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眠れぬ夜の恋の話


きみの過去をぜんぶ知りたくて昔のコンサートの映像、ドキュメンタリー、歩んできた道をどれだけ辿ってみようとも、なんだかどこか虚無感がある。
結局はその時代を共に乗り越えてきたひとにしか感じられない気持ちがあるだろうし、記録として残されているものはほんの一部で、これ以上の苦しみや悲しみがあったと思うと、ぜんぶ知った気になって「きみの過去もすべてすき」だなんて簡単に言えないのではないか。直接体感した訳ではないし、その場の空気も言葉もすべて知ることもできないから。

けどタイムマシーンはこの世にはないしそんなこと考えてもどうしようもない。仮に古参と言われるくらい私が何年も前からきみを熱心に応援できていたらどうだったのだろうか。数年前の私はきみのことを見つけられていたのかな。何かが違っていたら、今とは違ったペンライトの色できみのことを照らせていた過去もあったのかもしれない。

勿論ファンになるには早い方がいいのかもしれないけど、出逢うタイミングって人それぞれだよなあと思う。落ち込んだ時にテレビつけたらたまたま目に入って一目ぼれした、とか。友達の影響で気づいたら好きになってた、とか。好きのきっかけは様々で、今の自分の人生に必要な人だったから出逢えた。欠けている何かを補うためにきみが現れた。
あの頃の私じゃなくて、今の私じゃなければもしかしたら好きになれなかったかもしれない。
わたしはそう思ってる。無駄にロマンティック思考。
夢見がちな女なので都合よく考える。

でもまあ、いまわたしの目の前に居るのは過去のきみじゃなくて、いまこの時間を同じ世界で生きている尊いきみなのだ。もうそれだけで充分ではないか。いまリアルタイムできみのことが好きなんだから。こんなしあわせなことはないだろう。勿論きみの過去もすべて愛してる。けれど必要以上に過去を思って嘆くより、いまを生きるきみをもっと目に焼き付けよう。これからきみがくれるたくさんの宝物を1つ残らずすべて自分のものにしてみせよう。

あ~~~~好きになれて良かった~~~~
今日もひとつ。またひとつ。きみがくれるものをわたしの人生にも刻んで。


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