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抽象 #17

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目をわざと抽象的にする。解像度を低くする。
意識してそうしようと思っても中々できることではない。

眠たい朝にぼんやりと霞んだ空を見上げる時、退屈な数学の授業中に動く黒板の白い文字、ラーメンに浮かぶキラキラひかる油たち。

昼間の公園に広がる無数の楽しそうな声とカラフルな影、料理中の回る電子レンジ、揺れる水面。今までのことを挙げるとキリがなくなってしまう。

単純に目が悪いとは異なるこの感覚が昔から好きなのは私だけなのだろうか。ぼんやりと景色を捉えると自分の内面が浮き上がってくる、気がする。特に関わりのないこと。この素の何も飾り毛のないふとしたことを考える瞬間が好きで特別だったりする。

わざと自分の意思でそうするのも違う、というかできない。だからこそその感覚を大切にしたいと思うのです。


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