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ジュゴンとマナティー


1.ジュゴンとマナティー

今日は、ジュゴンとマナティーの見分け方を学んだ。

ジュゴンは海底に生える海藻を食べるため、口が下向きについている。マナティーは海藻や、ときとして陸生植物も、手を使って口に運ぶ。だから、顔だけ見せられた場合にはどちらかといえば顔が丸いほうがマナティである。

また、尾ひれがクジラやイルカに似ていればそれはジュゴンで、こいつはしゃもじの親戚か?という形であればマナティーである。

さらに、およそ海で見かけた場合はジュゴンで、川で見かけた場合はマナティーだが、万一見かけたらすぐにでも適切な機関に連絡し保護をお願いしたい。

また、背中がもっそりと苔むしているのはマナティーである。

ちなみに、「マナティ」ではなく「マナティー」が正式名称らしい。

2.ジュゴンとマナティーとわたし

「誰それに似ていると言われる」という話を聞くと、それが誰であれ何とはなしに「いいなぁ」と思う。帰宅して鏡を覗き込むと、平凡な顔がわたしを見返してくる。やけにつるつるした肌と小さな目、凹凸のない鼻。

はて。これはどこかで。鏡の前でじっと考えているうちに、のっそりとした巨体が水中を漂う姿が浮かんできた。

そうかそうか。わたしはマナティーに似ているのだ。

鳥羽水族館でマナティーを見たとき、やたらに懐かしい気持ちに襲われたのはそのせいなのだ。

歩行という人間の根本的動作をはじめとしたありとあらゆる運動が壊滅的に苦手なのにダイビングだけはやけにうまいのも、食べ物に無頓着である一方で野菜だけはばりばりもしゃもしゃ食べるのも、マナティーに似ているせいにちがいない。


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