見出し画像

映画「4月になれば彼女は」


※ネタバレを含みます

「愛を終わらせない方法は、手に入れないこと」
それよりも、もっと刺さった言葉。
「誰かを愛し、誰かから愛される人生を諦められない」
私はこの言葉が印象に残りました。

今、恋人がいる人も、好きな相手がいる人も、
より相手を大事にしようと思えるような映画。

まだ未熟だったけれど、本気で人を愛した頃の自分を
思い出し、素敵な経験だったなと。
長く付き合っているからこそ、
相手を当たり前の存在にしてしまうこと。
思い出を忘れてしまうこと。

グラスを割るシーンで、
「同棲初めにお揃いのグラスを2人で選んだ思い出」を
何の躊躇も無く捨ててしまう彼。

昔、彼女に愛を終わらせない方法を教えてもらった
はずなのに、思い出せない彼。

獣医をしているはずなのに、
彼女がピアノ1曲弾けることを知らず疑問に持たない彼。

彼のことが好き(?)な方に、
「お前のように気ままに生きたい」と発言する彼。

彼女の妹から、彼女のことを愛していると思えない
発言をされた彼。

一緒にソファで映画を観ることはなくなって、
ほぼ必要最低限の会話で、別々の部屋で過ごす関係性。

愛を手に入れないように過ごしてきたはずの彼女と、
愛を手に入れ当たり前になった彼とのすれ違い。


この映画は、最終的に
彼女の仕事に興味を持って動物を調べたり、
割れたグラスを買い直したり、
彼女の大切さを知り、全力で追いかける。

ハッピーエンドと思う節はあったもののの、
それに気づいたのは、彼の元彼女のおかげという
私的には少し残酷な映画でした。


「私は愛したときに、はじめて愛された。
それはまるで、日食のようでした。」

亡くなった元彼女からの手紙の最期の文。
映画内で発されたのにかかわらず、
私はネタバレを調べるまで
この発言があったことに気づきませんでした。

1人の人をずっと、ずっと好きで愛することは
難しいけれど、わたしの愛とあなたの愛が重なる
その一瞬のために愛を肯定していいのだと感じます。


愛を終わらせない方法。
手に入れないことではなく、愛を手に入れたとしても、
当たり前の日常、些細な出来事を大事にしていく。

そして、藤井風さんの「満ちてゆく」。
「愛されるために愛すのは悲劇」
リリースされて歌詞の一文を見た時に
これは絶対にハマる曲だと確信しました。
大画面の中で大音響で聴きたく、
映画にそこまで期待はしていませんでしたが
キャストも豪華な上にもう一度見返したくなる
シーンや言葉がありました。

長く付き合ってる恋人同士には
すごく刺さる映画だったと思います。

私もキリンになってたいな〜〜


この記事が参加している募集