「私が死んだら左の薬指を摘んで 丘の上の庭に埋めてください」 彼女は言います。 「再生することの無かった地面には 半月後には草が生えて 1年後に1羽の雀がやって来ます。」 「そこでその子は静かに羽ばたき飛んで行き 小さなたんぽぽが一輪咲くでしょう。」 「そのたんぽぽを摘んで硝子花瓶に 綺麗に着飾ってあげてください。」 「二年後の6月、初めの半月の夜遅く 月から黄金の砂塵が注がれ覆い輝きます」 「辺り一面がすごく綺麗なのよ!」 そして彼女はくくくと可愛く笑ったの
僕は自分自身がこの世に存在している事を忘れていた 生きていることは自覚していたが 地球という惑星で、 母の腹から産まれ 息をして 目を開け、みて 耳で聞き 鼻で嗅ぎ分け 手を使い 足を使い 歩き 食べ物を口に入れ 飲み込み 栄養に変え 1秒ずつ細胞が衰え、育つ、そのことを忘れていた 地球に自分の足跡を刻みつけている事を忘れていた 母から貰ったこの足で 地を踏み 血を流し 知を身につけ ただ生きているだけではないことを忘れていた 本当は存在して
朱い涙を流した期 溜まった憎悪流れ出て 心にナイフの跡残り 碧い涙を流した期 失意、損傷、寂しさを 心に穴を空けたまま 黑い涙を流した期 溺れる脳に釘をさしても治らずに 心に不穏な音が鳴る 錆色(チャイロ)の涙を流した期 目を閉じ感じる痛みの根 心に染みる太陽の光 浅紫(アサムラサキ)の涙を流した期 嫉妬の濃いと少しの恋 心に迷路を作り出す 聴色(ユルシイロ)の涙を流した期 母の愛が蘇り 心に酸素が行き渡り ちゃんと涙が流れた刻 それは1つの地球になって 孤独な価
私は主人公じゃないから 他の誰かが キラキラ ぱちぱち ふわふわ 輝いて 特別に見える 嫉妬もしない 羨ましくも思わない 別にどうでもいいから 本当に どうでもいい どうでもいいと思っているよ 芯は無意識に憧れた 憧れるけど どうでもいい なりたいなんて思わない この子のキモチ 僕のキモチ 芯のキモチ 大事に大事に それぞれに 種を植え 水をあげ 育て 愛を込め 時には栄養剤をあげなくちゃ 薬をキメて ゆっくり ゆっくり 静かに そして ゆっくり
今日と言える日が始まって 僕 は 毎日絶対 寝る時には ラジオアプリで 何個もある保存されたフルタイム2時間の 人が喋り続け 唄う音 を 聴き流しながら 寝る 起きた時も鳴り続いていて 枕横に充電器に繋いだままの小さな機械が反応する 眠いから寝ようとした 7:10 寝た 起きた 8:05 起きなくちゃいけない 頭を動かせ これから着る服のシュミレーション あれとこれとそれとあれ 裸足だ 寒いね ボヤけた視界のまま 洗面台 お水 鏡の自分 おはよう 今日
死ねば良いのに 死ねればいいのに 家に帰りたい 歩く 横 誰かの家の大きな窓ガラス 私が伝染る 伝染る姿はいつも僕が見ているから 疲れているんだな わかった そうか そうなんだ 僕だ そしてキミだ ふわふわふらふら くるくるぐるぐる ああぼろぼろ 心と脳が忙しくて コロコロ目まぐるしく移り変わって 自分ではどこに辿り着くのか 辿り着きたいのかよくわからなくなってしまった 考えすぎもよくないと思う それじゃあひとまず休憩して そこのベンチでご飯食べよ 疲れてどうしよ