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歳時記を読む暮らし

こんにちは!
今日の記事は私の独り言的記事です。
最近は寒い日が続いていますね。
やはり冬というのは家が心地よくなるもので、私もずっと家にこもってのんびりと過ごすことが多い今日この頃です。

そんな中で最近読み始めたのが、「歳時記」。
俳句の季語がずらっと紹介されている辞書のようなものです。

私が愛読しているのはこちらの歳時記。
オールカラーの写真付きなので初心者にも分かり易いです。

よく分かる俳句歳時記

■なぜ歳時記を読んでいるのか

椎名林檎さんは私の大好きな方の1人です。
そして、彼女が以前言っていた言葉がずっと心にひっかかり、数か月、いや一年ほどずっと私の頭の一部を占めていました。

私は時間があるときは辞書を読んでいるんです。

by椎名林檎さん

たったその一言だったんですが、彼女の曲を聞くたびに思い出し、
この表現力や日本らしい奥ゆかしさ、深さと強さは辞書も一つの要因なのかなあ、とか。

私も憧れの椎名林檎さんを真似して辞書を読もう!
と思ってはいたもののなかなか手を出せず、
そんな時に歳時記なるものがある事を知って、第一歩として読んでみようと思ったのがきっかけです。

■言葉をふやすことの力

歳時記を読んでいると、身の回りのものごとの美しさ、繊細さ、季節の美しさをしみじみ思い知らされます。
例えば、冬は冬でも初冬、大寒、春隣など色んな場面があります。
そして、例えば大寒には、その言葉の裏に
・大寒の凛とした寒気
・立春近し、この山超えれば温かくなる
・もう少しの辛抱ぞ(鍛錬の意味を込め寒稽古や寒中水泳などを行う)

そんな人々の暮らしや思い、風景が込められていたりします。
そんな事を知る中で、自分の引き出しに言葉をひとつひとつ増やしていくことはどんな意味があるのか、こんな例えを用いて私は理解しています。

白ってな、200色あるねん。

byアンミカ

冬にも色々あるように、白にも200色あるねん。
色鉛筆って、12色セットから、24色、80色、、、と色の多さは様々ですよね。

子どもの時は12色だけで大丈夫!と思えるほどの絵しか描けなかったけれど、大人になるともっと、もっと上手に描けるようになって12色では足りなくなる日がくるものです。

人の言葉も同じで、子供の時は、
「冬だね、さむいね!」としか言えなかったものが、
「いざさらば 雪見にころぶ ところまで」
(松尾芭蕉 意味:さあ降り出した雪を見に行きましょう。うっかり転んでしまっても一興、転んでしまう場所まで)
とまで言えるようになるのが成長するという事ですよね。

例に出した松尾芭蕉、椎名林檎さん、また、鮮やかに描かれた本や記事。
心に残るスピーチも、アニメも、居酒屋でのおしゃべりも。
「お見事!」というほどの鮮やかな表現のできる人というのは、自分の中の色鉛筆の色がたくさんある人なのだなあ、と思います。

それと同時に、その人の内面も磨かれていき、200色の色鉛筆を必要とするような立体感のある絵を心の中にさっと描ける人になるんですよね、きっと。

「言葉をふやす」
ということの意味を、歳時記を通して学んだ、という話でした。

■余談

先日友人と話していて、千と千尋の神隠しの話になりました。
家に持ち帰ってジブリ作品とディズニー作品、特にプリンセス系を対比して考えてみての私なりの発見があったのですが、、

ディズニープリンセスは(子供向けということも大いにありますが)結構分かり易いストーリーで、特に配役は、
主人公、悪役、その他モブキャラ、という感じでしょうか。

しかしジブリ作品、特に千と千尋の神隠しは何とも分かり易くはないストーリーで、その配役は決して、主人公、悪役、その他モブキャラだけではありません。

「お金はあるんだから後で払えばいいよ。」

特に千尋の両親、あの2人は決して悪人ではなく、悪役でもないのになんだかモヤっとさせられますよね。
最初の車のシーンで転校する千尋の悲しい表情に気づかず前だけ見て運転してしまう鈍感さや、
勝手にあの料理を食べてしまい豚になる、そして自分が豚になったことにも気づかない愚かさ、
千尋が湯屋で成長して、大いに彼女の心が変化していることにも気づかず、千尋に守られていた事にも気づけないあの感じ。

あの両親は悪役ではなく、敵でもなく、ただ未熟だったんですよね。
お父さんの威厳のある風貌や、お母さんの小ぎれいにした容姿も、中身を表したものではなくって。

悪気の無い未熟者、そして千尋は自身の経験を両親にきっとあのあとも話さず、理解できるものだとも期待していないのでしょう。
つまり、千尋にとっても両親は敵でも味方でもなく、、

そんな何とも言えない配役は、さすがジブリだし、日本らしいですよね。
赤!青!黒!だけじゃない、深紅、桜色、紅葉色、たくさんの色が使われた作品は宝だなあ、と感じました。

日本人として、たくさんの色の色鉛筆を私もこれから獲得していきたいものです。


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