店にあつまる人たちが好きだった
街を歩いていたら、懐かしい声に呼ばれた。声のほうを向くと父の同窓生のK氏がいた。店にもよく来てくれていて、一緒になるとうれしい常連さんだったひとりだ。あぁ おそらく最後に会ったのは1年前の、父を含む数人で食事会をした以来だ。
K氏は広告関係の仕事をしている人で、服装も姿もいいし、話すこともおもしろくて好きだ。お元気そうでうれしくなる。立ち話で、近況をさっと報告し合って別れた。
店に来てくれる人たちを私はよく好きになった。それは子ども時代からかもしれない。店がなくなって