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あべのハルカス美術館『安野光雅展』

 どんなペンで描いていたのだろう。と思いながら眺めていると、近くからも「どんなペンで描いてはったんやろ」と話している声が聞こえてきた。細かく細部まで描き込まれ色付けされた原画たちは、そのひとつひとつのブロックやピエロが着ている衣装の柄を追うのが楽しくて一枚一枚じっくり見たくなってしまうものばかりであった。デビュー作から晩年の作品までを見ることができる。水彩紙に描かられたヨーロッパの街並みから全編、絹本で仕上げられている三国志まで作品の題材は幅広く、現実と空想が入り混じる世界観は画面の中に何が隠されているのだろうと毎回ワクワクする。行く前からポスターで見ながら、どこかで見たことがあるような…と思っていたが、最後の最後、上映されていた紹介VTRを観ながらシェイクスピアを題材にした作品について紹介されていてピンときた。あ!シェイクスピア全集の表紙だ!!!この2年間慣れ親しんできたあの表紙である。

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