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Guerlainの香り

 Guerlainゲランの製品を購入したら、フレグランスの試用品が付いてきました。
 フレグランスをつける習慣なんてものはなくて、これまで何か香りを纏うといえば、オーラソーマプロダクツのポマンダーとか、アロマオイルを原料とするものくらい(原液のこともある)。
 生活用品のケミカルな香りがすきじゃなくて、洗剤やヘアケア製品なんかは、香りのしないものか、残りにくいものを選ぶことがほとんどです。

 でもゲランかあ、とおもって肌にシュッとつけてみると、とてもいい香りがしました。
 ポマンダーやアロマオイルなどの、空気にとけこむのとは違う、だけどあのドラッグストア的攻撃力のあるツンツンした香りとはまったく別の方面の、うっとりするいい香り。
 こういう香りをハンカチやファブリックにつけておいて、風にのって香るくらいの程度にしておくと、下品にならずにいいとおもいます。

 ゲランってそういえば、有名な香りがあったな、とおもいだしました。

 Mitsoukoミツコですね。
 このフレグランスの香りは知らないけれど、なぜ製品を知っているのかというと、漫画MASTERキートンに出てきたからです。(「御婦人たちの事件」)

 ミツコは1919年に発売されたフレグランスで、1909年の小説『La Bataille(邦題:戦闘)』の登場人物からつけられた名前なんだそうです。
 ゲランの調香師(ジャック・ゲラン)と、小説家クロード・ファーレルとの親交から生まれたらしく、ジャック・ゲランはミツコの他にも、現代まで続く名品をいくつか調香した人物なのだとか。

 クロード・ファーレルという小説家は、ピエール・ロティを師としたそうだけれど、ピエール・ロティといえば『お菊さん』ですね(読んでないけど)。
 オペラ『マダム・バタフライ』を題材とした市川森一氏の小説『蝶々さん』にロティのことがちらっと出てきます。

 ゲランは1828年、パリ1区に創業したメーカーで、Wikipediaによるとナポレオン三世の皇后、ウジェニーに香水を献上したことで帝室御用達となったとあります。
 献上したその香水はEau de Cologne Impérialeオー・デ・コロン・イムペリアル
 皇后ウジェニーといえば、大浦天主堂創建のために多額の寄付をした人物です。
 ミツコもイムペリアルも、それぞれどんな香りなのか知りたくなってきました。

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 試用品として付いてきたのは、アクア アレゴリアというシリーズの、ローザ ロッサ フォルテ(オーデパルファン)とマンダリン バジリック(オーデトワレ)でした。
 この、オーデパルファンとオーデトワレは何が違うのかというと、エタノール濃度と香りの持続時間らしいですね。もちろん知りませんでした。
 ミツコはオーデパルファン、イムペリアルはオーデコロンです。
 オーデパルファン>オーデトワレ>オーデコロンの順で、持続時間が長いものから短いものとされています。

 ローザ ロッサはローズに、サンダルウッドとパチュリ、ホワイトピーチがブレンドされていて、ローズの華やかな香りのあとにピーチのあまくやわらかな香りが残ります。サンダルウッドの官能的でウッディな香りもいい。

 マンダリン バジリックは柑橘の明るい香りで、そこにバジリックのシャープなひきしめが効いています。
 柑橘系の香りは元気を出してくれるから、いつ香ってもイヤな気もちは起こりません。朝だったらしゃきっとするし、くたびれたときには癒してもくれますね。

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 香水を買って日常に用いる、なんてこと、たぶんほとんどしたことのない私ですが、いい香りのする女性像に、やはりちょっとしたあこがれをもってしまいますね。

 今日はめずらしくコスメ記事でした。

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今日の「ちなみに」:ゲランの香水瓶はバカラ社製が多いそうですよ。何にしても高いものがすべていいとはおもわないけれど、筋がとおっている(?)高級品を見の周りにおく、という生活には、なかなか良いところがありますよね。
バカラのラブラドール(黒)いいなあ。


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