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CIデザイン、ロゴデザインの参考記事まとめ。

最近がっつりCIデザインに携わる機会があり、ロゴやCI(コーポレート・アイデンティティ)デザインについて改めて学び直そうと思いネット上の情報をかなり見漁ったので、たくさん見た中で特に学びが多かった記事を記録しておきます。


組織の思想を表すストーリーを核として進める、CIデザインのプロセス。

経営者との対話の中から想像できる社会の未来を未来学者の言葉と重ねてキーワードを引っ張ってきたり、考えていることが「そもそも何なのか」をとにかく掘り下げたりという、CIストーリーの磨き方がとても素敵。

CIデザインのプロセスは、ビジョンを見えるかたちにしていくことを通じて、その背景にある思想や想いを辿ることそのもの。

ちなみに下記は上記のheyさんのCIデザインについてタカヤ・オオタさんとの対談で語られている記事で、併せて読むとさらにその考えを知る事ができます。

オーダーに対して、どれだけデザイナーが考えても結局その答えはデザイナー自身にはなく、ユーザーや経営者が持っている。だから、彼らが持つ答えをいかに引き出してあげるかがデザイナーの仕事。


メンバーみんなで会社のアイデンティティを可視化していく、リブランディングのプロセス。

外部のパートナー(Takramさん)と協働しながら、メンバー全員を巻き込みながらアイデンティティが可視化されていく様子が書かれていて、そのプロセス自体も汎用性が高そうだなと感じました。

ユーザーが意思決定する際には、セールスやカスタマーサクセスなどRefcomeメンバーが介在するからこそ、「自分たちが何者なのか」を熱を持って語れることが何より大事だと思ったからです。


メンバーを巻き込み、対話を通じて組織の輪郭を確認していく、ロゴリニューアルのプロセス。

会社のメンバーが主体性を持ち、そして同じ方向を向いているからこそ実現するんだろうなと感じられる、ツクルバさんらしい「共創」を体現したロゴリニューアルの様子が素敵です。

ワークショップの中でたくさんのキーワードが出てきましたが、結局いつも行き着くのは「場」という言葉。ツクルバのメンバーは、所属している事業部や職種に関わらず、とにかく“場づくり”というミッションに共感して入社した人が多いんだなと本当に実感しました。


インハウスデザイナーと外部デザイナーの協働で行われる、ロゴ・VIデザインプロセス。

外部のデザイナーとクライアントの間でどんな風にキャッチボールが行われながら最終のロゴに辿り着いたのか、実際に提案された何パターンもの案と共に見ることができる記事です。全ての提案内容のロゴ・コンセプトが美しい。

そのロゴにちゃんとコンセプトがあり、自分たちがそれを語れるということが大事だということだと思うんです。みんながいいと思うものではなく、ちゃんと芯があるものが中長期的には良いということなんですね。その点、デザイナー自身が責任を持たなくてはいけないと思っています。


会社をひとりの「人」として考え、その人格を見える形にしていく、リブランディングのプロセス。

会社メンバーが思っている会社の人格を、どのように知り、みんなが見える形にしていくのか、実際のクライアントのリブランディング事例と共に紹介されています。

トップの決めた方針が、会社のカルチャーをつくるのではありません。社員一人ひとりの気持ちがつながり、まとまることで、一つの人格が形成され、そこに自然とカルチャーが生まれていく。


ブランディング・デザインコンサルティングファームのDONGURIが自ら行う、CIデザイン。

クリエイティブだけでもう「わかりました」と思ってしまいそうなDONGURIさんの新しいCIですが、対談形式で経緯などが語られています(後編まであります)。

ーCIを決めるための方法が、なぜ“対話”なのでしょうか。
本来CIが担うべき役割とは、皆に積極的に使われていく「共通言語」であるべきだからです。言葉って、使われていくためには、その言葉について同じ認識を持っている必要がありますよね。互いが持っているその認識を知り、共通化して合わせていくために、対話を重ねていったんです。


そもそもCIデザインとは何なのか、それが何の役に立つのか。

こちらはプロセスではなく、CIデザインそのものについてや、それが重要である理由などが書かれた、タカヤ・オオタさんによるコラム記事です。

企業やプロダクトが溢れる現代、その優位性は一体どこに存在するのでしょうか?私はその背後にある思想と表現力、すなわちCIこそが1つの武器になると考えています。

上の記事の第二弾。
ロゴを見る上で「普遍性」と「時代性」はとても基本的で重要な基準だなと納得しました。

「時代性」と「普遍性」は相反するものだと感じる方もいるかもしれません。しかし “普遍” とは “変わらないこと” ではなく、その時代を経て次の時代に残ったモノの蓄積だと考えています。「今、どんなデザインが主流か?」を掴み、それが一過性の事象なのか、次の時代への芽吹きなのかを見定めること。


世界的企業の“顔”をつくり続けるデザイン事務所が語る、ロゴの髄。

数多くの有名ロゴを生み出しているニューヨークの老舗デザイン事務所、Chermayeff & Geismar & Havivのインタビュー記事です。頭でっかちになりかけている時にこの記事を読むと、ハッとさせられます。

あくまでロゴはアイデンティフィケーションに過ぎず、会社の哲学を語るものではないのです。ロゴが伝えるのは、その企業が“何をやっているのか”ではなく、“誰なのか”。最高のロゴは何も語らないのです。


「企業の社会的意義を美的観点から再定義」するCIデザイン。

中西元男さんの著書「コーポレート・アイデンティティ戦略」の内容の一部が紹介されているnote。
「企業の社会的意義を美的観点から再定義してきた日本のCIの父」中西さんのCIへの向き合い方が伝わる内容です(肝心の本自体はkindleがなく高いのでちょっと躊躇っている...)。

CIを企業の単なるマーケティング的な差別化要素とし、利潤追求のための1ツールと捉えるのではなく、その企業が社会に対してどのようにあるべきか、未来の世界の中でどのような存在とされるべきか、という大きな視点からCIと向き合う姿勢と手法は感動的とも言えるほど心を打たれます。

また、中西さんの会社であるPAOS(現・株式会社中西元男事務所)のサイトでも、過去に手がけた多くの企業のCIデザインの過程の一部を覗き見ることができます。


その他、ロゴデザインのプロセスの参考になった記事

(※組織のロゴだけでなく、サービスのロゴなども含みます。)

対話とともに行ったり来たりを繰り返しながらブランドの意味の精度を高めていくロゴデザインの過程がまとめられた記事。

丁寧にリサーチや整理を行いつつスピード感を持って形に落とし込んでいくロゴデザインの具体的な過程がまとめられた記事。

他のデザイナーさんのディレクションを受けながら丁寧にビジュアルの方向性を調整していくやりとりが公開されている記事。

社内メンバーを巻き込んで世界観を可視化していくリブランディング、ロゴデザインの過程が書かれた記事。

ロゴデザインの基本的な過程がわかりやすくまとめられた記事。

ロゴデザインの過程の中の、情報収集・ヒアリングの際に重要なことがまとめられた記事。


ロゴと共にその意図を知ることができるサイト。

いろいろな方の作られたロゴが、込められた意味などの解説付きで紹介されているサイト。

CIデザイナーのタカヤ・オオタさんのポートフォリオサイト。制作されたロゴやVIが、それに込められた意味や過程と共に公開されています。(会社としての新しいポートフォリオサイトもとても素敵です)


番外(もっといいデザインのために)。

こちらの記事の真似をしてロゴやVIのトレースをしてみるのはちょっと面白そうだなと思いました。

これと似てるかもですが、私はこの記事で紹介しているような公開されているCIデザインのプロセスを参考にさせてもらい、イメトレしてみました。

記事の中から情報のキーになる部分を抜き出してNotionとかにコピペし、それを整理して、どんな状況で、どんな制限があって、何を考えてどんな経緯でその完成形に辿り着いたのかを分析してみる、といったやり方です。

簡易的に追体験をすることで考え方のパターンが増えて、実際に自分でCIデザインを行う時の参考になる気がします。

あと、デザイナーとして普段から「世の中で起きていることを自分なりに解釈する」ということをもっと強く心掛けようと思いました。

アイデンティティを作る仕事は、抽象度が高いテーマをどう咀嚼して形にしていくかを問うこと。そのためには、日頃から身の回りや社会で起きていることについて自分なりの答えを持っておくことが大切。

(CI関連をピックアップしいていたらタカヤ・オオタさん関連がかなり多くなってしまいました…引用しすぎて申し訳ありません…m(_ _)m)


最後に

CIデザインって本当に面白いですね。

夢中で調べたり考えたりしていたら、頭が活性化しすぎて寝られなくなりました。

いろいろな記事を読んだりした中で特に感じたことは、「対話」の重要性。

経営者との対話はもちろんですが、ロゴのリデザイン・リブランディングの際は、状況によっては然るべきタイミングでメンバーを巻き込み、みんなが自社を誇りに思えるようなものにすることも、中・長期的なCI戦略の成功の鍵かなと感じました。

そしてやっぱり、美しいロゴは美しい...「シンプルかつ完璧なシルエット」を作るデザイナーでありたい。

もっと自分で経験したり、デザインに限らず様々な分野の知識をつけたりしながら、自分なりに考えを深めて、より想いを的確に効率的に具現化できるようになっていきたいです(効率化を目指すものでもない気もしますが)。


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