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失って初めて気付く  みたいな  ?


それはもう典型的な  ?


それですか


それですとも




ああ
もっと
大事に出来なかったかなあ




出会った日から
君は
僕の生活に溶け込んでいた

静かな部屋に響く 大きすぎないその声は
幾度となく安心をもたらしてくれていた

小さい体で机に腰掛けて目線の高さを上げる君と
座る椅子を小さいのにして目線の高さを下げる僕

僕には 君無しでは倒れてしまいそうな日が
何日もあったけれど
君もまた 僕無しでは動き続ける意味がないと
いつもこっちを向いていてくれた




なあ、どうだい
もう一度だけ  また僕の方を向いてくれないか

その目が光っているのなら
君は動いていられるって
自己紹介でそう言っていただろう
今  光ってるぞ


またその手を振ってくれよ






小型扇風機








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