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積乱雲読#06『近畿地方のある場所について』

いつも行く本屋さんに平積みされていて、そのなんとも言えない物々しい感じの装丁に惹かれて、気になっていた一冊。ようやく読むことが出来ました。

ジャンルは…一種のジャパニーズ・ホラーのような、ミステリーのような、得体の知れぬ、底知れぬなんとも言えない不気味さ…こういう作品を読みなれていなかったので、怯えました(笑

実際、何も知らずに寝る前に読み始めたんですが、怖すぎて部屋の電気を煌々とつけ、スマホから陽気な動画を流し、果てはテレビまで点けながら読みました(おおよそ読書には不向きすぎる状況ですが、そうしないと怖くて怖くて…)

話を本文に戻すと、中心となるのは、近畿地方の「ある場所」。
本文中では「●●●●●」と伏字で表記されます。

その付近で起きる怪奇現象が、様々な人の視点で、かつ様々な媒体で語られます。(インターネット上の投稿だったり、ライターと編集者のやり取りだったり、取材レポートだったり…) 老若男女および正体不明の誰かの視点で、様々な出来事が語られていくのですが、それらの出来事の後ろ側には、大きな一つの流れのようなものが見えてきます。

ただ、それがこう、「見えそうで、見えない」という感じなのがまた不気味。仄暗いこの感じが堪らない。

有名なことわざで、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というものがあるわね。
幽霊の正体が枯れ尾花だったら一安心よ。でも、もしそれが枯れ尾花ではない何かだった場合あなたはどうするの?

『近畿地方のある場所について』背筋

実は、この作品に潜む「怪異」の一部は、まさに幽霊ではなく「枯れ尾花」だったという部分があるんですよね。だけど、どうにもそれでは片付かない部分が出てくる。それが「見えそうで、見えない」ということなんですがね…

あの怪異たちは、心など持っていません。本能にしたがって獲物を探しているだけです。

『近畿地方のある場所について』背筋

中身について書こうと思えば当然もっと書けるし、僕がこういうジャンルの本を読みなれていればもう少し上手いことお話しできるんでしょうけど…今後また修行していきます。

こんなに拙い文章ですが、目を通してくださってありがとうございました。


見つけてくださってありがとうございます。

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