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歌舞伎の『お家』について

歌舞伎役者のお家の制度や違いについて解説!

こんにちは、永井です。

前回の投稿でも書いたとおり、私は幼いころから様々な伝統文化を体験させていただきました。また、私の母、弟も日本舞踊長唄を習っており、幼いころから私と弟は歌舞伎のビデオを見たり、本を読んだり、実際に舞台を見にいくことが大好きな兄弟でした。

しかし、2人とも成長するにつれて歌舞伎座に家族で行くことが少なくなってしまい、物心ついてから歌舞伎の専門的な知識を習得する、という機会がありませんでした。

そこで今回は私が最も気になってはいたが聞けなかった「歌舞伎の家の仕組み」について皆さんにご紹介していきたいと思います。


まず、歌舞伎は決まった家系の男性のみ歌舞伎役者として舞台に立つことができます。

その家系ではないがいま歌舞伎役者としてご活躍されている方は、研修所に通っていてた、もしくは部屋子(部屋弟子)役者としての養子になった方々です。

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この歌舞伎役者のお家も種類があり、その数約30程度とも言われています。それらの家にはそれぞれ違う屋号(看板のようなもの)があります。この家の中にももちろん格というものがあり、それはその家がどれくらい古くから歌舞伎を続けてきたかで高さが決まります。ちなみに最も古いのが

市川團十郎家の「成田屋」

です。この市川團十郎家とは、

代々で市川團十郎の名を継ぐ家系であり、歌舞伎界の宗家と呼ばれています。江戸時代にお客を集め、そのお客に喜ばれるような芸を見せるというスタイルを最初に始めたと言われています。

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そしてそこに続くのは

尾上菊五郎家の「音羽屋」

松本幸四郎家の「高麗屋」

中村勘三郎家の「中村屋」

中村勘右衛門家の「成駒屋」

などです。

この格がどのように作用するかというと、例えば

・「歌舞伎十八番」という有名な曲目たちを市川家以外の家が演じるには市川宗家の許可を得なければならない。

・代々主役級を演じる家系と、脇役を演じる家系に分かれいて、主役級の役柄を演じられるのは、格の高い家柄の役者だけである

・格の高い家に生まれた男の子は、幼いころから舞台に立って経験を積み、若いうちに大きな役を与えられることもある。特に伝統ある歌舞伎座で主役を務められるのは、基本的にはごく限られた家の役者だけである。

・暗黙の了解で格の高い方が最上の楽屋を使う

・出演料

などです。これだけ見れば、

どこか不平等だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、踊りという芸術自体に格をつけることはできないそう、、そう考えると納得です。。

しかし最近は、家の格に関わらず活躍されている方も増えてきているようです。テレビ出演やエンターテイメント性ファンの多さなどの人気によって出演できる公演や大きさが変わってきているそうです。その一番の例が市川猿之助さんです。よりファンを満足させることに主眼をおいた変化が起こっていくかもしれません。

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また、いまはスーパー歌舞伎など新しい分野も登場し始めており、歌舞伎の魅力も広がっているように感じます。

一つのコラムでは伝えきれない歌舞伎の魅力をこれからも一つずつ発信していこうと思います!

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