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わたしたちを空腹にしないほうがいい

嬉しくて心がどきどきした 、この前の日曜日の出来事を書きたい。

ずっと行ってみたかった三軒茶屋にある屋上で本が読める「twililight」さん。
この本も、あ、この本もある!と私が読みたい本がたくさん並べられていた。

そして4冊を購入し、チャイを頼み、ワクワクしながら屋上に向かった。

誰もいなかったので、1番奥の席に。
高い建物ばかりな東京。空が近いだけで清々しい気持ちになれた。

どれを読もうかな、と思ってパラパラめくっていると下で本を見ていたお姉さんがドアを開けて入ってきた。
(うんうん、この素晴らしい空間で一緒に本を読みましょう)と心の中で頷きつつ、本を読み始めた。チャイが美味しかった。甘すぎなくて、説明にあった体の力が抜けて落ち着ける(うろ覚え)を体感していた。

すると、「私も同じ本買いました。急にすみません、見えちゃって。」とお姉さんが突然声をかけてくださった。「え〜!そうなんですね!偶然!」とびっくりして変な声で返したような。2冊だけ並べてあったくどうれいんさんの『わたしを空腹にしないほうがいい』。その2冊をたった数十分で同じように読みたいと思って手に取った人がいて、目の前で話しているのはすごいことだなと感激していた。何よりも声をかけてくださったことが嬉しくて、その後全然うまく話せなかったが内心ルンルンだった。

「記念に写真撮っていいですか?」と言ってくださり、2人で本をパシャリ。
お姉さんは一度読んだことがあるが、知人にあげたのでもう一度購入したそう。
自分が読んできた本を贈るってかっこいいなあと思った。
自分の大切なものを贈る、それだけ大切な人なんだろうなあ。
そのあと、お姉さんは屋上から去ってしまったので、また本を読み始める。

こういうとき、どこまで踏み込んでいいのかわからない。
運命みたいで仲良くなりたいけど、急に連絡先を聞くのもどうなんだろう、と考えたり。
またどこかで会えたらいいな。
私もどういった場面でも誰かに声をかけられる人でありたいな。

1階にパン屋さんがあり、この日は店前でチュロスや揚げパンを売っていて、甘い香りが屋上に届いていた。れいんさんの文章だけでも食欲が湧いてくるというのに。


この本を読み返すとき、この場所に来るとき、必ずこの日のことを思い出すだろう。
お姉さんにとってもそうであるといいな。


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