【詩】 煙と風と午前三時
開けた窓から手を伸ばす
車内にゆるりと漂っていた煙は
友を見つけた子供のように
一緒に外へ流れて消えた、午前三時
ため息をついたらわたしからも同じ煙が吐き出されて
またひとり、友が去っていった
午前三時の風は気分屋で
今日は機嫌がいいようだ
心地いいくらいの温度だし
靄の帳を下ろしてくれた
窓越しに見えるは遠い電灯
これからわたしは遠い国へ行くのね、と
少し気取ってみたりする
ちっとも遠い国なんてことはないのだけれど
煙と風と午前三時に
妄想を少しだけトッピング
今だけは全部わたしのもの
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