見出し画像

BENOIT NIHANT-ブノワ・ニアン Domaine3-

 味覚を育てたくて、主にタブレットを食べてきましたが、そろそろボンボンショコラの味わいにも挑戦したいとおもっています。ずいぶん悩んだ末、タブレットにも興味のあるこちらのメーカーを選んでみました。ベルギーのショコラティエ「ブノワ・ニアン」です。

 製鉄メーカーのエンジニアだったという経歴をもつブノワ氏のつくるチョコレート。製鉄と聞いてイメージが浮かんだのは、たたらという製鉄法とそれを伝える奥出雲という土地でした。純度の高い「玉鋼」、それを生み出す炎や技法に何か畏れ多いものを感じています。製鉄からそんなことをおもいながら(エンジニアというのでちょっとイメージ違いかもしれませんが)わくわくしながら箱を開けました。

 Domaine3(ドメーヌ3)。大箱と悩みつつ、基本の詰まった小箱を選びました。右下が「ラジェド ド オウロ」その隣の「バニユ」、可愛らしいハート形は「ピンク コネクション」です。

画像1

Lajedo do Ouro-ラジェド ド オウロ ブラジル、バイーア州にある単一農園の白色「カタンゴ種」のカカオ豆を使用した1粒。ざくっとしたガナッシュからはバターのようにこっくりした香りがします。食べてみると、チーズの野性味のあるフレーバー。中盤にハッとするようなスパイシーさが一瞬現れ、ベリーやバナナの酸味に落ち着いていきます。どこかマドレーヌのような濃厚さも感じます。

画像2

Vanille-バニユ 滑らかなガナッシュはバニラの香り。味わいは熟れたバナナっぽさと柔らかい苦み、ミルクたっぷりのキャラメルやホワイトチョコレート。そのミルキーさはしつこくなく、後味はすっきりとした甘みです。

画像3

Pink Connectior-ピンク コネクション コーティングを割るとココナツの香りがあふれ出ます。フィリングに使われているのはローストしたアーモンドとココナツ。力強い香ばしさを放つアーモンドは、しっかりしたローストなのに焦げ臭は皆無です。ナッツのざくざくと、ココナツのしゃきしゃきが心地よくお互いをひきたてます。

画像4

 ちいさなひと粒にぎゅっと込められたそのおいしさを味わって表現することに、まだ緊張感がはしります。小箱にしておいてよかった。経験を積んでいきたいとおもいます。


サポートを頂戴しましたら、チョコレートか機材か旅の資金にさせていただきます。