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自分自身のアーカイブ

引越し作業でパソコンが手元にないため今日はスマホから日記を打っている。

明日から産休。今日で仕事はいったん終わりだった。
いつも帰り道に寄るスーパー。毎日と言っていいほど通って、店員さんの顔も覚えて、それぞれがどんな対応をするかも分かっているのに、もう立ち寄ることはない。最後の買い物を終えて手渡されたレシートには、次の火曜に使うとお肉が2割引になるクーポンがくっついていた。レシートの内容を家計簿に入力してこれを切り取って財布にしまうのが習慣だった。でも今日は家計簿に入力した後、クーポンごとレシートを捨てた。

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以上は9月28日に書いた日記。それから3週間もの時が経ってしまった。今はアジカンとテナーとエルレのスリーマンどうだったんだろうと考えながら、3組ごちゃまぜのプレイリストを聴いている。君という花が流れている。

産休に入ればたくさん本を読んで小説を書くんだと思っていた。けれど自分が今持っている本や衣類や雑貨類をすべて広げて、いるものいらないものにわけたり、それを売ったり処分したり、各所の住所変更をしたり(これを機に名義変更すらしていなかった通帳も更新した)、4月から停止していた全財産のスプレッドシートを更新したり。そういう、しないといけないけれど、今すぐどうにかなるわけじゃないから先送りにしていたことをしていたら、3週間も経ってしまった。

あとは明日服を売りにいけば、そういうことはほぼ終わる。図らずも子どもが生まれる前に自分の人生をアーカイブすることになったなと、十一年書き続けてきた日記を本棚に並べながら思った。テレビや雑誌で終活特集を目にするたび、急に死んだら困るなと思っていたけれど、通帳の名義も更新したし死んだら捨ててほしい日記類はひとところにまとめたし、もう大丈夫だという感じ。フェイスブックの追悼アカウント管理人も同居人に設定した。

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しばらく京都にも行けなくなるだろうと思ったので、所用のついでに京都の好きなところ、行きたかったところへ行ってきた。昨日。

市川屋珈琲
いつも飲みものだけだったけれど、念願のフルーツサンドを。五条という好きな土地の色が滲む、お気に入りの珈琲店。

八坂神社
ご縁のある神社。

ソワレ
ソワレと恵文社は京都に住む前からずっと行きたかった場所。両者とも健在で嬉しい。ソワレは住んでから何回か行った。ここに来るたび、喫茶店は総合芸術だと感じる。

紫野源水
有平糖を求めて。おみやげで桜をいただいたことはあるのだけれど、訪れるのは初めて。今は色づいた秋の木の葉だった。綺麗で食べるのがもったいない。とかいってたら前のは溶かしてしまったので、ひかりに透かしたら食べようと思う。

あいばカレー
昼から夜まで途切れることなく美味しい定食を提供してくれる大好きなお店。ありがたい、とこの日も午後4時ごろに定食を食べながら思う。お土産に冷凍カレーを買って帰る。

他にも、思い出深い場所を巡った。行けなかったところもあった。思ったのは、京都はもちろん好きなんだけどそれ以上に京都に積もった思い出が好きなんだということ。だから私は小説を書いてるんだなということだった。

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子どもはもういつ生まれてきても大丈夫だと、今日の健診で言われた。明日からは家の周辺でゆっくり過ごそうと思う。やっと理想の休日だ。

以下は創作日記です。


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