ひそボラ
ボクは週に一度早朝に2〜3時間、自宅近くの歩道の雑草を抜いている。
40年前に造成された郊外の住宅街から、坂上の図書館や美術館がある文化ゾーンに至る市道の、200メートルほどの区間が植栽の手入れが放置され雑草が茂るにまかせてひどいことになっていた。
車道側に植えられたヒバの植栽が横に伸び放題、片側の山際には丈の高い雑草群が道におい被さって来ていた。
自転車のすれ違いに危険を感じるほど、歩道のスペースが狭められていた。
少し前に書籍で読んだ中に、人知れずボランティアをするのも面白いという記述があって、その著者は近くの公園でゴミ拾いと空き缶などの持ち帰りをひとりで黙々としている、というのがボクの記憶に残っていた。ボランティアなど縁遠いボクだったが、
ひとりでひそかにやる
1週間に1度程度
休んでもやめても良い。
ということで、始めてみた。
作業スタートの6時ごろは、ウォーキングや犬の散歩の人たちがいて、7時を回ると通学の高校生たちが自転車で通る。
作業内容を大別すると、ヒバの植栽の刈り込みをして歩道スペースを元の広さに広げることがメインで、
ヒバの下や片側の無法に生えている雑草を引くことがサブである。
6月末から毎週木曜日に実施してきて(雨天は休むので)実際は12回ほどの感想だが、なかなか面白い発見をしている。
小スペースであっても結果が見えるので、小さな達成感がその都度生まれるのが嬉しい。
10人中3人くらいだが、感謝の言葉をかけていただくのも励みになる。
いちばんの発見は、雑草の根を丁寧に抜いていくのが生理的に快感を覚えて気持ちいいのだ。
そして、実感を新たにするのは、ひとりで黙々と作業することがやっぱり好きだということだ。
45リットルのゴミ袋に4袋、成果を手押し車に乗せて帰る。
シャワーを浴びて朝食を終えたら、大谷翔平くんみたいにリカバリーの朝寝をする。それが週一回のルーティン。
ボランティアをしているのではない。やってみたら、「草を抜く、一人の時間を楽しむ」という好きなことをやっていることが分かった。
だから、ひそかにボランティア、ひそボラと自分では呼んでいる。
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