墓じまいの必要性
我が家の菩提寺や親戚の菩提寺の墓地を見ても、この20年ほどで急激に無縁墓が増え、古いものはお寺が無縁墓をまとめて整地されたり、墓地自体をなくしてしまわれるお寺も増えました。
子供がいない、子供が嫁に行った、子供が遠方に生活拠点を持ち戻らない、高齢になり墓参りが大変になった等の方は、今あるお墓をどうするかという問題が生じます。
1つは、今のお寺に永代供養料を払うこと。ただし、永代供養と言っても未来永劫に墓を置いてくれる訳ではありません。相場では20年~数十年でしょう。定期的に供養する人がいなければ、いずれは無縁墓としてお寺や行政に処分されます。
そもそも、墓地と言うのは、いくら高額でも広大な墓地でも、「購入」するのではなく「借りる」ものですので、年供養やお布施など何もしないで放置していれば、いずれ処分されても仕方のないものなのです。
ただ、問題は、お墓には、お骨が埋められていると言う点です。墓地が処分されると言うことは、墓石を取り除いて整地し、次の人が購入できるようにすると言うことです。
その際に、当然お骨が残っているのですが、ご住職が供養されるとは思いますが、整地の際に取り除かれます。これをバチが当たると捉えるかどうかですが、両親や配偶者など近しい人のお骨だったら、やはり、人情として忍びないところもあるのではないでしょうか。
そこで、いずれ他人に無縁墓にされるくらいなら、いっそ、元気な今、ご自分の手で「墓じまい」をするという選択肢があります。
具体的な手続きは、お寺や行政から証明書や許可証を取り、今のお墓からお骨を拾い上げ墓石を除去するために魂抜きのお経をあげて貰い、更地にしてお寺に返し(上述のように、墓地代は元々土地借り料ですので)、新しい永代供養合同墓などに開眼供養のお経をあげて貰いお骨を納骨するという流れになります。
新しくお骨を納める墓地は、負担の少ない様にご自身の近くのお寺や本山の合同墓がずっと供養して貰えると言う安心感がありますが、ビルの納骨堂でも構いませんし、ご自身に万一の事があった時に、ご自身のお骨と一緒に樹木葬や海洋散骨するという方法で死後事務委任契約をされても構いません。
家督相続制度がなくなり、核家族化や東京一極集中が進んだ時点でこうなる事は容易に予想されました。コロナを機に、病院から直接火葬場、一日葬という流れにも拍車がかかりました。
消えた風習が元に戻る事はありません。
当行政書士事務所では、墓じまいのご支援も行っています。
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