BL小説はラノベになる

何を言ってるんだっていう釣りタイトルでもあるんですけど、なんか今って過渡期なのかな~とか、もしかしてこうなっていくんじゃないのかな~(もうすでになっているかもな~)と最近ぼんやり思っていたことをまとめておこうと思いまして。なので批判記事ではないです。
BL小説の有識者の皆様におかれましては、虚言妄言と薄目で見るかブラウザバックをしていただき、または「そうじゃないだろ」を優しくご指摘くださいませ……。そんな(身)勝手な考察?記事です。いつものごとく前置きが長いですね…。

ちなみに今回本文もめちゃくちゃ長くなった(1万字くらいある)ので、超暇な時にでも読んでください。
しっちゃかめっちゃかになったものの、力尽きたので一旦ここまでにしておいているので……。
※念を押しておきますが、具体的なデータは何も持っていない私の主観・感覚の話しかないです。


本題に入ろう

個人的にコロナ禍(2020年)前くらいまではBL小説って、いわゆる「ラノベ」「ライトノベル」とちょっと距離があった気がする。
誰の自負かはわからないけれど、ジャンルで分けるなら「文芸」寄りみたいな。JUNEからの流れのせいなのかな?読者側(私)がそう思っていただけなのかもしれないけれど。
その「以前」の空気感としては電子のみ作品(紙書籍が出ていない作品)に対して「電子(のみ)か~」みたいな感じで、電子だけで出ているもの・WEB小説というものは忌避されるとまでは言わないけれど、距離があったように思う。

そもそも老舗になりつつあるレーベル以外の新興レーベルがなく、既存レーベルも潰れていく一方のせいで、未知の新レーベルに慣れていない、みたいな心理的要因もありそう。
でもそういう新陳代謝がないから、新しい読者が生まれない(ようにも見える)、苦戦を強いられているのかもしれないですね。
そんな時に一般ジャンルですでに流行していたなろう系とも呼ばれる大判本(いわゆる四六版)の流れがBLにもやってきた。

ちなみにBL作品が投稿されるのは、ヒナプロジェクトだと小説家になろうではなくムーンライトノベルズのほう。

ざっくりWEB小説とBLレーベル

WEB小説の書籍化黎明期としては、リブレの四六版本の存在が大きいと考える。
「空に響くは竜の歌声 紅蓮をまとう竜王」(2016年5月)や「緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼」(2017年3月)「愛を与える獣達 むすんだ絆と愛しき『番』」(2018年3月)といったシリーズがある。
ただこれらはなんて言うか、有象無象あるWEB小説の中の上澄み・選ばれしもの(つまり特別)みたいな当たり馬券のイメージがあったようにも思う(私の主観です!!!)

黎明期はDeNIMOというパピレス(Renta!)の電子レーベルの存在も大きいと思う。

「愛を与える獣達」はそもDeNIMOから配信(2017年3月)されていたものだし(現在は配信停止)

「守銭奴騎士が俺を泣かせようとしています」(2017年9月)

書籍化:ルビーコレクション2019年4月

「喘ぐ攻めたち~頼むから声を抑えてくれ~」(2018年7月)

書籍化:リブレ2019年7月

DeNIMOから電子書籍化のち紙書籍化もされている。
ちなみにどれもワンコインくらいで1話が読めて、その配信の形態は待てば無料系に近いように思う(1話を細かく割ることで単価を下げている)
以前はレーベル名なかったような気がするのだけど、今はLiamノベルスというレーベル名がついているみたい。
あとはRenta!のレーベルなのでセットのように絵ノベルも出ているのが特徴かも。


他に電子メインのレーベルがあるかと聞かれれば

・いるかネットブックス

・くるみ舎
BL小説レーベルであるスピカ文庫

・アスタリスク文庫
・アスタリスク・ポミエ文庫

・すばる舎
海外BL小説を輸入しているプレアデスプレス

・のはらの星

・リリリック

あたりは電子のみのレーベルとして知っている(私が)(とりあえず自費出版系かどうかは問わずにおく)


既存紙書籍レーベルの電子書籍

ちなみに既存レーベルも電子(のみの)書籍を出してないわけじゃない。

・モノクロームロマンス文庫

・ディアプラス

・シャレードパール文庫
一時は番外編集とか同人誌の電子化ばかりの休眠状態だったけれど最近また活発になってきたかなと思う。

紙書籍でのシリーズ続行が難しくなった作品とかも、電子でシリーズ続けてくれるならありがたい。
あと最近はシャレードパール文庫デビューの人がシャレード文庫でも出るようで、現代BLを書く新人BL小説家が現れるのは嬉しいですね(私が積んでしまっている現実は置いておいて…)

・クロスノベルス

・ビーボーイデジタルノベルズ

pixivとの共催であるビーボーイ創作BL大賞の受賞作は一部副賞として電子書籍化される模様。

この賞がはじまる前まではエロとじ(アンソロジー)の分冊版くらいしかないイメージだった

・ラルーナ文庫オリジナル

思いついた順番で書いていった。紙書籍も出している現存レーベルで、電子オリジナル作品があるのはこれくらい?


転換期は2021年?

さて。一個の転換期としては、個人的に伊達きよ先生の「春になるまで待っててね」(2021年6月刊)のヒットが大きいように思う。

個人的には伊達先生の作品だと「嫌われ神子の8年間」が好きです。

あわせて、アンダルシュノベルスの創刊(2021年3月)がやっぱり大きいんじゃなかろうか。

アンダルシュの母体はアルファポリス(小説投稿サイト)であって、このレーベルから出るのはWEB小説からの書籍化作品である。

そこで「毒を喰らわば皿まで」(2020年12月刊)「半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される」(2021年1月刊)あたりが売れていたように見えた。
(正確に言うと「異世界でのおれへの評価がおかしいんだが」(2019年12月刊)からかなとも思うけど、レーベル創刊の前に出ているからカウントしにくい…)

公式垢で↓こういう宣伝?していて、わざわざ言うならばそれって小説としては景気いいことなのかなと思ったんですよね。

ルビー文庫もルビーコレクションという四六判レーベルを2018年に立ち上げて、「背中を預けるには」(2021年3月刊)をヒットさせたりしている。

このなろう系書籍化ブームは、黎明期とはちょっと作品傾向違うかなとも思うんだけど、リブレもちゃんと今の波に乗っかった人気シリーズも持っている。

逆に作家業の周年を記念しての大判本(四六版型)はあまり見なくなった。気がする。
シリーズ周年記念なので若干違うが、樋口先生のムシシリーズの大判本が出たりもしてるので、タイミングの問題かもしれないけれど。

アンダルシュは傾向として、BL漫画家のような普段BL小説のイラストを描かない人が表紙イラストを手掛けていることが多い点も挙げられると思う。
そこが同じく小説投稿サイト(fujjosy)を母体とするエクレアとの違いのように感じる。
読者のターゲット層(年齢層)も違ったりするんだろうか。
エクレアはBL小説を読む人なら知っているイラストレーターが表紙イラストを手掛けていることが多いように思う。

関係ないけど気づいたらエクレア文庫からエクレアノベルスに名前が変わっていたという(確かになんで単行本なのに文庫って名乗ってるんだと思っていた)

WEB小説の書籍化の現状としては
・小説家になろう(正確に言うとムーンライトノベルズ)→角川・幻冬舎など出版社に囚われない
・アルファポリス→アンダルシュノベルス
・fjossy→エクレアノベルス
・カクヨム→角川(ルビーの新人賞も受け付けていたり)
・pixiv→リブレと組んだコンテストがある(場合もあるくらい)
・ノベマ!→スターツ出版(後述、2024年に新レーベル創刊予定)
という棲み分けになっているのかな。

投稿サイトとしては過去にBL合戦をやっていたエブリスタもあるのだろうけど、現状BL小説の書籍化においては動きがないと見ていいでしょうか…?
みんなそれぞれのサイトに重複投稿もしているようなので、どこが主戦場なのか素人にはわからん……。

エブリスタと組んでいる(いた?)のは大洋図書のイメージ。
第一弾は2014年発売なので、個人的感覚としては黎明期よりも前ということになるかも(黎明期よりも前って???)


書いていて思い出したのだけど、携帯小説ブームの時代(横書き本…「恋空」とかの)にBLの書籍化もあったから、本当のはじまりはここかも


脱線もしまくったが、以上のこと、諸々を踏まえて、個人的には2021年から潮目が変わったように思う。
これにもコロナ禍の巣ごもりが影響しているんだろうか(電子書籍市場はコロナ禍で売り上げ伸びたと聞くので)


現在のBL小説の主流とは?

現在、商業BL小説全体としてのムーブメント、出版される作品傾向が、いわゆる「ライトノベル」の流行を反映されるものに流れていっている気がする。
オメガバースも定番ジャンルとして落ち着き、Dom/Subは期待したほど流行らず(私は好きなのに…)、異世界ファンタジーが多い…!
(個人的に思ってる)現代小説と言えば!のディアプラス文庫も、最近はどんどん異世界ファンタジーの割合を増やしていっている。

作品傾向の一部として、クラシックなど音楽家がメインの作品、など素養がないと書けない作品がめっきり減っているのも感じる。
私、自分自身には教養がない分、「教養」が感じられる小説って好きなんだけどなあ…。

BL小説を嗜む皆様におかれましては「美しい彼」ヒットを見るに現代もののBL小説が求められてないわけではないやろ!という意見もあるかもしれない。

でもね、考えてみて。
あのヒットにはすでにBL小説読みが全員「美しい彼」を読んでいるという前提があって。言い過ぎかもしれないけど、8割…いや9割の商業BL小説の読み手は読んでるでしょう?
その上でさらに「流浪の月」などで凪良ゆうファンになった人が「一般文芸の凪良ゆうはもう全部読んだわ…じゃあまあBLも読んでみるか……これが一番人気・有名なんか?」で手に取ったり、昨今の実写化ブームもあって大成功したドラマ版「美しい彼」を観た人が「ドラマの続きあるっぽいし原作も読むか~」と手に取ったり、そんな積み重ねの上での爆裂ヒットよ。
なんというかジャンル外!って感じである。

※ジャンル外!=売れ方がこれまでの傾向と違いすぎるので、読者からはさっぱりわからんの意

個人的には国内産BL小説への流入がないように見える「魔導祖師」関連シリーズにもジャンル外!を思う。タイBLもそうかも。
このジャンルの人たちは日本BLを読みたいと思っていない。こういう話はないんでしょう?と思ってそもそも手を伸ばそう・探そう・digろうとは思っていないように見える。
あと受け付けない倫理観(先生と生徒とか)を一瞬で見抜いて避けるのが難しい現状(日本のBL小説のほうの問題)もあるのかも…。

「イエスかノーか半分か」も「美しい彼」とほぼ同じである…。これもまたドラマ化決まっていて水面下で動いていそう。

イエスノーも、元からBL小説界では爆ヒット作だったわけでェ。そこに直木賞受賞作家のBL小説作品というバフが今、さらに乗っかろうとしているというだけであってェ……。

いつものことながら話が逸れた。

個人的にはBL小説って若手世代がうまく育てられなかったジャンルなのかな…と思っている。作家も読者も同じくらいに。
作家さんにはどこかにぽっかり空いた世代がありそうと思ったりする。
若手がいないので、学生BLや青春BLが遠いものになった。はたまた逆に自身の子どもが育って学生・青春というジャンルがこれまでとは別物に見えて、エンタメにできずにいるのかもしれない。
若手の作家というか書き手は小説投稿サイトで読んで・書くことが多いので、ランキング入りの確率の低い現代BLは書かない。
BL漫画は常に新人作家が生まれていて、応援する土壌も、受け入れる土壌もあるように見えるのに。同じジャンルのようで読者の傾向は全然違いますよね。
BL小説界隈は読み手の数と同じくらい(は言い過ぎ)書き手もいたりして、読み専の数が少ないようなイメージがあって、それでややこしいことになっている……気がする。
私(平成生まれ)の周りにBL小説を読んでいるオタクがいないだけって可能性もあるので、半分で聞き流してください。

とはいえ、そもそも若い読者があまりいないというのは、BL小説に限った問題ではなく、小説という更に大きなジャンルの問題ですけれどね……。
Twitter(Twitterと呼び続けているほうのオタクなので)という手軽に活字が摂取できてしまって短文で満足できてしまう環境、かつ視覚的な訴求が強いSNSがオタクの主戦場というのも拍車をかけた気がする。TwitterもInstagramも「絵」のパワーが圧倒的なのは事実だものね……。

でも!私は!現代BL小説が!好きなの!
最近は本当に少ないけど!涕泣

一般文芸とBL

凪良先生も一穂先生も、一般文芸小説(非BL小説)がデカくあたったのはコロナ禍真っ只中というのに異論がある人はいないと思う。
凪良ゆう「流浪の月」が本屋大賞を取ったのは2020年。一穂ミチ「スモールワールズ」が本屋大賞候補だったのが同じく2020年。
そこからついた火は消えず2024年に至っている(一穂先生は2024年直木賞受賞)

そんな中、凪良先生のBL最新作は2019年「美しい彼3」で止まり(一応2021年に「interlude 美しい彼番外編集」は出ている)、一穂先生も2020年「つないで イエスかノーか半分か番外篇4」で完全新作は止まっている(一応2022年に「OFF AIR 3 ~イエスかノーか半分か~」番外編集は出ている)。
※それぞれ漫画原作として今も番外編を書き下ろしたりしてはいる。

おふたりとも(並列が失礼だったらすみません)4年以上、完全新作がない……ない……。シリーズ以外の新作の上梓もない……供給がない……。

私は心配性のオタクなので、凪良先生がBLをChara文庫以外からほぼ引き上げたのは一般小説として出すんじゃないかという心配?不安?があるし、一穂先生が「青を抱く」を角川文庫から出し直したのも心臓がひゅっとなるような気持ちになる(「青を抱く」はそもそもはフルール文庫でレーベルがもうないし、ルビー文庫でもルビーコレクションでもないのもわかるんだけども…)

BLの一般文芸小説化としては講談社という前例があってあまり信用していないので……。
その原因が先生の意向なのか(それならばもう何も言えない)、一般文芸小説の編集者なのか編集部なのかは知らんですが……。

そもそもとしてBLとして出していたものをBL小説じゃないです!って出すって、うまく言えないけど過去の読者に失礼じゃないですか?と思ったりもした。BLとして書かれた作品の過去を漂白したいんですか?みたいな……。SNSでも非BL好きを慮っているし。
まあ、逆にBLの金字塔!みたいな謳い文句で出されても「でも御社のBL小説レーベルで出すという選択肢はなかったんですよね?」または「御社はそのBL小説レーベル潰しましたよね?」みたいな気持ちなるので、どっちに転がったとてオタク心はフクザツですわ……。

とはいえ、これだけBLというものが世間一般に知られるようになったので、今後はこういったことはないでしょう。
「BL」も宣伝文句として有用な世の中になったので。

「美しいこと」に関してはこちらが完全版だと思っているので、講談社版小説を読んだ人、コミカライズを読んだ人はこちらを読んでください。


キャラクター文芸や一般文芸のジャンルにも進出するBL小説家さんが増えたと思う。
正しく言えば、凪良先生・一穂先生の活躍の前からあった流れではあるけれど、今後も増えるんじゃなかろうかと。

集英社オレンジ文庫

幻冬舎

ポプラ文庫ピュアフル

角川富士見L文庫

活躍の場を広げていく先生が近年多い。
BL小説にも帰ってきてくださいね…!と思う。

そう、ここが問題なのだ……一度一般文芸で花開いた先生はなかなかBL小説に帰ってこないのだ……。
小説家としての空白の期間が生まれているわけではないけれど、BL小説家としての空白期間は生まれる。
BL小説と一般文芸とを比べてみれば、読者人口(ひいては発行部数)は桁違いだろうし、二次展開(実写化とか)だって幅が広がるだろう。
BL小説は今時点、ようやくコミカライズが広がってきたところで、昨今ではドラマCDにもなかなかならない。(コミカライズとドラムCDどちらが上とかではないけれど、関わる人の多さの規模的にはドラマCDのほうがハードルが高そうという話です)
それに一般文芸では名誉だって手に入る可能性がある(直木賞とか……本屋大賞とか……これは名誉として換算していいはず)一般知名度だって鰻登りだ。
せめてこの一般文芸に羽ばたいていった先生の作品を足掛かりにBL小説を読む層を広げたいとも思っても、BL小説界隈のサジェストが下手というか、読者層にリーチできていないというか。
いまいちBL小説を読む層が広がっているような気がしない。一穂先生のBL小説を直木賞きっかけで手を伸ばす人はいるんだろうか……。
サジェストする側はBL小説というジャンルの特性上むやみやたらにおすすめがしにくいのかもしれないけれど、BLドラマがこんなに一般化した世の中で今更それ気にする?という感じでもある…(LGBTQ的社会運動や現状と乖離したBLという概念だけがエンタメ化されている問題は今回は置いておかせてください)

無料の小ネタバズと有償の商業作品

ところで、伊達先生のTwitterでの小ネタがヒットして、それをバズらせているのはどこの層なんだろうかは、個人的にちょっと気になる(二次創作界隈で小ネタに自CPを見ているのか?)

このバズが

度バズ界隈(BL小説も書く人で度々BLネタでバズっている人)でいうと

リスちゃんさん

くもさん

ジャンルの天井はあるのか

BLが性愛前提(セックスまでが様式美)なのも、ジャンルの天井になってしまっているのかもなと思う。

※別問題として、成人指定されずに出される作品のレーティング問題がある。
小説は官能小説であっても成年指定や有害図書指定(青少年保護育成条例)はされないみたい?
でもBL小説がAmazonで成年カテゴリに入っていたりはする。

かと言って、今のBL小説には性愛抜きの作品を受け止める度量が、このジャンル・界隈にあるかと言われると微妙な気がする。
ところで、話が逸れるような逸れないような疑問なんですが、ハーレクインに作中ずっとプラトニックな話ってあるんですかね?お約束や様式美を大事にするジャンルとしては、ハーレクインとBL小説って結構近似値なんじゃないかなと個人的に思っているんだけど。

そう。現在のBL小説って「お約束」「様式美」の中でどう遊ぶのかがメインで、枠を超えたものが出されにくい環境にあるように思える。

「ちいさな神様、恋をした」みたいな性愛抜きのお話もあったりはするんだけど結構特殊だと思う(他にもあるようだったら教えてほしい)

シリーズになって巻数を重ねていけば、別にセックス抜きで話が進んでもいいんだろうけれど。どうなんだろう。

BBという新興レーベル(?)がそういう性愛なしのBL小説レーベルを準備しているようだけど、こと電子のみのレーベル(既存のダンガン文庫が電子レーベルなので)でこれがどう受け止められるかは未知数だと思う。
ボーイズライフとなると、キャラ文芸のほうがジャンルとしては近くなると思うのだけど。

ちなみに今のうちにこんな記事を書いておこうかな、を思ったのはヴィオラ文庫というレーベルの立ち上げを見たと、

ネトコン12からBL作品も正式に対象になったから。

ヴィオラ文庫の運営元パルプライドには先にエンジェライト文庫という、なろう系の女性向け異世界恋愛ファンタジー小説レーベルがあって。そこの知見を持ってのBLジャンル参戦なのかなと。
WEB小説の書籍化した作家さんはラインナップにいても、古参のBL小説作家さんはいないところからも、経脈としてはなろう系(ライトノベルズ系)なのかなと思っている。
ただ、どうやらエロなし作品もあるようなので、ちょっと気になる……。

ネトコンは、正確に言えば書籍化といよりもBL漫画の原作として探しているみたいですね。
今回、このコンテストではBL小説作家としてはデビューできなさそう(BL小説レーベルもない版元なので)


スターツが新しくBL小説レーベルを立ち上げるとも見た。
スターツ文庫の姉妹レーベルになるわけだし青表紙本(余命系)だったりする?とか思いながらコンテストの要項見たら、これは多分求められているのは「BL(ボーイズライフ)」であって「BL(ボーイズラブ)」ではないような……。
求められている系統が、BL漫画だとあの作品のことを指してるんだろうな〜と、思い当たってちょっと笑いました。

多分これから小説家になろう(ムーンライトノベルズ)をはじめとする小説投稿サイトには、特段にBLが好き!ではない書き手のBL作品が上がってくることもあるんじゃなかろうか。今もそうなのかもしれないけれど。
でも、BL小説って「BLが好き!」じゃないと、こう……書いていて旨味がなさそう…と思ってしまう(偏見)
読者人口だって、書籍化のチャンスだって、ヒナプロジェクトで言えば、小説家になろう(一般小説・ライトノベルジャンル)のほうが多いだろうし……(ムーンライトノベルズのユーザー数は公開されていないが、小説家になろうの子会社的存在からして規模は落ちるんではないかと予想)
BL小説には225万人もユーザーいないと思う。BL漫画を含めたらいく……?いや人口増えているとはいえ、さすがに無理な気がする……(部数と読者人口はまた別物だし…)

WEB小説って、職業WEB小説家な人も多いじゃないですか。コンスタントに連載し続けて、それが書籍化されていく…という流れを繰り返している人たち(書き下ろしとか雑誌連載の小説家とは違った凄さがあるよね…)
今回ネトコンの募集ジャンルにBLが入ってきたり、ノベマ!のコンテスト開催によって、初めてBL書いてみっか!な人を見かけたりして。
そういう書き始め時点ではBLにパッションを感じていなかった人の作品が、WEB小説のテクニックで突破できるのかは個人的に興味がある。
まあコンテストはレーベルが求めているマッチングでもあると思うので、これがBL小説処女作です!過去BL小説は読んだことはない!な作品も出る可能性もあるだろうけど。

BLとライトノベル

ややこしいことにに(?)ボーイ・ミーツ・ボーイなライトノベルはもうすでにあるのだ。カテゴライズされていないから探しにくいのだけど、この世の中にはいる。ある。
読んでみると。私が読みたいのはこっちにあるのか…?と思ったりもする。私が読みたい「ボーイズラブ」ってなんなんだと自問をしたりもする。
正しく言えば、一般文芸にもある。
それは「匂わせ」としてこっち(読者側)が勝手に妄想している二次創作にも近い。昨今は関係性を売りにすることも多いが、過去より「匂わせ」小説と呼ばれている。
記事のタイトルは危ういけれど、ちるちる(ご存じ、BL読者には有名なサイトです)のこちらの記事を参照されたし。

個人的感覚なのだけど、「匂わせ」小説と昨今のボーイ・ミーツ・ボーイはまたちょっと系統が違うように思う。時代も変わってきているからかな。
これを仮称「関係性小説」としたい。

イラストにBL小説に所縁がある人を起用していることも多いのに、慣例なのかそもそもイラストレーターを明記しないことも多いから検索で引っかからない!!!表紙で巡り会うしかないので、ネットじゃ見つけにくい!!!怒
ちなみに、yoco先生、円陣闇丸先生、雪広うたこ先生が表紙イラスト描いてたらチェックしておいたほうがいい。少なくとも。

非BL小説レーベルから出た関係性小説でも、ちるちるに登録されたりしているけれど、これは人力なので漏れ抜けがあるというよりも登録されていたらラッキーレベル。
出会うべき人が出会っていないと、関係性小説が好きでも一生その作品に出会えないってなんなん。悔しすぎる。

ハードボイルドBLと帯に書くなら、BL小説好きがリーチしやすいように販促してほしいと思った作品(面白かった)(角川なんだから、ちるちるの存在知っているんじゃないですか…)

BL小説とは言っていなかったけど、ファンダムがBL的に盛り上がっていた記憶がある。が、作者は好意的に受け止めたみたい。
現代ファンタジー、子育てもの。

2010年前半あたりのBL小説がすきな人は好みかもというボーイ・ミーツ・ボーイ。円陣闇丸先生が表紙イラスト描いてる。


ファンダム的な盛り上がりと言ったら最近だと

あたりじゃなかろうか。

結びに

こうして同性同士の関係性のある小説……こと現代が舞台の作品についてはこれから一般文芸〜キャラクター文芸といった形でより見かけるようになり、現行のBL小説レーベルは異世界ファンタジーのようなネットの流行を追いかける方向性になるのでは、と個人的には思っている。

とはいえ、一読者の予想?想像?なので……。
現在ある商業BL小説レーベル、特に紙書籍を扱うそれぞれのレーベルがこの過渡期を経てどちらに向かうのか。今、それぞれの船(レーベル)の舳先はどちらを向いているのか。
これからも読者として追いかけ続けたいと思ってる🚢

結構長くなって雑になってしまった部分も大いにあると思うので、ちょこちょこ手直しを入れていくことになりそう。

兎にも角にも現代BL小説が読みたいゾ!!!

何かあれば↓からどうぞ📮
おすすめBL小説も投げてやってください!

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