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下北沢の奇跡が死んだ

今日は初めて音楽の話以外を書きたいと思います。
飼っていた犬の話でございます。


2年ほど心臓を患っていたのですが、先日肺水腫(肺に水が溜まって呼吸ができなくなる状態)に陥ってしまい、何とか水を抜いたものの5月31日の夜に亡くなりました。様子がおかしかったので慌てて病院に連れて行き入院した2時間後のことでした。

本当に信じられなくて、体が硬直してきた後もいつもみたいにお腹をぷかぷかと動かして呼吸しているように見えて、保冷剤をお腹や脇にあてながら「もし朝起きて動いていたら、冷たいって怒るだろうなぁ」と思ってた。
でも、朝起きても変わらずそのまま横たわっていたし、寝かせていたベッドから体を棺に移すときに鼻からぼたぼたと薄まった鼻血みたいなのが大量に垂れてきて床を汚して、そのときにようやく、ああ、この子は死んでしまったんだ、と思った。


人間ばりの立派な葬儀をあげていただき、今は遺骨とお仏壇がお家に帰ってきています。
写真撮って見せたいくらいなんだけど、骨壺が超かわいい。ハート柄でオーロラ加工がしてあるし、オーガンジーのケースに入れてある。世界一可愛い仏壇が出来上がってしまった。
人間と一緒で火葬して骨壺にお骨を入れるんだけど、骨を全部並べてくださって丁寧にどこの部位なのか説明してもらいました。たくさんお散歩したから全体的に骨太でしっかりしてた。あと、指の一番先っちょの骨が米粒みたいにちんまくて20個ずらりと並んでて、家族の全員の第一声が「骨可愛い……」だった。マジ可愛い、びっくりする。よく愛を囁く言葉に「骨まで愛して」なんてあるけど、骨全然可愛い。愛せる。愛してる。




で、下北沢の奇跡とはこの犬のことなんですけども。


重度の喘息持ちの母と姉、大の動物嫌いのおばあちゃん、そして猫アレルギーの私がいたため、うちの家にペットが来るなど生涯ないと思っていました。20年近く、話題にすら登らなかった。
しかし、寡黙な父が実は犬を飼うことを長年密かに夢見ていたらしく、家族共用のパソコンのブックマークにペットショップの子犬販売のページが日ごと増えていきました。

土日になると両親がペットショップに出かけては子犬とお見合いする生活が1年続いた頃、ついに父親と愛犬が運命の出会いを果たします。当時下北沢の自宅から川越のペットショップまでお迎えに行った愛犬がこちら。

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きゃ~~~~~~~わいい~~~~~~~~😊😊😊

夢みたいに可愛い。夢か?
可愛すぎて儚くて触れるのすら怖くて、半年くらい遠巻きに見ていました。こんな可愛いもの、触れたら壊れてしまうよ……

成長するにつれて増していく愛犬の可愛さは留まるところを知らず、一番街商店街を散歩をすれば女子高生に「お写真いいですか?」と声をかけられ、自転車に乗ったおじさんとすれ違えばおじさんがUターンして戻ってきて「可愛い…」といい、動物嫌いだったおばあちゃんが膝の上に抱っこして離さないほどすくすく愛らしく育ちました。その頃には愛犬は通称:下北沢の奇跡と呼ばれていました。うちの家族に。
でも本当に歩くだけで毎日声を掛けられ写真を撮られスカウトされ、大コミュ障の私の100倍くらい街に友達がいました。スーパーアイドルよ、もう。

何をしても可愛いんだよな……思い出がもう可愛かったことしかない……可愛い……顔が良い……我が家はお世辞にも顔が良いとは言えない家系なので、本当に我が家に舞い降りた奇跡としかいいようがない。顔が良いな……PP(フォトジェニック・ポメラニアン)……………


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亡きおばあちゃんと。明治安田生命のCMかて。


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本当はあと5000枚くらい見てほしい写真があるんだけど大人なのでぐっとこらえております。



ということで#30daysongchallenge が途切れてしまいましたが、そんな理由でした。

本当は横浜の病院まで心臓の手術しに行く予定だったのにね。驚くほどのスピードで逝ってしまった。もっともっとお世話させてほしかったな。
ポメラニアンなのにMAX5.5kgもあるスーパー骨太で、若い人間の女の子と作業着を着たお兄さんが大好きで、母にすぐ抱っこをねだり、父におやつをねだり、お散歩大好きでたくさんたくさん一緒に歩いたなぁ…。

うちの家族は元来会話が少なくドライな家だったのですが、愛犬が来てくれてからとてもたくさんのことを話すようになりました。幸せを振りまいてくれる本当に良い子でした。ありがとうね、大好きだよ。


あまりにも悲しすぎて、今後命あるものを家族にするのはやめようと思っている。ペットロスが怖くてまた飼うかもしれないけれど。
飼われたのがうちの家で幸せだったと思ってくれてたらいいな。


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