日々エッセイ6 ; 今まで理解できなかった映画の鑑賞をしてみる
本日はファーストデイ。
映画好きにとって、映画料金が安くなるのはもちろんうれしく、
「まぁ、ファーストデイだからね」とかこつけて映画館に行ける
最高の日です。
今年に入って最初の映画館ということもあり
普段とは違うラインナップにしてみました。
本日鑑賞した映画は二本。
・イニシェリン島の精霊
・モリコーネ 映画が恋した音楽家
渋いチョイス!
感想とともに、今回の映画館での鑑賞の
自分なりのテーマみたいなものについても、
最後にちょっとだけ話します。
イニシェリン島の精霊
仲が良かった友達に突然拒絶され、
急な関係性の変化に心乱され自己嫌悪し、
そこからボタンが掛け違うかのようにほかの人間ともすれ違い
気づきたくなかった周りの環境のいやなところが
どんどん浮き彫りになっていって、
とにかく全然うまくいかない未来がない男の話。
めちゃめちゃうまくいってなくて、とにかく暗くて
ハッピーエンドにならないことなんてスタートからわかるんだけど
最後までグッと見てしまうのは
息をのむほど鬼気迫る演技(絶対アカデミー賞とる)、そして
独特の間というか緊張感が流れているからかな。
そして何と言っても、この舞台になっている
アイルランドの孤島のどこまでも雄大な景色!
少し曇った寒空や、上品で静かな波打ち際にたたずむ漆喰の家。
現実か……?と思うほど神々しい自然が何度も映し出され
そこで起こる諍いごとを、無責任にしかししっかりと見守っている。
霧がかり、じめっとした、土のにおいが今にもしてきそうな
この映像こそが、不条理な状況や
田舎特有の閉塞感に拍車をかけ、
この映画を名画たらしめているなと感じます。
モリコーネ 映画が恋した音楽家
モリコーネの名前はピンと来なくても、
「『ニューシネマ・パラダイス』の曲!」といえば
映画好きは思わず反応してしまう人も多いのでは?
あまりにも有名な人なのでただの天才と思いきや
かなり努力型というか、才能を持ち合わせた叩き上げです。
いわゆる「曲がおりてくる」タイプではなく、
圧倒的基礎力に根差した圧倒的引き出しの量で殴る!って感じだったのが
めちゃくちゃ意外でした。
とにかくたくさん作る人。
とにかく作るけど、努力の部分ほとんど描写なかったな。
まぁドキュメンタリーだったら映像化しにくいのかな。
才能ゆえの奇人タイプでもなく、とにかくまじめ。
淡々と、自分の仕事をこなす。
賞レースで名前が呼ばれなかったら落ち込むし、
ようやくオスカーを手に取ったときは感極まる。
……って、どんだけ凡人アピールされても名曲製造機としか思えない
異常なペースとセンスなんですけどね。
本日のテーマ:ストーリー以外の楽しみ方
今回のチョイスとして重視したのが、
「ストーリー以外の部分で映画を楽しもう」という点。
自分の好きな展開は一番自分がわかっているので
今年はそうじゃなく、幅広い映画鑑賞をしてみたいなと。
『イニシェリン島の精霊』は、フルスクリーンで映像美を堪能しよう。
『モリコーネ~』は、名曲を映画館の音響で感じよう。
普段はあらすじや予告をチェックして
ストーリーが面白そうだと思ったものを観に行くけど、
ストーリーだけを楽しみたいなら正直映画館じゃなくてもOK。
大迫力のスクリーン、音に包まれる感覚は、
映画館に足を運んでこそ。
この「体験」をするのに、この2作はめちゃくちゃいいチョイス
だったんじゃないかな。
モリコーネでは、一番好きな曲が流れた瞬間に、
自分が大好きな昔の映画の曲を、
まさか映画館で聴けるなんて。
そんな日が来るなんて。
そう思うと、少しウルっと来てしまいました。
今年もいろんな映画観て、心震わせたい。
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