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★デーリー東北「ふみづくえ」執筆②|荒地の草刈りウォーズ(本文¥0で読めます)

 このエッセーを書いているのは三月は十八日。ボサノバ界の生けるレジェンド小野リサの南郷リサイタルがあった日です。実は私ジャズが好きで、ボサノバも好物でございます。階上町の隣町にジャズの街として町おこしをしている南郷があるだなんて運命としか思えません。少し早めに家をでまして、道の駅なんごうに併設されておりますジャズの館のテーブルで、高音質スピーカーから流れるピアノトリオを聴きながら執筆しております次第です。まあ贅沢!
 さて、三月半ばともなりますと段々にふきのとうあたりの春の野草がちらほら見え始めるころ。つまりその他雑草もアップをはじめるころです。
 今住んでいる家の周辺には何も使っていない土地が隣接しておりまして、引っ越した当時は草ぼうぼうどころか、草群雄割拠。草刈機で手入れをするものの、一回の作業でガソリン二十リッター使うような凶悪雑草地帯でした。しかも雑草の中でも駆逐するには相当の労力を必要とされるイタドリが蔓延っており、背も高いものだと一メートルを超えてくるため、草を刈るというよりは薙ぎ倒していくレベル。根っこで増えていくタイプなので、年々範囲が広がっていき、引っ越してきた当時はもはやイタドリの森になりかけていました。
 特に生産性もなく、のうのうと生い茂る雑草。毎年ガソリン代を持っていかれるこの荒地を制圧したいと思い、半ば怒りのパワーで始めたのが畑の開墾でした。家賃でも払ってくれるならそのままにしていてもよかったのですが。刈られた後はせめて堆肥として役に立て。
 まずユーチューブなどで畑を作り始めた人を調べたのですが、多くは耕作放棄地だったり元畑だったりして、イタドリ他雑草を駆逐するところから始めている人はあまりいないようです。地道に剣先スコップで掘り起こすところから始めました。掘った端から土を手製の土ふるいの箱に放り投げ、湿った土はふるいをゆすっても土が落ちてこないのでクワの側面で撫でるようにしてこそぎ落とし、木の枝か幹かとみまごうイタドリの母艦であるボス級根っこと日々綱引きをし、一年目は畳四畳分の畑ができました。ふと見渡せば、残る家3軒分ぐらいの荒野。目から光が消えるかと思いました。
 二年目は一度町内の造園屋さんに頼んで、乗用タイプの耕運機で一度掘っくり返してもらいました。ちぎれちぎれになったイタドリ他の根っこも、草が生い茂る前にふるって選別してしまえばよいと考えてのことです。某オークションサイトを物色し、エンジンの力を借りて筒状の金網で土古いができるイケてる農機具を購入。この時点でやってる規模おかしくない?と言われるようになってきました。
 三年目ぐらいには家二軒分くらいの敷地が畑化。残りの敷地どうしよう、いっそヤギでも飼いたいな、など軽率にツイートしたところ、ヤギを譲ってくれる方を紹介されましてヤギが住むことに。暇さえあれば草を食べてくれるので、荒野の草刈りは一回かそこらになりました。
 こうして荒地の草刈りウォーズは五年の時を経て勝利いたしました。ヤギ飼い始めた時点でもやってる規模おかしくない?って言われたんですが、えっ合理的では!?


 以下はあとがき的なものです。執筆中のコーヒー代にでもしなよって思ってくださる方は課金お願いします🙏

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