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緑色の戸惑い(前半)
あなたは、6才の女の子へオルゴールをプレゼントしようと考えている。あるお店で、とても素敵な装飾の入ったオルゴールを見つけた。カラー展開は3種、薄ピンク色、濃い緑色、水色とある。
さて、あなたは6才の彼女に何色のオルゴールを選ぶだろうか?
…
心理テストのようですが答えはありません。自由に選んでくださいね。
好きの改築、第二弾は色についてです。
(改築に至った経緯については、よろしければ、こちらの記事をご覧ください。)
ところで色について話すと長くなるので、2つの記事に分けようと思います。
前半(この記事)では、幼稚園時分から小学校時分までを振り返っていきます。
それではしばしの間お付き合いください。
幼稚園時分、初めて好きになった色。
それは緑だ。
理由は特になかった。ただ好きで、緑色に固執していた。
緑色の絵具ばかりを使うため絵筆はほのかに緑に染まっていたし、
発表会があれば緑色のドレスが着たいと親にせがみ、七五三でも緑色の着物しか着ないと言い張った。
なのに小学校入学以後、好きな色はどんどんと変わっていく。
小学校時分は水色が好きになり、
中学では空色、
高校だと留紺が好きになった。
大学時代は…、特に考えたこともなく、ただ聞かれたら惰性のようなものが働いて、「青色」と答えていたように思う。
もう一度遡って、10才前後の自分を思い出したい。
なぜ、
緑色を好きでいることを辞めたのか。
結論から書くとそれは、自分だけでなくまわりにもフィットすることへの心地よさを覚えたからである。
幼い自分は戸惑っていた。
小学校では多くの女の子がピンクやオレンジが好きだと言い、緑色を好きだと言う女の子との出会いはなかったのだ。
もちろん緑色が好きであることは自分にフィットしていた。
しかし緑色好きは、なんとなく“女の子”のなかでは異質な気がして、戸惑った。
小学生の頃、自分はスカートやワンピースが気恥ずかしくて着られなかった。女の子用の安全帽も首に掛けるだけで精一杯、一度も被ったことがない。一人称も「ウチ」や「わたし」なぞ使えず、自身の名を口にしていた。
自分は、女の子らしいと思われることがとてつもなくむず痒く、かと言って男の子になりたいわけでもなかった。
ただ安穏と、楽しく、男の子とも女の子とも遊んでいたかった。
そんな少女に、緑色よりも、水色がフィットした。
緑色が好きなことに元々理由はなかったし、好きな色が変わることにー純粋に“好きな色”ではないにせよー、ネガティブな感情はひとつもなかった。
自身が水色好きであることは自分にフィットしたうえに、また水色好きが女の子のなかでも男の子のなかでも珍しくないということがとても心地よく感じた。
どちらともに溶け込むことができる水色は、少し見上げたところにある素敵な色だと思った。
今思えば、水色と自分とを重ねて見ていたのかもしれない。
それが、緑色を好きでいることを辞めた理由である。
(続く)
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