THE STALIN の『虫』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は THE STALIN の『虫』を聴いてみた編をお届けします。

荒々しくもポップなハード・コア・パンクサウンドに、心に深く突き刺さる絶叫。

全てを曝け出し、無駄を削ぎ落とし、鋭い攻撃性を持った歌詞がやみつきになる一枚です。

是非読んでみて聴いてみてください!

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1.水銀
重たく切り刻むようなギターの音。ボーカルの残響音。単語や短い文の言い切りが多い。煮え滾っている。赤黒い。地獄で鬼がバンドを組んだらこんな曲を作りそう。

2.365
シンバルと絶妙にテンポが合ってないギター。止まらない勢い。吐き捨て突き刺すように歌う。歌うというか叫び。荒々しいが何故かポップ。「あ〜眠りたい!」という絶叫に共感。

3.泥棒
「紅だ〜!!!」ばりの「泥棒だ〜!!!」にニマニマしてしまった。30秒過ぎたあたりから普通に笑ってしまった。ずっとこのままのテンションで、「泥棒」と叫び続けて曲が終わったらどうしようと思っていたら曲が終わった。後ろで鳴っているギターはキュインキュインで格好いい。

4.天プラ
単語の連呼系は耳に残ってしまうからやめて欲しい…天プラ天プラ天プラ…。ゆったりとしたイントロに騙されてはいけない。天プラを気にすることなく唸り歪みまくるギター。一瞬で終わる。どの曲も短い。楽しいからもう一回聴いた。

5.Fifteen(15才)
今度は「遊びたい」と魂の連呼。ギターが地響きするような重さで本当に格好いい。演奏リズム関係なく「遊びたい」とシャウト。多分自粛期間にこれを聴いていたら遊びたくなって頭おかしくなってた。

6.ING,O!(夢遊病)
最初のギターの音の吸引力が物凄い。ギターの音の渦に飲み込まれそう。「お前だろ!俺は知らねぇよ!」と言われ過ぎて無いはずの罪の意識が芽生えてくる。音源と同じように歌うことは不可能な気がする。

7.Die In
スピードが物凄く早い。ギターが誰もついて来れないようなスピード感で突っ走ってる。ボーカルがもう何言っているか分からないがとにかくアツい。今度は「死んだ」と連呼。鬼気迫っている。どうにかしないとという気持ちになる。

8.取消し自由
明るくポップなイントロ。そこに乗っかる「勝手にしろ〜!」「いい加減にしろ〜!」「帰りたいよ〜!」の叫び。連呼。何かに対する怒りや反抗心が、心の底からぶつけられていて清々しい。もしこの曲をカラオケで歌ったら友達は凄い動揺するだろうな…

9.GO GOスターリン
イントロから疾走する演奏が言葉を吹き飛ばしていく。0:26〜ややテンポが落ちてるのが不思議。呻きに近い叫び。もうここまでくると言葉の意味すら考えられなくなるくらいハイになる。

10.Nothing
危険な雰囲気のイントロ。ギャリギャリギター。音はザラついている。反復するギターフレーズ。何かに苛まれもがき苦しんでいる。

11.アザラシ
他の曲に比べて、歌詞っぽい歌詞で、メロディーというものも存在している。予想外の方向から登場したアザラシに少し驚く。ドラムの盛り上げ方が好き。

12.虫
ミドルテンポで重厚感がある。恨めしい。今までの曲より雰囲気も空気感も暗くジメジメとしている。「おまえなんて知らない」、「どこかへ飛んでけ」という歌詞はメンバーに向けたものらしく、これを演奏するメンバーはどんな気持ちなんだろうと思った。3分を超える曲すら少ないのに、この曲は約10分もある。6:02〜の広がっていくギターの音格好いい。強烈な怨念。

13.GO GO スターリン (single version) 《ボーナス・トラック》
single versionは叫びから始まる。ギターは少し自由になった感じ。声が二つ重なっている。遊び心満載。

14.カタログZ 《ボーナス・トラック》
今までの曲に”待ち”なかったから新鮮。0:22〜の入りが滅茶苦茶に格好いい。歌詞はブラックユーモアが詰まっているが陽気で終始楽しげ。

15.先天性労働者 《ボーナス・トラック》
過激な政見放送みたい。拡声器を使っているようなエフェクト。社会の教科書のような内容の歌詞。今までで一番言葉数や単語が多い。ベースの重低音が気持ち良い。

16.虫 (未発表ライヴ) 《ボーナス・トラック》
歓声が凄い。これが噂の爆竹の音…?女性が興奮のあまり発狂しているし、「スターリン!スターリン!」の掛け声も良い。ボーカルの圧倒的存在感とカリスマ性。ノイジーになったギターも格好いい。正規音源を超えるライブ。


(↓ジャケットは丸尾末広 作画)

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THE STALIN は1980年に結成された日本のパンク・ロックバンド。バンド名はソ連の独裁者、ヨシフ・スターリンが由来。ジャンルとしてはロック、ハードコア・パンク、パンク・ロックなど。


ライブ中に牛や豚の臓物を客席に投げたり、拡声器のサイレンや爆竹を鳴らしたり、学園祭でのゲリラライブで全裸になって逮捕されたり…数々の伝説に圧倒されました。伝説のバンドだ…

連呼する単語のチョイスがツボで、一度聴いたら耳に残ってしまう曲たちでした。ジャケットも好きです。楽しかった…!

次回は Beastie Boys の『Licensed to Ill』をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んでくださり有難うございました。

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