明した。

しかし、プリシックはキャリアに行き詰まりを感じていた。
2019年夏にチェルシーにやってきた彼は、一時的に輝くだけで、スターターとしての地位を確立することはなかった。

プリシックにとって、スタンフォード・ブリッジでの最高の瞬間は、コロナの夏とトゥヘル監督就任後最初の数試合である。
新オーナーのトッド・ベーリー就任とクラブの市場における貪欲さがチェルシーを彼と似た特徴を持つウイングで埋め尽くしたのである。
彼のイングランドでの経験は終わりを告げた。

そこでプリシックはミランのプロジェクトと結びつくことにした。
以前と比べれば、アメリカ人は異なるポジションでプレーすることを受け入れなければならなかったが、その見返りとして、彼はキャリア最高のシーズンを楽しんでいる。

右サイドのプリシック

イタリアに降り立った瞬間からプリシックがどこでプレーするかは誰の目にも明らかだった。
レアオの左サイドでの存在感とミランの逆サイドの弱みを鑑みてピオーリは迷わず彼を右サイドに置いた。

右利きである彼は、利き足を活かすために逆サイドでのプレーを好むだろうが、左サイドから離れることはプリシックにとって目新しいことではない。

チェルシーでも右サイドで起用されることが多かった。3-4-2-1のトレクァルティスタというポジションではあったが、このアメリカ人はウイングではなく、ピッチの内側のエリアを占めていた。
そのポジションで、彼はおそらくキャリア最高のプレーを見せた。
2020/21シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、レアル・マドリード戦だ。

クロースの背後を突くパスで得点を決めた試合は、"ブランコス"にとって解読不可能な謎であったろう

右利きのプリシックが右サイドで活躍できたのは、主にライン間で待つ忍耐力とファーストコントロールの質の高さによるものだった。

ミランでの状況はまったく違う

実際、ピオーリはタッチライン近くで起用することを好む。センターフォワードではなく、真のウイングである。
ピオーリ監督は、プリシックがインサイドエリアでより良いパフォーマンスを発揮することを期待していた。

事実、ミランはライン間に選手を浮かせることにも関心を払う。
2列目を占める選手たちが、しばしば攻撃陣のラインまで上がってくるほどだ。

セリエAでは、低い位置でコンパクトに待つチームと、マンマークに慣れたチームがいる。
中盤の後ろに有効なスペースを見つけるのは難しい。

右サイドでは、その特徴から幅を持たせることができるのはプリシックしかいないとピオーリは考えている。

実際、カラブリアもフロレンツィも、サイドに幅をもたせるのに適したサイドバックではないし、何より内側のレーンはロフタス=チークの狩場だ。

右サイドのプリシックには、いろいろな使い方がある。
例えば、オフ・ザ・ボールだ。
高い位置でオープンにプレーすることで、サイドバックをピン留めし、ロフタス=チークのために中のスペースを空ける、足元で受けることでサイドバックをコントロールし、その背後でロフタス=チークが受けるなどだ。

カラブリアからのボール
プリシックの中から外へのランニングでダヴィドヴィッチが釣り出されロフタス=チークのスペースが空く

しかし、前任者たちとの違いは足元で受けたときに最も顕著に表れる。
プリシックのテクニカルなクオリティは、ミランに新風を吹き込んでいる。

プリシック、ロフタス=チーク、ラインデルス、レアオそしてテオ。
ロッソネリにはラスト30メートルで違いを生み出せる選手が多いため、ゴールを奪うために多くの組み立て・パターンを必要とせず、実際、面倒な攻撃フェーズの限界はしばしば隠されている。

プリシックは利き足ででトラップする。
しかし、右からならさまざまな解決策がある。
彼のテクニックは素晴らしい。
足の速さも相まって、最初の一歩が爆発的な威力を発揮する。

そのため、右サイドでプレーしていても、内側に下がってプレーすることができ、対面する選手よりも速く、テクニカルであることを証明している。

ピッチの内側でボールを奪えば 左足でフィニッシュを狙う。彼は両利きの選手なのだ。

モンツァ戦での一瞬で2-2にしたゴールがそうだった。

電光石火であるだけでなくプリシックはスピードと正確性も維持できる。
だから、内側にドライブできなくても、狙いを定めてサイドバックに挑むことができる。

問題はミランが右サイドでの組み立てにこだわる場合だ。
プリシックはすでにサイドバックを背負っていることがある。そのため、彼はしばしばパートナーに背中を預けるしかない。というのはタッチライン近くでプレーしなければならないという前提があるからだ?

プリシック、ペナルティエリアへ

しかし、ミランの背番号11は、ボールを持っているときだけ役に立つわけではない。
実際、彼はパスでも非常に危険な選手だ。
ウインガーというより、むしろストライカーであることもある。
ピオーリ監督は彼を右サイドに配置することで、ゴールへの動きを強化した。

例えば、ボールを持ったまま中に入るとたいていは味方にボールを預け、ワンツーあるいはエリア内に侵入してリターンで受けるようとする。

その意味で、ボールの受け渡しが終わっても、自分の仕事が終わったとは考えず、周囲に選択肢を提供することに専念する。

長い距離を走ってプリシックはラインデルスにボールを供給し前進する。

ミランの攻撃は単調だった。
しかし彼はフリーになる方法を見つけ、ボックス内でスルーパスを受けたいとベナセルに示す。
ベナセルはなんとか彼にボールを供給しプリシックが1-0のゴールを決め、ミランはサッスオーロを破った。

彼が得意とするプレー。
マークを外すプレーは逆サイド、遠い位置でアクションが起きたときに発揮される。
プリシックはサイドから動きだしペナルティーエリアでフリーとなってクロスを回収するのが非常に上手い。

よって、逆説的であるが対戦相手にとって、レアオとテオのレーンで展開されるアクションはより脅威となる。
ロッソネリが左サイドでビルドアップする間、アメリカ人は高い位置でワイドに待ち構え、最終的にクロスの可能性に備えている。

しかし、対戦相手は左サイドに展開されるとミランの強力なサイドバックに引き付けられ、エリア内のポケットに集結する
その間に右サイドからプリシックがペナルティースポットに忍び寄り、ディフェンダーを驚かせる。

ラツィオ戦、エンポリ戦、そしてスラヴィア・プラハ戦でのゴール
ミランはこのような危険なエリアでの突破口を見つけるという彼の才能をさらに生かすことができるのではないかという印象がある。

ローマ戦ではレアオが裏を取りディフェンスを押し込む。ディフェンスが崩れプリシックはエリアで受ける準備
レアオは左足でクロスを上げず、右足でコントロールする。しかしフェイントで抜き去ることはせずロフタス=チークにショートパス
ロフタス=チークはプリシックを使うこともできるが彼はシュートを打つことを好む

「彼は当初、左サイドの方が良いプレーができると確信していた。でも、そうすると彼はいつもそこでボールを欲しがっているだけかもしれない。ただ彼は右サイドでなら、より深い位置に行けることが多い」とピオーリは語った。

プリシックが得点という観点から最高のシーズンを送っているとすれば、それはオフ・ザ・ボールの動きだけでなく、何よりも決定的な局面での質の高さによるものだ(リーグ戦9ゴール、すでに2019/20年の記録に並ぶ)

このことは、xGのデータが証明してい。Statsbombによると今年は得点とゴール期待値の差が3.94もプラスになっている。
9ゴールはxG5.06から生まれた。
真のストライカーと言える数字だ。

実際、プリシックはGKとの1対1で決定的な強さを見せている。
例えば、フロジノーネ戦でのゴールはロッソネリで最も美しいゴールだった。

左からの深い位置からのドリブル突破
メニャンのロングボールを完璧なファーストタッチでDFの裏にコントロールし飛び出してきたGKをループでかわす。

ゴール前でのこのような明確な目的意識と正確さは大きな自信の表れを前提としている。
彼の今シーズンをポジティブに決定づけたのは何よりもこの点だろう。
自分が違いを生み出せるとわかっていたチームにやってきたのだ。トップクラスの右ウイングを待ち望んでいたチームに。

もちろん怪我を残したことが決定的だったにしろプリシッチは全コンペティションで4番目に多く起用されたロッソネリで2019分と、ボルシア・ドルトムントでの2017/18シーズンに次ぐ出場時間でチェルシーでは2020/21シーズンの1739分が最高だった。

ミランのような負傷者続出のチームで、この継続性は明らかに違いを生んでいる。

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