アメリカのパッティングレッスンとは?(トラックマン使用)
(2023年4月更新)
この記事では、トラックマンを使用したパッティングレッスンに関する記事を紹介します。
◆打ち出し方向って?
「打ち出し方向」はインパクト直後にボールが打ち出される方向(ストレート・右・左など)をさします。トラックマンでは打ち出し方向を度数で表示します。
打ち出し方向を英語でLaunch Directionと言うので以下、打ち出し方向は【LD】と表記していきます。
*「打ち出し角度」は打ち出される高さを指すのでお間違いのないように。
まず大前提としてパットを確実に決めたいなら、ボールを狙ったライン(自分の読んだライン)に乗せなければなりません。
ゲートドリルや練習器具を使用し練習することで、打ち出し方向を向上することは可能ですが、現状のレベルをチェックしたいとき、どうすれば打球がオンラインに打ち出されたのか確認できるでしょうか?
…これはシンプルに測定機器を使うことをお勧めします。
◆データを見てみよう
下のチャートをご覧ください。
1.5メートル・3メートル・6メートルと距離の異なるパットを比べています。
また打球の転がるスピードによってカップインできる打ち出し方向(LD)の許容範囲を示しています。
このトラックマンのデータによると、10’(10ft)の距離を転がりが強い1.4m/sのタッチで打った場合、カップインできるLDの許容範囲は±0.37度になり、カップのサイズは37%まで小さくなってしまうんだとか。
また、5’の距離のパターをやさしい転がりの(0.004m/s)のタッチで打った場合、許容範囲は±2度になり、1番ホールサイズが大きくなると分かります。
適正なタッチとは?
しかしながら、アマチュアゴルファーは中程度の強さ(ミドルスピードのタッチ)でパターを打つケースが多いのではないでしょうか?
ボールがカップに届かなければパターは絶対に入りませんし、タッチが強すぎたらカップを外した場合3パットする可能性が高まります。このためミドルスピードが一番好まれていると思います。(個人的主観)
ここまでで分かったタッチに関するポイントは以下の3つと言えます。
ボールの転がるスピードはカップまで届くスピードであること
またカップまでのラインに乗り続けるスピードであること
2打目のパットが決められる距離にボールが止まるスピードであること
打ち出し方向を構成する要素はなんだろう?
ボールが打ち出される方向を決定づける要素はいくつかありますが以下の3つが代表的です。
フェース角度
クラブパス
打点
パッティングの打ち出し方向を決定づける条件
パッティングの打ち出し方向もフルスイング同様です。インパクトの瞬間のクラブパスとそのクラブパスに対するフェースの向き(フェイス・トゥ・パス)で決まります。
トラックマンでは、パッティングの打ち出し方向の13%はクラブパスによる影響で、87%はフェイスの向きによる影響と結論づけています。
このことから、パターでもボールが打ち出される方向に関してはフェースの向きによる影響がとても大きいと分かります。
◆実力テスト
ここからは実際のレッスンでおこなわれたパッティングの実力テストの方法とデータを見ていきます。
テスト方法
テスト結果
冒頭のチャートでは10’の距離のミドルスピードでのLDの許容範囲は±0.74度でした。
このゴルファーの平均LDは0.2度。
平均だけを見ると許容範囲よりかなり低いので、高い確率で10フィートのパッティングを決められるはずと考えるでしょう。しかし彼はテスト中に2/6球しかパットを決められませんでした。これは偏差が±1あるためかもしれません。
PGAの実力
トラックマンによると、PGAツアー選手の3メートルパットのカップイン率は40%というデータがあるそうです。ちょっと低いと感じましたか?しかしながら、これらはツアーコンディションでの10’パットで計測されているので、左右への曲がり方や高低差、試合のプレッシャーなど数値が低くなる様々な要因があることをお忘れなく。
パッティング講師のアレックスさんは、フラットなライのパットであれば95%程度の確率で決められるのではないか?と言っていました。
また、アマチュアは3メートルで4/6球決められるようになることがいい目標になるだろうとのことです。
自分の傾向を知ろう
トラックマンなどでデータをとると、インパクトのフェース向きやクラブパスなど、何かしらの自分の傾向に気づくはずです。
パターのストロークでも、カット・ドローなど回転軸の傾きの傾向があります。どちらが良いのかというのは問題ではなく、自分の傾向を念頭におき戦略を立てることが重要です。
このテストを受けたゴルファーのフェイス・トゥ・パスを見ると、一貫してクラブパスはフェイスよりも左を向いたことがわかります。(クラブパスの数値を見るとバラバラですが、フェイス・トゥ・パスの数値が+のときパスは必ずフェイスの左を向いているため。)
アレックスさんの話によると……
PGAツアー2勝のマイケル・トンプソンは、一貫してインパクトの軌道がフェイス向きよりも左を向いているそうです。
しかし彼は「一貫し左に向いているため」常に自分の打ち出したい方向にボールを打ち出すことができます。
アレックスさんとパッティングデータを計測した週に見事3Mで優勝したそうで、このときのパッティングSGはフィールドより7ストロークもまさっていたそうです。(パッティングだけで7ストロークは異常)
つまり
毎回フェースが軌道に対して閉じたり・開いたりしていても何も悪くない。
しかしフェイス・トゥ・パスの数値が一定だから必ずLDも一定になる訳ではない。
LDの安定にはインパクトのフェース向きが最重要
◆アレックスさんの結論
この実力テストの結果からAlex Yeazelさんは、このゴルファーに対して以下のように結論づけアドバイスをおこないました。
テクニック面でのアドバイス:
フェイス・トゥ・パスの偏差が比較的大きいので、この偏差はパッティングスキル向上の障害になる。
なるべく安定させた方が良い。
フェースが開いているので、もっとトウをリリースしてボールをヒットする。
もしくは、フェース向きではなくクラブパスを-1〜-2度に抑えられればLDは安定する。
道具のアドバイス:
フェースが開くことが多かったので、トウハングのパターにする。
またはフェースを閉じやすいウェイトにする。
オリジナル記事では、スピードコントロール・APEXにも取り組んでいました。
この記事を読んでいるパッティングレッスンをおこなうインストラクターは非常にレッスンの参考になると思います。
また、パッティングのレッスンの受講を検討しているゴルファーは、このようなクオリティーのレッスンを期待するべきだと思います。
気になる人はオリジナルの記事を読んでみてくださいね。
(オリジナルはこちらから)
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【パッティングの考え方・練習方法についての過去記事はこちらから】
APEXを考慮したライン取りについてお話ししています〜
おわりに
今回は一般的なパッティングレッスンについてご紹介しました。やはりデータやストロークを分析してもらえるレッスンが1番効率いいですよね。
筆者が前回パッティングレッスンを受けたのは、2021年4月越谷で橋本先生からのデータ測定と分析を使ったレッスン、
前々回レッスンを受けたのは、2017年LAでAimpointの先生から受けたグリーンリーディングに関する実践的なレッスンでした。
しかしながら、現在ゴルフ熱が完全に冷めてしまったためゴルフの予定はないのですが、コロナ禍に取得したCAPTOの認定が無駄になっています。笑
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