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美味しかったものと喜怒哀楽

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カフェやパン屋さん、ティーショップ、ドーナツ屋さんなどなど、"何処か"を訪れるとき、必ず小さいドラマがある。思い出のお店を訪れたときの内面を語るマガジン。
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#note

静寂と躍動が同居する場所で、波のゆくさきを見た。

静寂と躍動が同居する場所で、波のゆくさきを見た。

私は、これから何がやりたいんだろう。

10代の頃から熱中していた歌を辞めた。

年齢は26歳。

"若いときには、若いときにしかできないことをやりう”と、インディーズレーベルでCDを作ったりライブで歌ったりしていたが、結局私は最後まで表現者として殻を破れず、中途半端に終わってしまった。

仲間たちが眩しく見える。
メジャーデビューが決まった人、他にない独特の世界観を持っている人、テクニックだけで

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オリーブ塩が香る指定席にて。

オリーブ塩が香る指定席にて。

私がそのパン屋さんの存在を知ったのは、5年ほど前の秋のことだった。

当時密かに憧れてた人が、大学時代を京都で過ごしていたと聞いて、一週間後に京都一人旅を控えていた私は、即座にオススメのお店を聞いた。

そこで名前が出てきたのが、「ル・プチメック」だったのだ。

✱ ✱ ✱

「ル・プチメック」は、烏丸御池駅から歩いて10分くらいのところにあった。

東京とは違い、碁盤の目になっている京都の道。

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