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定期が切れたから

下書きに入れたまま時間が過ぎ去っていた…
ちょっと前にあったお話です。

在宅勤務前夜の過ごし方

これは一昨日、翌日に在宅勤務を控えた夕方のこと。
東京はいつの間にか肌寒くなっており、ちらほらコートをきて通勤する人を見かける。

私は気分が落ち着くので朝より夜の方が好きなのだが、東京の朝は例外だ。毎朝大手町駅から会社までの道はサラリーマンで溢れかえっている。みんなズンズンと、ある者は熱意のこもった歩みで、またある者は気怠そうに一歩ずつ歩みを進める。どんな気持ちでさえ「さぁ今日も1日が始まった」と皆が思って会社へと向かう。その様子が戦士のような感じがして、謎の一体感があるように感じて好きなのだ。
実際に戦争へと向かう戦士にはなりたくないが、朝の大手町の異常さは「あぁ私も社会人になったんだ………!」とハッとさせる力を持っていると思う。毎日新鮮な気持ちで同じく私も会社へと向かうのだ。

永遠に朝が来ないような夜

東京の通勤風景はちょっと好きである。しかし、どっと疲れも出る。
そんな中、私は週に1〜2回在宅勤務がある。とても有難い。

社会人になってから私の生活リズムは整いすぎている。寝坊するのが怖いため毎朝同じ時間に起きる。そのために早く寝る。
休日は1日の長さをより長く感じたいがために、早く目が覚めたらその時から活動している。活動する分疲れて早く寝る。平日より早く起きることもあるし、二度寝を試みても寝れない日だってある。

しかし、在宅勤務の前夜は別だ。永遠に朝が来ないように思える。
夜が長いというのは最高だ。今ならなんでも出来そうな気がする。

入社して半年、定期が切れた

一昨日は17時半に退社し、最近買ったフィルムカメラのフィルムを買いに家電量販店に向かった。お目当てのフィルムはなく、いつもの電車に乗って帰るかと帰路につこうとした時、思い出した。

あ、今定期切れているんだった。

入社と同時に6ヶ月分の定期を買った。
買った頃は10月ってどんな風になっているのだろう。私は元気に働いているのだろうか、社会人生活に飽き飽きしているのだろうか。とにかくずっと先のように感じていたのに、、、もう10月になってた。早すぎる。

ん?待てよ。
定期が切れているということは、いつもの路線じゃなくても損ではないということか…………なんだ、どこにでも行けるじゃん!!!

咄嗟にそう思った。
永遠に朝が来ないような夜に、東京の街を徘徊した。

あとがき

国会議事堂に行きたくなった。
日比谷公園スタートで国会議事堂まで歩いた。案外近くまで行けた。厳かな空気が流れておりかっこよかった。

とりあえず家のある方向に歩いてみる。
1時間半ほど歩いていると、青の案内標識に私が住んでいる地域の名前が書いてあった。
正直もうそろそろ電車に乗ろうかと思っていたタイミング。しかし、地名を見たら行けそうというより、最後まで行きたいという気持ちが大きくなって歩いて家まで帰った。

家に着いて、悲劇が起きた。
会社に社用iPhoneを忘れた事に気づいたのだ。在宅勤務の必需品……。
仕方なく電車に乗って会社まで戻った。

とても長い夜だった。

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