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リーダーがやるべき3つのこと

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」を読んで。


・現地現物を知る(危機の時こそ)
・決めたらやりきる
・コミュニケーションに力尽くす

非常にシンプルだが、リーダーが備えるべき素養または具体的な行動習慣はこれらに行きつくのではないかと思う。

現地現物を知る
細部を知らずして大局観は持てないという事。
リーダーとしてどこまで細部を知る必要があるのか、または知るために労力(時間)を割くべきか自問する瞬間は何度も訪れる。
いちいち細かい事を調べる時間があるのであれば、リーダーはむしろ大きな判断をするための思考の時間に充てた方が良いのでは?と思う事がある。細を得ずして妙な思考の整理術やフレームワークを学び出したりしてしまう事もしばしば。局所か大局か、短期か長期か、、という最近のマスコミが好きな〇×質問の様な二元論的な思考ループに陥ってしまう。
おそらく大きな判断を迫られるであろう経営者や組織の長、スポーツチームの指揮官、軍人、政治家、、といったいわゆるリーダーという人種の言葉に処々折々触れてきたが、私がそこで得た一つの結論は、
”細部を知らずしては大局見えず”であり、”大局見ずして細部を抑える事もできない”、である。つまり局所も大局も両方大事、というたなんとも身も蓋も無い結論なのだが、これが真理と言わざる得ないほど、リーダーという人種は須らく誰よりも細部にこだわりつつ大局観も養っている様に思う。
関わる物事に対して徹底的に深く知る、知るだけではなく感じる、その自らの知覚の積み重ねによってこそ取り組もうとしている事象の大枠が見えてくるし、判断の筋が見えてくる。一方、難しい判断であればあるほど、大概おさえなければいけない論点も多岐にわたる。その場合、全ての論点に均しく時間を投下して理解を深める事は現実には不可能である。よって現在地点を俯瞰し概ねざくっと道の数や方角だけ定めて、そこに関わる細部を抑えにいくといった思考習慣も必要であると考える。要はミクロとマクロの世界を”行ったり来たり”なのであろう、常にリーダーの頭の中は。兎にも角にもリーダーの思考/行動習慣における絶対必要条件は、細部を知る事=知覚を刺激する事=そのために現地現物を知る事であると思う。

決めたらやりきる
一つの事にこだわりをもって何かを成し遂げようとする意志や気迫が人の心を動かし、いつしか現状を変えていくのであろう。”リーダーの意思”はサクセスストーリーに必要不可欠なものであろうと思うが、ふと、それはなぜか、と考える。結論から言えば、それしか社会を駆動するものが無いからであろう。
ビジネスの世界で起きている事、一見たいそうな大儀がありそうな事、例えば売上拡大やら社是やらパーパスだとか、その意味や必要性を究極に突き詰めれば、多くの人にとってそれは別にやらなくてもいい事だと思う。おそらく誰も困らない。一つの会社が潰れようと社会は回るし、ましてやそこで働く人間が目標を達せなかったとしても会社は十分回る。
そもそも本能的にリスク回避性向のある人間という生き物からしたら、多大な労力を要しながら結果が約束されていない様な高い目標も変革も別にやらないに越しことはないはずである。つまり放っておいても何も変わらないし誰もおそらく困らない。ましてや一定の生活水準が保たれている社会構造が構築された日本においては尚の事、何か事を起こす動機は薄れやすい。
しかし、だからこそ一人の人間の意思・信念が尊いのであろう。この世を社会をより良くするために、家族を幸せにするために何か事を成そうと決める事、それをゆるぎない決意をもってやりきる事、それしか人間という生き物が生存する理由は無いはずである。その人間の意思の集合体が何かの組織であり、社会であり、この世なのではないかとすら思う。

コミュニケーションに力を尽くす
大局観、それを養うために必要な細部へのこだわり、教養や人とのつながり、そして強い意志、これらはリーダーとして事を成そうとする上での素養として必要条件にしか過ぎない。
自らが事を成したいその意思を発し、周りに理解納得をしてもらう必要がある。ここを疎かにして事成し得ず終わっていったリーダーをたくさん見てきた。
コミュニケーションと言ってもそのシーンは広範に渡るが、
・説明責任(報告や記者会見)
・現場の声を聴き・話す
・顧客の声を聴き・話す
・上司や仲間の声を聴き・話す
・プレゼンテーション
・英語で伝える
・・・
自らがその面天下にさらしながら人の話を聴き・自ら話す事で、内発的に言葉が産み出され、意思を示す事にもなる。
何(What)を誰が(Who)どのように(How)伝えるか、において、”What”を磨く事は大前提として、Whatの保有者本人自らが、自らの言葉で発信する事で視聴者の知覚を作用させる。知覚作用が理解納得の起点であると思う。コミュニケーションに力尽くす役は、優秀な参謀部下にもAIにもつとまらない。事を成したいという意思を持つリーダーその本人をもってして初めてつとまる任であろう。



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