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二十五、二十一

(Netflix「二十五、二十一」のネタバレを含みます。)


「二十五、二十一」。ついに見終わった。8週間たくさんの青い眩しい気持ちを思い出させてくれたこと、本当にありがたくて、こんな作品に出会えたことすごく幸せだなあと実感している。まさに自分の「人生ドラマ」になった。最終回が配信されてから数日経っているけど、時間が経てば絶つほどじわじわと愛おしい気持ちが身体中に満ちていく感覚に襲われている。

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いつまでも続くと思っていた、永遠だと思っていたあの熾烈な眩しい瞬間は、長い人生の中のほんの一瞬の煌めきだけど、その煌めきが長い人生を鮮やかに輝かせてくれる。そんなことを一貫して伝えてくれたドラマだったと思う。苦しさ辛さを分かち合ったあの子とのチャット、愛を知りたくなったフルハウス、青々しく輝く夏の噴水、こっそり幸せになると誓ったトンネル、暗闇に光るグリーンライト、そばにいなくても気持ちが通じた公衆電話、2人を導くかのように大きく架かる虹、みんなで笑い合った夏の海、屋上から見た花火、想いが溢れた雪が降る夜、別れを決めた桜の木の下。あの頃のすべての煌めきを、鮮明に完璧に覚えていられるわけではないけど、あの頃のすべての煌めきが今の自分を導いてくれていることに気づいて、ものすごく瑞々しく清々しく何だかみぞみぞする気持ちになった。

自分も青春の1ページに混ぜてもらったような、5人の日々に想いを馳せて、「こうだったな」「ああだったな」なんて過去を振り返ってみたりもして。人生ってなんて難しいんだろう、思い通りにいかないものだよね、改めて実感した。ラストに向かうにつれ、賛否両論色々あったドラマだったけれど、わたしはその未熟さも含めて好きだったし、「これが青春だしこれが人生だよなあ〜」とも思えた。そして、いち異国の視聴者に青春を思い起こさせてくれた時点で、このドラマは大成功なんじゃないかな。書きたいことがたくさんあるんだけど、あまりにもありすぎて、書ききれない。

エピローグ、パスワードを忘れてしまったイジンが、「初恋の人は?」の質問に対して迷いなく答えを打ち込むところを見て、『過去とか未来とか現在とか、そういうのってどっかの誰かが決めたことだと思うんです。時間って別に過ぎていくものじゃなくて、別のところにあるんだと思うんです。人間は現在だけを生きているんじゃない。』という、2021年大名作ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の作中の言葉を思い出した。まさか2022年大名作ドラマ「二十五、二十一」を見終わった今、この言葉を思い出すことになるとは。大人になったヒドは「永遠なんてない」って言うけれど、現在を生きている中で、思い出の中にいるあの人も自分と共に生き続けている、過去も未来も関係なく、大切な人、大切な瞬間は、ある意味永遠なのかもしれない。永遠なんてないかもしれないけど、煌めく思い出があり続ける限り、その思い出も永遠なんだと思いたい。

素敵な「あなたたちの夏」をありがとう。



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