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10月の大親友と再会した日

2023年10月13日、金曜日。

シャワーも浴びずに寝てしまった夜、絶妙にイラつく夢をみる。

大学1年生の夏だけ仲が良かった友人と、何年かぶりに電話で話している。私は自宅の洗面所で、右足を洗面台に上げている。
長電話をしていると、気が付くと友人はうちにいた。「来ていたんだ」となぜか納得し、夜まで話し込む。
夜遅くなって、私は急に「うちに泊まらないでほしんだけど…近くのホテル空いてるか聞いてあげようか」と伝える。
友人は「ベッドじゃなくて、布団じゃないと寝られないんだよね」と、この期に及んで信じがたいわがままを言う。私は、知らねーよ、とつぶやく。
そうこうしているうちに友人は、調布の方までタクシーで帰るから、と言って、120万のタクシー代を請求してきた。玄関で大声で引き留めたが、友人は私のクレジットカードを持って出て行ってしまった。
私は目覚めた。
あの友人は今頃なにをしているんだろうか。

シャワーを浴びる。
昨日インスタで見た、シャンプーを髪の毛で泡立ててから頭皮を洗う、というやり方を実践してみたら、少しの量で泡が立った。正しい情報だった。

8時からNHKの朝ドラ「ブギウギ」を見る。これは日課。
主人公のスズ子がデビューする回だった。雫の役。
普段忙しくてあまり見れていない母も、今日はテレビの前で涙目になっていた。こどもの成長系にはめっぽう弱いらしい。
そして子ども時代の俳優・澤井梨丘さんから、趣里さんに。
私の父は毎日一緒に見ているのに、趣里さんに代わったことに気が付いていなかった。たしかにすごくよく似ている。

母が朝ごはんに、おにぎりとお味噌汁を作ってくれた。
しかも味噌汁は顆粒だしではなく、だしパックから。
母が前に言っていた「作らなきゃ、ではなく、作ってあげようかな、という余裕があるかないか」という言葉を思い出す。
タイミングが合って、普段は滅多にないが、家族揃って朝ごはんを食べることになった。まるで朝ドラみたいだ。
夜ごはんに関しては、家にいれば大抵家族でそろって食べる習慣があるが、朝は難しい。いつぶりかの朝の食卓は、秋晴れのようだった。

出勤中はロッド・スチュワートを聴き、ステップを踏みながら歩いた。

今日は上司が休みで、何もすることがなかった。
午前中は数件メールをした以外、BRUTUSのウェブ記事などを見ていた。

先輩に「お昼、散歩とかしてきていいからね」と言われたので、会社の裏にある公園に出掛けた。
前に一度行ったことがあったが、その時は夜だったので入口近くのベンチと滑り台、トイレの建物しか見ていなかった。

今日はとんでもなくいい天気だ。長袖Tシャツくんも、こんなに自分にピッタリな季節はないと喜んでいる。
公園に一歩踏み入れると、金木犀の甘い香り。今年はまだ咲いていないと思っていたが、必死に上空を見上げていると、金木犀の蕾さんと目があった。今年初だ。
「はぁ、久しぶりだね。」と声をかけた。
君と再会する日を心待ちにしていたよ。

公園は奥まで行くと大きな池があった。カルガモが優雅に浮かんでいる。
池の前のベンチに座り、イヤホンでは小さい音でショパンを流し、金木犀の香りに包まれながら、読み途中の「ねじまき鳥クロニクル」を読む。
ショパンは別にいつも聴いているわけではないが、公園の音と本にも意識を向けたかったのでこれにした。
揺れる木漏れ日の中で、戦時中の満州の動物園で動物たちが次々と射殺されるシーンを思い浮かべる。全くもってそぐわない。

隣のベンチには、本を読むわけでもなく、一心に池を眺めるお婆さまがいた。1ミリも動いていなかった。もしかしたら彼女の頭の中でも、満州の動物園で射殺を免れた象が水浴びをしているかもしれないし、していないかもしれない。

夢中になっていたら1時間もたっていた。心の中でお婆さまに別れを告げ、急いで会社に戻る。
午後は会社の掃除をしたり、棚の中の片付けをしたり、メールを何通か返したりした。
定時であがって家に帰る。

帰宅してこれを書いている。
ただの10月13日がこんなに記憶に残る一日になるとは。
なんとなく、今日を日記にしてみようと思った今朝の自分と握手したい。

明日の夢は誰と会えるかな〜。

ものすごく近くにとまった烏の鼻息が荒かった

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