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地味なこと全般

 鍵盤をたたいて指慣らしをしているさいちゅうに、ふとそこに置いてある小物が目についた。まんじゅうくらいの大きさの、ビーズの詰まったやわらかい物体である。その物体はふたつある。
 指慣らしをいくらもやっていないくせに、ふとその物体でお手玉をしたくなった。何年ぶりかもわからないお手玉、きっと不様な結果になるだろうとおもったけれど、意外と落とさずにキャッチできた。まあハタから見てうつくしいとまではいえない様子であろうけれど、とにかくできた。できるとたのしいからつい続けてやってしまう。
 右手のものを上に放り、左手で受ける、しばらくすると逆をやる、それにも飽きたら両手で真上に放り、さらに飽きたら交差させて放って受ける。しばらくそんなことをやって、気が済んだあたりでまた指慣らしに戻った。ひとり遊びである。

 お手玉なんてすごくすごく久しぶりで、やってるとちょっと顔がゆるんでくる愉快さを得た。飽きたらまた鍵盤をたたくのに戻ってしばらくやった。そして今これを書いているところ。
 指慣らしの前には本を読んだり音楽を聴いたりしていたし、今日はもうやらないかもしれないけれど夜更けに朗読をやったりもするし、この記事のためにさっきカメラを取り出して写真を撮って補正した。
 全部ひとり遊び、そしてもれなく地味だなとおもった。そんなことに気がついてみると、私の日常はだいたいこんなことであふれている。
 私としては、気は楽だし落ち着くしほとんど気にするようなこともないけれど、他人からするとさみしい人、もしくは馬鹿なんじゃないのかとおもわれるかもしれない。

*

 このように地味なこと全般を好む、もしくはわりと得意とする私であるけれど、ときどきはふとしたことから孤独におちいることもある。誰しもそんなことはあるとおもう。

 今日は、帰り道にある青果店のおもてにあったミモザが目に入った。3月8日のミモザの日をすっかり忘れていたし、元気の出る黄色は好きな色のひとつなのでひと枝買ってきて部屋に飾った。黄色の小さなポンポンがいっぱいついたミモザはかわいい。
 写真のミモザは、花瓶に生けたものから間引いたぶん。

お手玉して遊んだ物体とミモザ

 やっぱり黄色は元気が出る。

*

今日の「とんかつ」:昨日とんかつを食べていたときのあるエピソードを書いたけれど、最近でいうと(といっても1年ほど経つけど)とんかつを食べていたときKさんに箸使いがきれいだねと言われてうれしかったのを思いだした。
とんかつばっかり食べている人と思われるかもしれないけれど、たまたまですよ。


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