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喫茶店あれこれ

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喫茶店やコーヒーまわりのあれこれを集めました。
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記事一覧

喫茶店百景-水曜午後の梨ジュース-

 気兼ねしない店というのはいいですね。わたしのネイバーフッド・カフェといってもいい店は、最近ではここくらいかもしれない。あ、でもこの週末は、久しぶりでKさんと商店街2階のコーヒーショップにも行ったな。あそこもいい。  水曜の午後、コーヒー豆がきれたから父を呼び出して待ち合わせたのは、いつもの平井さんの店でした。ランチタイムが終って、客席に余裕のある喫茶店というのはいいですね。カウンターのなかが立て込んでいなかったから、近くのボードに書いてあった梨のジュースを注文しました。

喫茶店百景-レモンスカッシュ-

 たまに行く平井さんの店ではだいたいいつもコーヒーを頼むんだけれど、先週のとても暑かった日、レモンスカッシュを注文してみた。まだお昼になっていなくて、店主(平井さん)の手がすいていたからである。  カウンターに座ったから、平井さんがレモンスカッシュを作る様子をじっとみていた。レモンスカッシュといえば、以前わが家(むかし両親が経営していた喫茶店のこと)での場合を、記事にしたことがあったね。  平井さんは、生のレモンをふたつにわって、ガラス製のレモン絞りでぎゅうっと果汁を絞り

umbrella

 梅雨なので雨がよく降る(きょうは降らなかったけど)。雨粒が傘にぶつかってパツパツという音がするほどの雨の日、周囲のひとはみんな傘をさしていた。もちろん私もさしていた。  その情景を眺めていて、ふと父のことを思いだした。父は、子ども時代に貧乏をしていて、5人いるきょうだいみんなに足りる傘がなかったのだそうである。父は末っ子なので立場もよわく、雨の日に父がもつことのできたのは、ぼろぼろの番傘(と言ったとおもう)だった。  ともだちはみんな、ちゃんとした傘を持っているなか、自分

喫茶店百景(五島編)-ふねを待つあいだ-

 3週間ほどまえに訪ねた五島市の久賀島にまた行った。日帰りで、仕事の用事なのでばたばたと時間が過ぎ、久賀島から福江島に戻ってから帰りの高速船までのちょっとした時間を、喫茶店で過ごした。  港から歩いて10分もかからない場所にその喫茶店はあった。五島市内のひとに教えてもらった店で、知っていたら前回もここで休んだかもしれない。 ▽高速船待ちの時間つぶしに迷ったようす  落ち着いた雰囲気の、照明が暗い店だったのでほっとしつつ、席をとって座り、メニューを開く。コーヒーを飲みたか

喫茶店百景-basement-

 帰宅途中に、ある建物にふと目がいった。ずっとむかし、その建物の2階にバーがあったのである。  ずっとむかし、というのは私が幼いころのことで、このマガジンにはその時代のことを思いだして書く記事が多い。  近所の、その2階にあったバーには父親とその友人たちに連れられて行っていた。ビリヤード台がおいてあったのは憶えている。暗くて、他の景色はよく見えなかった。大人のまねをしてビリヤードで遊んでみたり、つまみのチョコレートを食べるなどして過ごしていた。  店の名は「basemen

コーヒー味くらべ(春霞編)その2

 先日投稿した記事の続きです。タイトルに春霞と書いたけれど今日はとても視界がすっきりした天候でした。  いただきもののストレートコーヒー4種のうち、今回は残りの2種、エルサルバドルとメキシコの記録です。 * エルサルバドル Republic of El Salvador 中央アメリカの中部に位置するラテンアメリカの共和制国家、エルサルバドル。グアテマラとホンジュラスに国境を接しており、南と西は太平洋に面しています。中米で最も人口密度が高い国なんだとか。 コーヒー栽培

コーヒー味くらべ(春寒編)その1

 先日コーヒーを飲みに行った先で、マスターからおみやげにと4種のコーヒー豆をもたせてもらいました。  今朝コーヒーを淹れるタイミングで、それぞれのちょっとした記録をつけてnoteに書いとこうと思いつきました。ストレートコーヒーをまとめて数種類味わう機会というのもそうあるものではないですし。  今日開封したのはケニヤとコスタリカ。 * ケニア Republic of Kenya インド洋に面した東アフリカの国、ケニア共和国。北のエチオピア、南のタンザニアもコーヒーの産出

喫茶店百景-うちの場合・2-

 最近このマガジンの記事を書いていなくて、なんとなくさみしい。以前書いた、かつてうちの店にあったメニューをまた、思いだしながらいくつか書いてみる。 *  両親がやっていた喫茶店は、自家焙煎珈琲が売りものだった。もちろんその他にも、軽食やデザート(というほどでもないけれど「スイーツ」は違う)などといった、いくつかのメニューがあった。子ども時代に、多くの時間を店で過ごした私は、両親たちがお客の注文に応じて飲み物や軽食を作るさまをしょっちゅう眺めていた。  そんなイメージのなか

週末の夢のかけら

 週末にAmazonPrimeVideoをごそごそしていて、ふと目にとまった映画を観た。  1957年から1965年にかけて録音された、ジャズ・ミューシャンたちのジャムセッションを収めたテープ(合わせるととても長い)と膨大な写真(とても多い)をつかい、ドキュメンタリー映画に仕立て上げたものだった。  録音と撮影をしたのはユージン・スミスという写真家で、映画のタイトルは『ジャズ・ロフト』。  場所はマンハッタンの6番街に建つ、がたがたのロフトだった。 *  もと報道写真家を

喫茶店アルバム-店主のメガネ-

 コーヒー豆がきれそうだ。  父が焙煎したコーヒー豆を受け取るために、ある場所で待合せることにした。  そういえばこの店に来るのは久しぶりだな、などとおもいつつ店内に入ると、父は先に着いてカウンターに席をとっていた。店主の平井さんに挨拶をして私も座る。  父が飲んでいたダッチコーヒーの冷たいのがおいしそうで、同じものを注文した。ステンレスの脚付きカップが涼しげでいいとおもった。  先輩(父のこと)の娘というのもあってか、平井さんはやさしい。どうも前から感じていたことであ

喫茶店百景(short version)-待合せ-

 お茶の誘いをもらってにこにこと待合せ場所に向かいました。私が先に店に着いたので、「あとからもう一人来ます」と言って席をとりました。  いいですよね、こういうの。  両親が店を持っていた時代(このマガジンは主に両親の店まわりのことを書いています)、喫茶店というのは待合せ場所によく使われていたものでした。  いえ、現代でだってそういう場所なのは変わるところのないものでしょう。違っているのは、昔は携帯電話などというものがなく、店にはそういうお客からの電話がよく入ったものです。

喫茶店アルバム-あめいろ-

 私が普段飲むコーヒーの豆は、定期的に父が焙煎しているものです。ストックがなくなる前に連絡をしておいて、私の昼休みなんかに会って受け取ることが多いです。 *  コーヒー豆が欲しくて父にメッセージを入れたら、珍しく場所の指定をしてきた。市内中心部にある喫茶店だった。  その店のことは、存在は知っていたし父の知人と聞いたこともあったけれど、店に入るのは初めてだった。父は後輩の店だと言っていた。  少し話を脱線させるけれど、父は以前自分の店を持っていた。  父は学生時代から喫

喫茶店百景(short version)-一枚目の-

 ひとつ前の記事で英語圏で使われる慣用句のことを書いたけど、今日はふと一枚目のパンケーキを思い出した。  the first pancake.  パンケーキの生地を準備して、フライパンを火にかけてバター(油)をひいて生地を流し込む。フライパンの温まり具合とかが今ひとつで、最初のパンケーキは失敗しやすいことから「失敗作」のことを言うみたい。  海外ドラマを観ていたら出てきたやつで、ドラマの中ではゴタゴタの口げんかの時に、長男が母親に向かって「僕は一枚目のパンケーキ?」と嫌味を

喫茶店百景-うちの場合-

 昨夜ねむるときにレモンのことを考えていたら、連想的にレモンスカッシュのことが思いだされた。喫茶店のメニューの、レモンスカッシュ。そうしたら今度は、このごろ喫茶店マガジンの記事を書いていないことをおもって、何か書いてみたくなった。 *  両親がやっていた喫茶店は、自家焙煎珈琲が売りものだった。もちろんその他にも、軽食やデザート(というほどでもないけれど「スイーツ」は違う)などといった、いくつかのメニューがあった。子ども時代に、多くの時間を店で過ごした私は、両親たちがお客の