読書記録:IoTの知識地図――設計・実装・運用のための必須知識をこれ一冊で

IoTシステムの全体像を包括的に解説する本です。
IoTの基本概念から始まり、具体的な技術、デバイス、ネットワーク、そしてクラウド利用に至るまで、広範囲にわたる知識が網羅されています。
IoTシステムの設計、実装、そして運用に関わる必要な情報を提供し、それぞれの技術要素の解説に加え、IoTプロジェクトの取り組み方についても詳述しています。

私はエンジニアとしてのキャリアを持ちながら、IoTについてはこれまで手がける機会がありませんでした。
そのため、この分野については完全な初学者となります。
この書籍は、私と同じようにIoTに関する基礎知識をこれから学びたいと考えている方にとって、非常に有用だと感じました。

これまでの私の経験は主に業務システムの開発に限られていましたが、IoTシステムの構築においては、全く異なるアプローチが必要だということをこの本を通じて学びました。
たとえば、業務システムではデータの欠損は許容されないことが多いのに対し、IoTシステムではデータの欠損が許容されるケースが意外と多く存在します。これは私にとって新しい発見でした。

また、本書にはIoTシステムを構築する際に考慮すべき要件の選択肢が豊富に記述されています。
例えば通信方式やプロトコルの選定について、具体的なシナリオごとにどの技術が適しているかが詳しく説明されており、理解を深めるのに役立ちました。

さらに、IoT市場の現状と将来展望についても言及されています。
例えば、市場は依然として拡大を続けており、2027年には国内市場が9兆円に達すると予想されています。

特に私が市場の拡大可能性を感じたのは、IoTデータに対するAI/ML活用の分野です。
例えば、カメラセンサーから取得した大量かつリアルタイムの画像データを、AI/MLを活用して人的コストを掛けずに効率的に分析する手法が考えられます。

ただこの例については具体的な実現構成が気になったのですが、本書はそこまでの解説はありませんでした。
さらに踏み込んだ情報を得るためには、別の情報源を探す必要があります。

また、この本は、IoTに関する広範なガイドラインやリンクが豊富に用意されており、要件抽出や評価の視点を洗い出すのにも非常に役立ちそうです。

この本は、これからIoTシステムの開発を始めたい人や、IoTを活用したビジネスを検討している人にとって、非常に有益な情報源となるでしょう。

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