見出し画像

【読書メモ】「島はぼくらと」を読んだ

2023/04/17 月曜日

辻村深月「島はぼくらと」を読み終えました。


瀬戸内海にある冴島を舞台に、地元の4人の高校生を中心に描いた物語。

いいことも悪いことも不思議なことも、さまざま起こって、だけどその背景にある冴島の海や空の存在がなんだかずっと爽やかで心強いと思った。
と言っても、冴島は架空の土地で、その景色は文章をもとに自分の脳内で作り上げたものでしかないけど……。

私は辻村深月さんの作品を複数読んだことがあり、その中には田舎を舞台にした作品もいくつかあった。
辻村さん、田舎に嫌な思い出でもあるんだろうな! なんて失礼ながら勝手に想像するくらい、彼女の描く田舎の風景は重くて暗い印象だった。
だから、今回描かれた田舎の風景がそうじゃなくてよかったと思った。もちろん、その土地にあるのはいいことばかりじゃないし、住む人の数だけ捉え方はあるけれど、それでも「島はぼくらと」の冴島はすごく活き活きとして感じた。
私はそれがすごく好きだった。

何より驚いたのは"あの人"と再会できたこと。
これも辻村深月さんの作品ではあるあるかと思いますが……。久々に会えて嬉しかった。
私はその人のための物語を読んでから10年近く経つと思う。すごく勝手だけど私はその人を友達だと思ってる。
名前を見た瞬間、嬉しくて、驚いて、外で読んでたのにうっかり泣いてしまった。
しばらく辻村さんの作品から離れてたのは私の都合なんだけど、戻ってきてよかったと思う。

爽やかな読後感がこれからの暖かい季節にぴったりだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?