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日本人の知らないフォンデュの世界とお作法

フォンデュといえばチーズフォンデュ。
最近はスーパーでチーズフォンデュセットが買えるくらい、日本人にも身近な料理である。


昨日は夫のフランス人友人宅にて
フォンデュパーティーを開催するとのお誘いを受けてお邪魔した。
(フランス人はホームパーティーが大好きである。)

フォンデュは友人が用意するとのことで、飲み物・食材の持ち寄りをお願いされた。


最寄り駅へ着いたら早速スーパーへ。
野菜を物色しているとなぜか夫からブーイングが入る。

夫いわく、

フォンデュに野菜はいれない。
チーズフォンデュはバゲットを浸して食べるもの。
ブロッコリーなんて邪道もいいところだ!


夫の剣幕に押され、野菜コーナーからは離れる。


向かったのは精肉コーナー。
購入したのは赤身のステーキ肉だった。

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ソーセージであればチーズフォンデュに、というのはなんとなく想像がつくもの。

しかし、赤身の牛肉とは..?

戸惑う私を横目に買い出しは終了。
友人宅に向かった。


待ちに待ったチーズフォンデュ様の登場

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フォンデュのチーズは1種類だけでなく、3種類を混ぜて作る。
コンテ(comte)、ボーフォール(beaufort), グリュイエール スイス産(gruyere suisse)が1番ベーシックな組み合わせ。白ワインも混ぜてソースを作る。

今回はサヴォワ産のチーズを使っているため、サヴォワのワインを混ぜたよ!とのこと。

使うチーズの産地に合わせて混ぜるワインも選ぶそう。


そして次に出てきたのが (なにこれ?!) 

フォンデュ ブーギニヨン(Fondue Bourguignonne)というオイルフォンデュ。

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赤身の牛肉を素揚げしてマヨネーズベースのソースに浸して食べる。おデブまっしぐらの料理だった。

フランス料理は、全般揚げ物料理が少ない。その中でフォンデュブーギニヨンはキワモノと言ってもいいのではないだろうか。

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漬けだれは左から

ベアルネーズソース、ブルギニヨンソース、ガーリックマヨ、タルタルソース

どれもマヨネーズをベースにアレンジを加えたソースである。

夫いわく、

フォンデュブーギニヨンは油分が多いので、肉は脂身のすくない赤身を使うことがポイント。肉の味や食感というよりはソースを味わうための料理だよ。

とのこと。

確かに、肉の味というよりはみんなで鍋を囲んでわいわい盛り上がりながら料理することや、色々な漬けダレを試して比べて見るのがこの料理の醍醐味だと感じた。

個人的にはガーリックマヨとのペアリングが1番美味しかった。

この料理もブルゴーニュ地方の料理とのことで、赤のブルゴーニュワインと合わせて頂いた。

油の多い肉料理とブルゴーニュの赤ワインはよく合った。


もう2つのフォンデュを食べて満腹だったが、デザートを欠かさないのがフランス人である。

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締めはチョコレートフォンデュだった。



フォンデュパーティーで盛り上がったのが、両国の食事に対する考え方の違いだった。

日本人はフォンデュを食べながら、フォンデュブーギニヨンはマグロでもいけそう!  チーズフォンデュはやっぱり野菜いれても美味しいよね、と色々な意見が出た。

フランス人はチーズフォンデュに野菜なんてありえない! 寿司に肉を載せたら侮辱だと思うでしょ? それと一緒だよ、と応戦。

対して日本人は、もう「肉寿司」って新しい料理として浸透してるしカリフォルニアロールが好きな日本人もいっぱいいるよ! と反撃。


伝統的な食文化を重んじる保守的なフランス人と、

新しいもの好きで食べたことのない物にも好奇心旺盛な日本人との間で意見が割れ、大いに盛り上がった日だった。



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