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組織の成長とマネジメントスタイルからみる会社の選び方のコツ

経営学者のグライナーさんという人が提唱する「組織ライフサイクル」によれば、
企業は五つの段階を経て成長すると言われている。
これを読み解きどんな人にどういう企業がおすすめかをキャリアアドバイザーの視点で書いてみました。

組織ライフサイクル

まずStep1
「背中でマネジメント」
※トップ入れて10人以下

【特徴】
・創業者又はチームリーダーのリーダーシップ
・直接的でその場での指導
・型やルールがない組織運営

○メリット
・創業者やリーダーの魅力による求心力の高さ
・規模が小さいから、なんでも素早く柔軟に対応できる

△デメリット
・強力で個性的な創業者やリーダーの意向に振り回されることがある
・トップが崩れたら共倒れ

☆選ぶポイント
スタートアップや大企業での末端の組織に見られる傾向がある
社会や顧客への価値提供のインパクト大のため、成長への貢献度合いは1番感じられる

次にStep2
「行動でマネジメント」
※トップ入れて50人以下

【特徴】
・管理職がつくようになる
・1から10まで行動レベルでの指示
・マニュアルによる組織運営

○メリット
・型やルールがある程度できるから属人化を防げる場面が増える
・指示待ちの人も活躍できる

△デメリット
・マニュアル化の弊害で、個人が考えなくなる
・小規模だが柔軟性にかける場面が増えてくる

☆選ぶポイント
割とこれぐらいの組織であれば、まだまだ整っていないことも多く、個人の裁量は大きい
ただ自律性や創造性は低下していく
また新卒への成長の機会や制度などはあまり充実していないため、あくまで自立自走の精神がないとやっていけないと感じる

Step3
「結果でマネジメント」
※200人規模以下

【特徴】
・市場原理に基づき競争が起こる
・自由と自己責任
・インセンティブを用いる

○メリット
・自由度があるため、各人が自分に合った仕事のやり方を模索できる
・自由を工夫することで、社員間競争が起こる

△デメリット
・自律性がない、スキルがないという人材は馴染まない
・リーダーが失速すると組織全体が失速する

☆選ぶポイント
たんたんと振られてくるタスクをこなすタイプには馴染めず、特に教育体制も整っていきっていないため、自走自立できる人材が求められる傾向
自分の行動が管理されない反面、結果が重視され、社員間の競争が激化する
この場合、創造性は破壊される
しばしば足の引っ張り合いさえ起こりうる

Step4
「計画でマネジメント」
※1000人規模

【特徴】
・自由が行き過ぎないように、組織として統制に入る
・何かする時は事前に経営層に計画を提出
・部分最適が進みすぎた計画を修正して、全体最適にしていく
・何事も標準化されて、階層性、没人格性を持つ
ルールや仕組みに縛られる

○メリット
・このマネジメント方法はほとんどの組織に該当するもの

△デメリット
・規則に厳しくなり、柔軟性が失われる
・組織全体の利益よりも、自分の担当領域以外関心を示さなくなる

☆選ぶポイント
ほとんどの企業がこの組織体制
ルールとか規則とかに縛られ、自由度は減少する一方で会社の体制的には属人化しないための仕組みなどもある程度整ってきているので、割と社会人としての素地は身につく気がする

Step5
「文化でマネジメント」
※5000名を超えるほどの組織規模

【特徴】
・自発性と創造性が発揮できる
・やってはいけないことだけ定めて、あとは割と自由
・上級社員の役割は、トラブル対応と例外の管理

○メリット
・社員は自律的に考えて行動するため、意思決定が早い
・同じ価値観が多い環境で、モチベーションマネジメントが容易
・勝つためにやるではなく、やりたくてやるになるためクリエイティビティが生まれる

△デメリット
・組織全体も構成員も、高いスキルや知識、経験が必要となる
・価値観で縛られるため、宗教的カルト的に見えるため、合わない人も多い

☆選ぶポイント
新卒での就活難易度が高く、一定の学歴が見られる。それは規模が大きくなるにつれて、統制が取れなくなってくるため、スキルや知識、経験として長けている人で自分で自分を律せる人でないと難しいからである。安定した基盤と給与の魅力はあるし、優秀な人は多いため得られるものは多い。ただし、組織の末端になってくると自分ができること少なってくるため、裁量を求めると若干見劣りする。

組織の規模が変わるごとに、フェーズが最適化されたり、次に移行したりする。
ただ最適化するのも、移行するのも容易ではないことは頭に入れておいてほしい。
人数はあくまで目安なため、まずは就職活動をしながら見極めてほしい。

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