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藝大デザイン科二次試験について。

この記事は10分ほどで読み終わる内容になっています。

持ち物(色彩)

とりあえず要りそうなものを載せていますが、リストに抜けがないとも限らないので、自分の普段通りの持ち物を準備してください。僕は去年水差しを忘れました。

・絵筆
・アクリル絵具
・ペン
・色鉛筆
・ジェッソなど
・ハケ
・紙パレット
・筆洗(2個あるといい)
・鉛筆、シャーペン
・練り消しゴム、プラスチック消しゴム
・直定規(60cm)、三角定規
・コンパス
・カッター
・烏口
・ガラス棒
・絵具皿
・マスキングテープ
・水差し
・ティッシュ
・雑巾(多め)
・ラップ
・スポンジ
・網、歯ブラシ(スパッタリング用)
・フルーツ用のナイフ
・エプロン
・飲み物、昼食
・時計(腕時計、置き時計)
・防寒具(手袋、ヒートテックなど)
・カイロ
・絆創膏
・常備薬、腹痛薬
・コンタクト、眼鏡
・エスキース帳、講評ノート
・ビニール袋(3、4枚)
・ハンカチ
・イヤホン
・財布、現金、交通系ICカード
・身分証明書
・素材(パチンコ玉、目玉クリップ、ガラス玉、ガラス棒、木など)

・アクリル絵具

慣れてるものを使えばいいですが、大量に使用する可能性があるものは多めに買いましょう。また、明日は近くの画材屋で欲しい絵の具が売り切れている可能性もあるので、少し遠くの画材屋まで行く想定もしとくといいかもしれません。

・ペン、色鉛筆、スポンジ、ジェッソなど

表現に使う可能性がある人は持ってくってだけで、普段使わない人は要りません。

・紙パレット

残り数枚しかなければ、新しいのを買ったほうがいいです。

・フルーツ用ナイフ

僕は持っていきませんでしたが、モチーフに果物などが出た時、カッターだと切りにくいこともあるので、持ってる人は選択肢に入れてもいいかもしれません。

・時計

一次試験に引き続き、ないとヤバいやつです。

・ビニール袋(3、4枚)

試験終了後は画材を洗えません。カバンを汚さないよう、ビニール袋に入れてスムーズに持って帰れるようにしときましょう。

・素材

工芸科は二年連続で想定モチーフでしたね。デザ科も十分可能性あるでしょうし、持っておくと多少安心かもしれません。重くなりすぎないように。



持ち物(立体)

・鉛筆、シャーペン
・練り消しゴム、プラスチック消しゴム
・直定規(60cm)
・三角定規(大きいやつ、小さいやつ)
・ステンレス定規
・コンパス
・粘土ヘラ
・霧吹き
・ラップ
・ゴムベラ
・カッター(30°、60°)、デザインカッター
・カッターの替え刃
・ハサミ
・カッティングシート
・スチノリ
・ボンド
・瞬間接着剤(アロンアルファ)
・マスキングテープ
・ウェットティッシュ
・ティッシュ
・フルーツ用のナイフ
・飲み物、昼食
・時計(腕時計、置き時計)
・防寒具(手袋、ヒートテックなど)
・カイロ
・絆創膏
・常備薬、腹痛薬
・エスキース帳、講評ノート
・コンタクト、眼鏡
・ビニール袋
・ハンカチ
・イヤホン
・財布、現金、交通系ICカード
・身分証明書・素材(布、スポンジ、木など)

・粘土ヘラ、霧吹き、ゴムベラ、ラップ

この辺りは高確率で実際には使えません。とはいえ一応持っていくといいと思います。

・カッター、デザインカッター、替え刃

粘土用と紙用で、大型のや小型の、角度が違うのをいくつか持っていくと安心ですね。デザインカッターは一応書きましたが、僕は持ってませんでした。

・マスキングテープ、絆創膏

マステは紙立体の制作に必須ですが、怪我をして、絆創膏がない時の止血にも使えます。紙立体は絶対に血で作品を汚せないですからね……。



立体構成は、粘土、紙の両方の場合を想定しておく必要があります。

今年の工芸科の立体構成も粘土とケント紙両方を扱う課題でしたし、そういうケースもあるでしょう。

紙立体の試験は僕も受けたことがないですし、最後に出たのも7年前なので、正確な情報を知ってる人は少ないでしょう。どんな道具を使えるかも、はっきりとしたところは定かじゃありません。

なのであらゆる事態を想定して、実際には使えない道具も含めて、粘土用の道具も紙用の道具も、一応全部持ってくのが無難かなと思います。



色彩・立体共通の情報

当日の流れや注意事項を書きます。しかしこれらは去年までの話で、今年いきなり色々変わる可能性も普通にあります。その可能性を念頭に置いて読んでください。


時間

集合時間は8:20です。その時間から試験室に入れるはずなので、ちょっと早めに行って待機して、すぐ入れるようにしたほうがいいでしょう。
試験時間は9:00~15:00です。基本的なことですが、だからこそ誤認しやすいです。ちゃんと確認しましょう。


会場

会場は総合工房棟という建物で、構成デッサンの会場と同じです。
2F~3Fくらいなのでそんなに階段を上りはしませんが、やはりエレベーターは使えません。

受験番号順で部屋が分かれます。数十人が一部屋に入るため、多くの人の作品を試験中に見渡すこともできます。

動物園が近いので、試験中にたまに窓の方から猿の甲高い鳴き声が聞こえることがあります。気にせずやりましょう。

一次試験同様、会場に入るとしばらくトイレには行けません。


ちょっと遠くて分かりづらいですが、実際に試験で使う机はこれです。普段予備校で使う机より、縦幅が広く、横幅が狭いです。椅子はもっとしょぼい、丸くて回るやつです。
写真は部屋の手前のライトがついてないですが、実際はもっとずっと明るいです。また実際の試験室の一つはこの部屋です。写真はゴチャゴチャしてますが、当日はもちろん整頓されています。机の間隔もこれくらいか、もうちょっと離れてるくらいです。

色彩と立体は、同じ席で受けることになります。ですが色彩が終わったあと席に荷物を置いておくことはできません。



それぞれの机の上はこんな感じです。抜けがあるかもしれません。

ちょっと記憶が定かでないですが、エスキースのための草案用紙が10枚ほどと、課題文も最初から置いてあった気がします。後から配られたかも……? 
どちらにせよ、試験開始までには机の上に置かれて、開始直後にめくれるようになっています。課題文の紙は厚いので、透かして見ることはできません。

あと粘土ヘラも最初から置かれていますね。

スマホは封筒に入れますが、画鋲で留めはせず、机の右上に置くことになります。

机上のスペースを広く確保するために、絵の具などの画材は足元に置くといいと思います。
僕はキャリーバッグで行ったのですが、キャリーバッグ自体は後ろの荷物置きに置くよう指示された気がします。

試験中は自由に荷物置き場と行き来できます。


課題文

何度も読んで確認しましょう。開始直後だけじゃなく、制作中も何回か読み返した方がいいです。課題違反はマジで他人事じゃないので。

また、課題文によっては解釈の仕方が非常に難しい場合があります。何年か前の立体構成で、モチーフ現物を作品に組み込むのかそうじゃないのかが曖昧な課題文が出され、結構な人が課題違反で落ちたというケースもあります。

自分が何か間違えていないか定期的にあたりを見渡して確認した方がいいですね。ただ、部屋のほとんどの人が間違えている場合もあります。恣意的な判断をせず、何度も課題文を読んで、論理的に判断してください。

試験中、周りの作品を見たい場合

試験中に他の人がどんなのを作ってるか気になることもあるでしょう。ただ、あまりにも堂々と歩きながら見ていると試験官に注意されやすいです。去年も何人か注意されていました。

なので、荷物置き場に荷物を取りに行ったり、トイレへの行き帰りにさりげなく見て回るくらいがいいかもしれませんね。自分の席から周りを見渡す分には問題ないです。





色彩構成

モチーフについて

モチーフは、あらかじめ机の上に置かれているものと、試験開始直後に配られるものがあります。
去年では小松菜のみ後から配られ、おこし金、菜箸はあらかじめ置かれていました。

僕は気づきませんでしたが、去年の試験会場には受験生が使う机と別に長机があって、その下にダンボールがあったようです。であれば、そこに後から配られるモチーフが入っていると察しをつけることもできるかもしれません。

去年の小松菜は、あっという間にしなしなになりました。暖房が強く当たる席はよりそうなりやすいでしょう。劣化しやすそうなモチーフは早めに描いてあげるといいかもしれません。
魚がだんだん茶色くなってきたりとか、アネモネが開き切ってしまったりとか。


道具の縛り

色彩は、道具の縛りはかなり緩いです。基本的に自分の好きな道具を勝手に使えという感じです。

ただスパッタリングは、机の上でやると他の受験生に迷惑がかかる可能性があるので、床でやるよう試験官に指示される場合があります。一昨年、僕の隣の人が注意されてました。飛散する画材はそういう注意を受ける可能性があります。


水について

筆洗に入れる水は試験官に組んでもらうことになります。汚れた水は廃液入れに入れるし、綺麗な水で洗ってもくれるので、汚れた水をもらうことはないはずです。

試験開始直後は水汲みの列が発生します。真っ先に行くか、ちょっと待ってから行くほうがいいですね。
その際、筆洗が二個あれば、後で水を組み直す手間が少なくなります。一分一秒が惜しくなる局面もあるでしょうから、筆洗は多めがおすすめです。僕は三個持っていきました。


提出方法

裏面には受験番号の書かれたシールが貼られています。なので制作中、いま描いてるのがあまりにヤバいから裏に新しく描き直そう、といったことはできません。




立体構成

モチーフについて

課題が粘土であれば、机に粘土と粘土ヘラなどの用具が置かれています。紙であれば、紙が置かれているのでしょう。つまり粘土か紙かは、試験室に入ってすぐ分かります。

僕は本番でモチーフありの立体構成をしたことがないのですが、モチーフの配布方法は恐らく色彩とほぼ同じでしょう。基本的には最初から置いてあるけど、後から配られる可能性もある、ということだと思います。


道具の縛り

立体は、色彩に比べて使用できる道具の制限がかなり厳しいです。粘土ヘラも、与えられたものしか使えません。与えられるヘラはこれです。

このヘラを自分が使いやすいように研いだものを持ち込み、試験官の目を盗んで交換して使っていた、という人もいます。


霧吹きやラップ、自分の雑巾は使えません。三角定規は使えますが、ゴムベラやカードは使えません。

僕は去年、霧吹きやラップ、自分の雑巾など、使ってはいけないものも全て机の横に置いていました。それらが使えないことは事前に知ってはいましたが、今年からルールが変わる可能性もゼロではないし、注意されたらその時素直に荷物置き場に戻せば良いと思ったからです。

ただ、それらの違反用具をいっぺんに注意してくれればいいものを、一回ずつひとつの道具を注意するものだから、計四回くらい荷物置き場にしまうように指示されました。
その都度自分の席から荷物置き場に歩かないといけないし、しかも僕の席は一番前で、荷物置き場は一番後ろだから、毎回他の受験生たちの横を通るのです。さすがに少し動揺しました。

なので人それぞれではありますが、最初から違反用具はあんまり置かないほうがいいかもしれませんね。使う場合は、徹底的に目を盗んでやりましょう。まあ、そこまでして使う価値のある道具はそんなにない気もしますが……。

ちなみにその注意は、全て試験開始前にされたので、それにより制作時間が短くなったりはしてないです。


水について


机の上にはあらかじめ乾いた雑巾が一枚置かれています。ただしこの雑巾は、最後まで乾いたまま使うようにと指示されます。(意図が分からない)

試験中に、濡れた雑巾を2枚受け取ることができます。部屋に二人ほどいる試験官に話しかけるとその場で絞って渡してくれます。その際、試験官にもよりますが、どのくらいの絞り具合にするか注文できる可能性が高いです。固く絞ったり、水たっぷりにしたり。向こうから聞いてくれる試験官もいますが、こちらから先に指定する方が無難でしょう。

また、試験開始直後は雑巾を受け取るための列ができることもあるので、真っ先に取りに行くか、ちょっと時間が経ってから取りに行くかしたほうがいいです。

たっぷり濡らした雑巾の水分を例の濡らしちゃいけない雑巾に与えることもできます。その際は、え何もしてませんけど? みたいな顔をしときましょう。


一度受け取った雑巾は、再度濡らしてもらうことはできません。
ですが、雑巾をポケットや服の中に忍ばせて、トイレで水分を与えることはできます。

新聞紙も支給されてはいますが、僕は使いませんでした。使い方もよく分かりませんし、使用してた人ほぼ知らないので、普段使わない人は使わなくて良いでしょう。

立体の支え

去年、少し宙に伸びた立体を成形していて、乾燥するまでその部分が曲がらないようティッシュボックスで支えていたのですが、その使い方はダメだと言われました。ティッシュ自体の使用はいいそうです。

提出方法

提出はこういう感じです。シールは側面に貼るので、粘土板全面を埋める作品を作っても問題ありません。


試験終了のベルが鳴ったら、当然ですが作品にはもう触れません。粘土板は余裕を持って綺麗にしましょう。
極端な話、目の前で作品が壊れても、終了してはもう何もできません。そうならないよう、リスクヘッジは万全にしましょう。ただ提出後に壊れても受かった人はいます。


紙立体

紙立体については、体験してないので具体的なことが言えませんね……。どんな道具が使えて、どれはダメなのか。一応全部出して、注意されたら戻すようにすればいいと思います。

確かGクリヤーが与えられると聞いたことがあります。なのでその他のノリなどは使えないかもしれません。

ただ、残り時間が少ないけど、どうしても固定しなきゃいけないという時。そういう時は、苦肉の策ですが、試験官の目を盗んでさっと瞬間接着剤を使うなどしてもいいでしょう。なりふり構っていられません。なんならバレても以後使わなければいいだけで、その時は貼ってしまったもん勝ちです。






二次試験の恐ろしさ

二次試験には魔物がいます。デッサンにもいますが、二次試験にはもっといるな、と感じます。

二次試験を楽しくやれたことが僕はないです。二浪と三浪で二回受けてますが、どちらの色彩も立体も、本当に苦しかった。デッサンは、あんなに楽しく描けたのに。

脅すわけじゃないですが、そういうことが起こりうるのが本番の二次試験だと思います。



一日目と二日目の間の時間

この時間はしんどいと思います。色彩の手応えが良くない人は、絶望的な気分かもしれません。僕もそうでした。

ですが、色彩の手応えが悪くても最終合格してる人というのは、思った以上に多くいます。手応え悪かったと思ったらAだった人もいるし、Dだったけど他の二つでカバーして受かった、なんてケースはごくごく普通です。

なので、精神的な話というよりも、理屈で考えて、色彩の後に絶望する必要はないということです。



立体の最中

立体に関して言えば、粘土で作ってる最中、やっぱ今作ってるのを壊して作り直そうか、と考えることがあるかもしれません。実際に本番でそうしてる人結構見たことあります。僕も、今まで一日課題で制作中に作り直したことなど一度もなかったですが、本番の最中そう考えました。

「今のままじゃ勝てる気がしないし、ここでやらなければ一生後悔する」
そんなふうに考えました。

けど、ここで作り直したら結局完成度が上がりきらないまま終わる可能性が高い、と考えそのまま進めました。


この二択には正解がないです。作り直すのとそのまま行くの、どっちが正しいかは分かりません。ただ少なくとも、作り直したら当然その分他の人よりこだわる時間が短くなる。言うまでもなく、それはかなりのリスクです。

実際そうなってみないと判断はできませんが、本番そうなる可能性があると想定し、冷静な判断ができるようにしましょう。




制作中、絶望が来た時

何より大切なことですが、絶対諦めないでください。

恐ろしいことですが、人は、本番でも諦めます。つくってる作品がどうしようもなくひどいと、「早く終わってくれ」と冷や汗を流しながら絶望したりします。

そして、「まあ私大に行って頑張ればいいしな」「人生長いし、もう一浪したっていいよな」なんて考え始めたりもします。絶望の先の諦念です。

もちろん、そんな瞬間は来ないかもしれません。実際順調に制作して受かる人もいます。楽しんで描けるに越したことはありません。



けど、もしその瞬間が訪れたら。

とにかく、一旦手を止めましょう。そして離れて確認しましょう。
離れると自分の作品の惨状をより客観的に見ることになるからしんどいですよね。色彩だと画面を机に立てかけたりするだろうし、そうなると周りの人にも見られるから、それも辛いですよね。「あの人普段は上手いのに、今日はダメだな」なんて思われるかもしれません。

それでも離れましょう。他人は関係ない。
そして一旦深呼吸しましょう。4秒かけて吸い、8秒かけて吐きましょう。トイレに行くのもいいかもしれません。そして、目の前の作品を少しでも良くするために何をすればいいか考えましょう。

ヤバい時こそ、丁寧に仕事をする必要があります。仕事を焦ると、焦っている自分の手を見て更に焦ります。仕事を丁寧に行えば、それを見て少しずつ落ち着いてきたりします。




一日目色彩構成、僕は泣きながら描いてました。何度もトイレに行って呻いてました。

二日目立体構成、終了一分前に立体が折れました。大急ぎで補強して、表面がかなり荒れました。提出後にまた折れたかもしれません。

そして二日目の帰り道、泣きながら母に電話して謝りました。発表までの数日間、死んだように過ごしていました。

それでも受かりました。試験は何が起こるか分かりません。あなたの絶望は、客観的に見れば大したことないかもしれません。必ず、最後までやり切って。




最後に

怖いのはみんな当たり前です。怖がっている自分を、当たり前のものとして受け入れることが大切だと思います。そいつは敵じゃないから。何度も自分を助けてきた、大切な相棒だから。

試験に向かうあなたの背中は、世界の誰より格好いいです。大丈夫。自分を大好きになって行ってらっしゃい。





       

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