そこには、二重あごでドレスが入らない、美しい私が写っていた。
「ゼクシィは、もう買ったのか。」
もう28年も娘をしているが、父の言葉はいつもどことなく新鮮味を帯びている。父娘とは、そういうものなのかもしれない。
耳馴れたコピーを思い出して「確かにまだ買っていなかったな」と、新学期に新しいノートを買うように、なにかのついでに蔦屋書店に寄った。
雑誌のコーナーにつくと、ゼクシィが堂々と平置きされている。
手にとって見てみると、「結婚式丸分かりbook」「2022年のトレンドドレス」という大きな文字が目に飛び込んでくる。そして、それらの見