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精神安定パンをもとめて

つかれた。

精神安定パンが食べたい。

チョコチップ入りの、スティック状の、あまいパン。

いつの間にやら“片親パン”なとという強烈なネットスラングで呼称されていたあのパンが、昨年放送のドラマ『いちばんすきな花』の劇中では“精神安定パン”というやさしい呼び名に上書き命名されていた。グッジョブ、夜々ちゃん。

ああ、精神安定パン、たしかに。なるほどね!
そう膝を打ったあの日から度々無性に食べたい、精神安定パン。
今や菓子パンなんて滅多に食べないのに。
思い返せばやはり、小腹満たし食の原点にして頂点。それが精神安定パン。

仕事帰りに買って帰ろうかな〜と思ったけれど、熟考の末下した決断は『保留』。別名『我慢』。
今年はよっぽどでない限り、お菓子は買って食べないと決めているのだ。
数多のコンビニやスーパーをスルーしまっすぐ帰宅。えらい。

だって、ドラマのすてきな4人組は一袋を4人で分け合っていたけれど、わたしは魔が差せばいつでも独り占めできてしまう。
いくら家庭に優しい高コスパアイテムだとしても、一人暮らしのアラサーに全く優しくないのがそのカロリー、アンバランスな食品栄養価なのである。


帰宅後はルーティンのプロテインを飲みながら、今日も今日とて自炊に勤しむ。本日の夕飯はたっぷりお野菜&オートミールの栄養満点とり雑炊。
食後、やっぱり甘いものが欲しくなって、ホットはちみつレモンにすりたての生姜を入れて一息。

あぁ、暖まった。


極寒。外は雨。結構な雨。
部屋着でいっか、とその上からおもむろにダウンをはおり、スマホを持って外に出る。傘をさしながら向かうは近所のドラッグストア。
家からすぐのコンビニにプライベートブランドのものがあるけど、なんかあれ違うんだよな。(個人の感想)
パ⚫コじゃないんだよ、やはりヤマ⚫キ。子どもの頃からチョコチップ配合率の個体差を吟味して選び食べていた、ヤ⚫ザキ。


そんなわけで、はい。
買ってきました、チョコチップスナック。
帰宅後は輪をかけて出不精になるわたしを外に駆り出す引力、とてつもない。とてつもないパン。

今日の私には甘いおやつが必要だ、と開き直り、あたたかいお茶を淹れて、いただきます。
一口食べてひろがる安心。お行儀悪いけど、大人になってもリスみたいに前歯でチビチビ食べるのが好きなんだよな。
袋を開けたら最後。1本、また1本と手が伸びる。それが精神安定パン。


一般家庭に生まれ、かつてこどもだったわたしたち庶民の共通認識、『なんか家にあったらほっとするちょうどいいやつ』。
これからもずっと、謎の安心と心の栄養を与えてくださいませ。

ごちそうさまでした。
一袋完食、悔い無し。

最高のエンディングテーマで、おしまい。

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