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牛乳プリンと誕生日。

3月25日。3+2=5。
好きな数字と言ったら、
3か2か5。
はじめて作ったGoogleアカウントのパスワードは
名前 + 325
同じように設定した事のある人は、
自分の他にも何人も居るだろう。

学生の頃、誕生日と言えば、
いつも春休みだった。
お祝いの言葉はいつもメッセージ。
直接おめでとうって言われた記憶はあまり無い。
学校のある日に誕生日を迎える友達が、
少し羨ましかったのを覚えている。
学校に着いたら机の上にたくさんのお菓子。
憧れないわけが無い。
そんな羨望を隠すように過ごした友達の誕生日。
学校に向かう途中のコンビニで買ったお菓子を
その日の主役の机に置いていた。

高校1年生最後の通学日。
このクラスで過ごす最後の日。
多分自分の誕生日の2週間くらい前だったと思う。
仲が良い友達との別れを惜しみ、
苦手な友達との別れを期待する朝だった。
いつものようにおはよーって
言いながら教室に入る。
もう寝てるやつ。
カーテンにくるまってるやつ。
パン食べてるやつ。
勉強してるやつ。
意外と鮮明に覚えている。

教室に入るとほぼ同時に
「おおおおおい今日で最後だな!」
うるせえ奴に絡まれた。
来年度も同じクラスになるかもしれないのに、
最後だって言って矢継早に話してきた。
笑いながら中身のない話をする。
数秒経ったら忘れる会話。
数年後に思い出してる会話。
当時は、なんとも思っていなかったけれど
もしかしたらあの騒がしさが、
心地よかったのかもしれない。

ガヤガヤが落ち着いてから
自分の席に向かった。
席についてリュックを机に置いた瞬間、
横から話しかけられた。
「うちこれ好きなんだよね」
と言われ渡された牛乳プリン。
いきなり。
「誕生日もらったからね」
って唐突に。

確かにあげた牛乳プリン。
夏休み中に誕生日があることを知って、
夏休み前にあげた牛乳プリン。
チョコあんまり好きじゃないって聞いて
たどり着いた謎チョイス牛乳プリン。
あげたら返ってきた牛乳プリン。

結局この子には高校生活で3回牛乳プリンをあげた。
結局この子から高校生活で3回牛乳プリンを貰った。
高校を卒業して全く会うことはなくなったけれど、
互いの誕生日。1年に2回。
おめでとうのメッセージだけは送りあっている。
どちらかが送らなかったらこのメッセージだけの関係は
無くなってしまうかもしれない。

今でも誕生日には牛乳プリンを食べたくなる。

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